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#読書
家族、このどうしようもなさ『ホテル・ニューハンプシャー』
図書館で見つけたときなぜか無性に気になり、新潮文庫の『ホテル・ニューハンプシャー』を手に取った。なぜか今読む必要がある気がした。
「父さん」が熊を買った夏から始まる、僕、父さん、母さん、兄のフランク、姉のフラニー、妹のリリー、弟のエッグ、おじいちゃんのアイオワ・ボブの話。父さんと母さんが会った夏、2人はフロイト(あのフロイトではない)と熊のステイト・オ・メインとも出会う。父さんはフロイトから
鈴木大介『されど愛しきお妻様』
『打ちのめされるようなすごい本』というタイトルを聞いたことがある。そういう本があるとしたら、私にとってはこの本だ。
鈴木大介『されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間』(講談社)。「書ける」ことって凄いことだと、打ちのめされるノンフィクションだった。
著者は主に若者の貧困について取材を続けてきたルポライター。発達障害を持つ「お妻様」との出会いから同棲、結婚、そして自
サンドラ・ヘフェリン『ほんとうの多様性についての話をしよう』
『ハーフが美人なんて妄想ですから!!』など、「ハーフ」について執筆しているサンドラ・ヘフェリン氏による最新刊。「多様性が~」と言われるなか、今の日本ではどうなってるの?と「ハーフ」や移民をめぐる日本の状況について書かれている。中学生くらいからでも読みやすいと思う。
ことばへの違和感 「ことば」や反応に対する違和感について丁寧に書かれている。例えば、「白人」の見た目だと英語で対応されてしまうこと、
フェミニズムと文学~今こそ読みたい『スウ姉さん』
『赤毛のアン』や『若草物語』に比べるとそこまで有名ではない、気がする。でも確実に今響く、ジェンダーをテーマに扱った小説がエレナ・ポーター『スウ姉さん』だ。河出書房新社から村岡花子の訳で日本語版が出ている。
「原作者のことば」はこんな出だしから始まっている。『スウ姉さん』の主人公は「スウ姉さん」と呼ばれ、家族全員から頼られている女性、スザナ・ギルモアだ。父は銀行家であり裕福な家庭だったが、スキャ
ラジオは聴いている人も作っている人も面白いー『深夜のラジオっ子』
去年、初めて自分からラジオを聞いた。『菅田将暉のオールナイトニッポン』が始まりである。それから『七海ひろきの七つの海の大航海』(終わってしまった......)『週末ノオト』『アフター6ジャンクション』『宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど』と立て続けに聞き出した。聞いていくうちに、「ラジオ用語」も覚え始めた。ずっと伝統工芸だと思っていた「ハガキ職人」はラジオに投稿している人だということ、ラジ
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