マガジンのカバー画像

人生を変えたバイト

18
名古屋にあったオゾン・スパイラルというクラブで働いていた時の事や、働くようになったきっかけであるシーモネーターの事をまとめました。
運営しているクリエイター

記事一覧

人生を変えたバイト_便掃について

オゾン・スパイラル時代の事について、大事な事を書き忘れていた。それは、便所掃除こと便掃だ。これを書く事を忘れていた事を不覚に思う。

便掃を語る前に、まず営業後の清掃について話したいと思う。

営業後の清掃とは、営業終了後帰るまでの時間をいかに短くできるか、というタイムトライアルのようだった。ちんたらした時間は一秒も許されなかったのだ。精算・清掃・お立ち台組み立てなどを、全速力で終わらせる。そして

もっとみる

人生を変えたバイトからの、気づきと転機

オゾン・スパイラルのバイトを続けて、2年半が経っていた。成人も無事にこのアルバイト期間に迎え、気づけば21歳になっていた。

最初の大量放出のタイミングを乗り越えたスタッフも、1人また1人と大量ではないものの、不定期に辞めていった。先輩も同期も。

忙しいものの集客も当初程ではなかったので、スタッフを増やす事なく、少ないスタッフで日々回していた。

私はほぼ週5か6で入っていて、少ないながらもそれ

もっとみる

人生を変えたバイト_超越したセキュリティ

オゾン・スパイラルはクラブなので、入り口や舞台手前にいつもセキュリティがいた。

入り口では身分証チェックや持ち物チェック、ボディチェックをやってくれたり、舞台手前ではダンスホール内で起きるトラブルを処理してくれたり、ホールで起きるトラブルを処理してくれたりしていた。

客としてではなく、スタッフ同士として時には協力して、セキュリティと絡む事がある人は人生において少ないと思うので、今となってはそれ

もっとみる

人生を変えたバイト_ギャル・ギャル男編

引き続き、オゾン・スパイラルでのバイトの話。

オゾン・スパイラルは中で繋がってはいるもの、音楽のジャンルが全然違い、私はトランス・サイケ・パラパラなどがかかるオゾンの方に配置されていた。

来るお客さんは、ほぼギャルとギャル男。私はこれまでギャルとギャル男と接した事がほぼなかったから、接し方が分からない事もあって、勝手に嫌悪感みたいなものを持っていた。

バイトに入ったばかりの頃や、先輩のヨコイ

もっとみる

人生を変えたバイト_ゲイナイト編

前回、オゾン・スパイラルで経験した箱貸しイベントのレズナイトの話をした。レズナイトでも教わった事がとても多かったが、今回はゲイナイトを話をしたいと思う。

レズナイトの投稿で強調しなかったが、こういった性的マイノリティの方のイベントでジェンダーフリー(レズナイトに男性も入れる、ゲイナイトに女性も入れる)という事は当時あまりなかった。16年前だ、今の時代のように性的マイノリティの方々への寛容さも、逆

もっとみる

人生を変えたバイト_レズナイト編

オゾン・スパイラルでは、金曜日や日曜日に箱貸しイベントもやっていた。箱貸しイベントは外のオーガナイザーが持ち込みでイベントを行うので、通常イベントではない、より多種多様なイベントが行われた。

アーティストのワンマンライブや、サーキットイベントの1箱となる事もあったので、そういった時はライブハウスのような感じだった。西野カナさんも1stライブはオゾンだった。

その他にもアニソンDJイベントや、美

もっとみる

人生を変えたバイト_キッチンとVIPルーム編

オゾン・スパイラルのバイトの業務内容紹介編のラスト、今回はキッチンとVIPルームについて書きたいと思う。

まずは、キッチンについて。

オープンの日の終日唐揚げ揚げ続けて鬼臭現象が起きた話の時に少ししたが、基本小さな換気扇しかなく、ドアも閉めっぱなしで2畳半くらいしかないキッチンだった。そこに忙しい時間には2〜3人入って、5つくらい入っているオーダーをこなす。揚げたりレンジでチンしたり盛ったりす

もっとみる

人生を変えたバイト_エントランスとバー編

前回はホールの業務だけで一投稿書き終えてしまったので、今回はエントランスとバーの業務について、思い出しながら書きたいと思う。

まずは、エントランス。スタッフとセキュリティと店長で対応する。入場するタイミングで、まずセキュリティが身分証を確認する。その後持ち物チェック・ボディチェックに移る。持ち物チェックと男性へのボディチェックはセキュリティや男性スタッフがやってくれ、女性へのボディチェックは女性

もっとみる

人生を変えたバイト_ホール編

オゾン・スパイラルにアルバイト入社してから、3ヶ月程経った。

私は大学を中退して、当初はハーゲンダッツ、事務の仕事、オゾン・スパイラルの3つのバイトを掛け持ちしていた。けれど、あまりにも勤務時間が違う事務の仕事で居眠りしそうになったりして、体力的に厳しかったのでまず事務の仕事を辞めた。

最初はそんなにシフトも入れられない程たくさんスタッフがいたので、ハーゲンダッツは残したまま2本掛け持ちにした

もっとみる

人生を変えたバイト_まかない・歓送迎会編

オゾン・スパイラルでは、まかないの制度があった。

営業終了後に、みんなで集まって食べてから帰宅するのだ。まかないと言っても、白ごはんに汁物をぶっかけたようなもので、もしかしたらまかないとは言えないレベルのものだったかもしれないけれど、ヘトヘトのギャルとギャル男みんなで集まって食べたのは、今となっては良い思い出だ。

とはいえ、多い時は50人前くらいのまかないをバイトの誰かが作らなくてはならないの

もっとみる

人生を変えたバイト_たくさんの音楽とハイパーお立ち台編

念願のアルバイトで入店した、オゾン・スパイラル。

以前のいくつかの記事で書いたが、元々シーモネーターのファンで、シーモネーターが主催していたイベントをやっていたクラブ、という認識だけで入店し、入店後にHIP HOPやR&Bだけのクラブではない、という事に気づいた。

5Fにあるオゾンは主にトランス、サイケ、パラパラだった。私はパラパラは高校時代に踊っていたので少し分かれど、トランスやサイケは一切

もっとみる

人生を変えたバイト_オープン当初

怒涛のプレオープンを終えて、遂にオープン日がやってきた。前の店からの先輩と、ど素人のオープニングスタッフとほぼ全員で迎え入れた。

プレオープンが怒涛だった、と言ってはいけなかった事を気づく時がきた。

オープン日には、プレオープンには入れなかった一般のお客さんもたくさん来店した為、プレオープンの1.5〜2倍くらいお客さんがいた気がした。私がテンパりあげたプレオープンなど、オープンに比べたらガラガ

もっとみる

人生を変えたバイト_暗黙のルール

オゾン・スパイラルのプレオープンの日がやってきた。

以前の店舗にも来ていた常連さんや取引先の方が来る日、という事だった。

私は、6FにあるスパイラルというHIP HOP・HOUSE系の箱の方のバーに配置された。まさかのバーだ。40種類くらいあったカクテルのメニューなどほぼ暗記していない。

研修中に先輩から「バーは花形だから、そう簡単に立てると思うな」と言われていた、あのバーだ。ジョーさんとい

もっとみる

人生を変えたバイト_面接・研修編

18歳の夏、私は行く意味が持てなかった大学を退学して、大学に通う為のお金を稼ぐ為のハーゲンダッツのバイトと事務の仕事の掛け持ちをシフトを増やしていた。目標があったわけではなかったけど、とにかく働いてお金を貯めようと思っていた。

ある日、何気なくバイト募集サイトを見ていると、

「OZON リニューアル店舗オープニングスタッフ募集」の記事。

あのOZON。初めて年齢をごまかした、あのOZON。私

もっとみる