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東原そら
2021年7月26日 19:34
結婚25年、妻の思いがわかりませぬ。 長く連れ添うと、阿吽の呼吸と言いますか、お互いの心がわかるらしいのです。 どうやら、私にはその力が欠如しているようです。 今日の妻は冷麺の気分だったそうです。 私は鍋を作りました。 今日も罵声を浴びました。 嗚呼、理想の夫婦とはなんぞや。
2021年5月12日 19:51
にゃあ、といえば猫の鳴き声だ。 日本に住む人なら、にゃあ、といえば猫というだろう。 でも、うちのはちょっと、いや、だいぶ違う。 うちのは、ぶぎゃあ、と不細工に鳴く。 その声に、私はいつも笑って突っ込みを入れる。 不細工なんだけど、かわいい。 私は、そんな夫をとても愛してる。
2021年3月19日 16:46
「かわいい娘さんね」「いえ妻です」「お父さんとお散歩?」「いえ夫です」 俺達はよく親子に間違えられる。 その度に妻は頬を風船にして否定する。「どうしてみんな間違えるの!同い年なのに」 仕方ないよ。 童顔低身長に加え、ゴスロリファッション。 頼むから逆ギレしないでくれ。
2021年3月8日 20:01
2255年、人はAIと婚姻関係を結べるようになった。 人間と大差ない感情と外見を持つAIに、政府もようやく重い腰をあげた。 だが問題もあった。 耐用年数があるため定期的にボディを交換する必要があるのだ。 妻は70歳のAI年齢に20歳のボディを持ち羞恥している。 わしも体を変えたいわい。
2021年2月5日 19:39
「君は低レベルだな」 上司に冷淡な言葉を浴びせられた日から、俺の心は瓦解を始めた。 鼓舞するも、温度がない上司の言葉は容赦なく心から熱を奪う。 もう疲れた。 気づくと病院にいた。 ベッドの脇で嫁が大粒の涙を流している。「気づかなくて、ごめんね」 そうか、話せばよかったんだ…
2021年2月1日 19:45
そっと頬に触れる。 ひやりとした冷たさが指の温度を奪う。 紺の唇に口づけると零した涙が彼の頬を這う。 馬鹿。 口を衝く一言は自慢と暗澹が混在している。 お胎で彼か彼女も怒ってるよ。 会うことを誰より心待ちにしてたくせに、知らない 子供を庇って。 誇らしいけれど憎らしい。 馬鹿よ…
2020年11月19日 21:03
結婚して十二年、頑なに晒すことを拒み続けた妻が観念して頭を預けてくる。 妻も未知のプライバシーを俺は覗きこむ。 ふう、と小息を吹かせる。 妻は総毛立つように身をよじらせる。「もお、そうやって悪戯するから嫌だったのよ」ごめん、と口の端が緩み、俺はそっと耳かきを滑らせていく。あとがき妹夫婦の日常の風景です。ネタが浮かばずこそっと小説にしました。露見したら、速攻で