- 運営しているクリエイター
記事一覧
「ねえ、歌唄いさん」
一日の始まりに通り過ぎる、勤め先の出版社への向かう道すがら、ベンチとブランコが申し訳程度に置かれている公園がある。そこにポツンと立っている、ギターを抱えた男の人に声をかける。
「ねえ、歌唄いさん」
彼は普段は表情を顔に出さない。いつも、まるで哲学者かのように浮かない顔をして、ギターをつま弾いている。それは時にチューニングだったり、私の知らない曲だったり、たまに「禁じられた遊び」なんて古い映
【短編戯曲】東京は雨降り【最終稿】
「東京は雨ふり」
作:ニイモトイチヒロ
登場人物
マサユキ
ユカ
カナコ
場所:東京ではない、どこかの海辺
時間:夏、夕方。
波の音、大きく。
砂浜。
マサユキ、おいしくなさそうな表情でタバコを吸いつつ立っている。
その右隣りにユカ、視線を別にして、チュッパチャプスをくわえて座っている。
ふと、マサユキ、ユカに目をやると、ユカ、片手で作った指ピストルを誰かに狙い定めて向けている
そし
習作戯曲「ハローもグッバイもサンキューも」
これは、たぶん10年くらい前の8月31日の真夜中に、一気呵成で書いた、習作戯曲です。
その当時の想いとか何とかが混じっていて、若書きなんですが、せっかくこういうネットツールがあるんだから、再掲しても良いかな、と思って、あえて改定しないで載せます。
よかったらご覧下さい。
「ハローもグッバイもサンキューも」
登場人物
トシノブ(25歳・フリーター)
アサト(25歳・会社員)
サチエ(23歳・劇
習作戯曲「パッとしねぇ夏」
「パッとしねぇ夏」
作:ニイモトイチヒロ
登場人物
小津
武田
若林
ユリエ
時と場所
時:残暑が厳しい9月。
場所:人目につかない、森の中のような場所。
小津は黒の背広にサングラス。
武田はジーパンに青いスカジャン。
若林は緑のアロハシャツに丸メガネ。
ユリエは赤いワンピース。
男3人は30歳前後に見える。
ユリエは3人より若くは見えるが、3人に対してタメ語である。
車の
「無題」(2014/08/29)
これは、平成26年8月28~31日の日程で行われた、[平成26年度 小田原市文化創造活動担い手育成事業/平成26年度 一般財団法人 地域創造 リージョナルシアター事業]「演劇ワークショップで学ぶ“見えないものを見るチカラ” ―想像力と創造力を鍛えるヒント」に参加した、ワタクシことニイモトイチヒロ(よみづれーな、この書き方)のワークショップ(以下WS)で書いた作品を、まず公開しよう、と思って書き起こ
もっとみる短編戯曲「僕と彼女と週末に」朗読用初稿
以前書いた戯曲を朗読会用に書き直してみました。
登場人物 サトシ カナコ
時と場所・ある初夏の真夜中
・海辺の近くのアパートの一室のベッドの上。
カナコ:やっぱ夏だね、、シャワーが気持ちいい。
サトシ:あれ、そんなパジャマ、持ってたっけ?
カナコ:昨日、衝動買いしちゃった。そんなに高くなかったよ、3500円、税込。
サトシ:可愛いな、その星のマーク
カナコ:だからね
[短編戯曲]「僕が見る淫らな妄想は」
数年前に、「劇作集団QDC」の戯曲ワークショップ用に書いた短編台本です。何年前にいつ書いたか、よく覚えてないんですけど…。元データは前のパソコンの中にあって、HDごと、それは吹っ飛びました。
紙に印刷されたものが引越し準備中に出てきたので、新たに書き起こしてみました。元の台本から言い回しとかを少し修正したものの、基本的には元の物と変わりません。
良ければ読んで下さい。
あ、何がしかで使うとか上演