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読書感想 京極夏彦 姑獲鳥の夏

読書感想 京極夏彦 姑獲鳥の夏

出ました天才京極夏彦さん。
こちらは京極夏彦さんのデビュー作にして百鬼夜行シリーズの第一弾です!

拝み屋という裏の顔を持つ古本屋店主、
京極堂が
「世の中に不思議なことなど何もないのだよ」という決めゼリフをはきつつ憑き物落としを駆使して難解な事件を解決していきます!!

百鬼夜行シリーズ、大好きです…。

「そうきちゃう!?」
っていうトリックの連続です。

そしてこのシリーズの特徴は、なんとい

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読書感想 村上春樹 蛍 納屋を焼く その他の短編②

読書感想 村上春樹 蛍 納屋を焼く その他の短編②

引き続き村上春樹さんの短編集についてです。

その中の「踊る小人」をご紹介したいと思います。

この作品、あんまり村上春樹さんぽくないのです。(あくまで私の個人的意見です)

ホラーテイストです。怖いです。
救いようのない話です。ゾクゾクします。
でも私はこういうお話が大好物です!

夢に出てきた踊る小人に心と体を乗っ取られそうになるお話です。(思いっきりはしょってます)

奇妙な世界観のなか物語

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読書感想 村上春樹 蛍 納屋を焼く その他の短編①

読書感想 村上春樹 蛍 納屋を焼く その他の短編①

図書館に行ったらこの本が置いてあったので、久しぶりに再読しました。
村上春樹さんの短編集です。


納屋を焼く
踊る小人
めくらやなぎと眠る女
三つのドイツ幻想  

上記五つの短編小説が集録されています。

私はこの中では
「蛍」と「踊る小人」が好きです。

「蛍」は、「ノルウェイの森」の下書き?下敷き?らしいです。

「蛍」、好きなんですよね…。
昔本屋に行くたびに立ち読みしてました。
(買

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読書感想 東野圭吾 むかし僕が死んだ家

読書感想 東野圭吾 むかし僕が死んだ家

天才東野圭吾さんの初期の作品です。

主人公のもとへ、かつての恋人から電話がかかってきます。

主人公は元恋人とともに、元恋人の父親が所有していたという山の中の空き家を調べる事になるのですが……。

二人が家に残されたものを手がかりに衝撃的な事実を突き止めていくミステリーです。

つまり登場人物はほぼ二人だけです。二人だけなのに!ちゃんと!謎をといていくんです!

すごいです。
伏線の回収が神がか

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読書感想 又吉直樹 第2図書係補佐

読書感想 又吉直樹 第2図書係補佐

芥川賞作家、又吉直樹さんのエッセイです。
本にまつわるエピソードばかりです。
でも決して本の解説や批評ではないんですね。
主に又吉さんご自身の体験が書かれています。

とっっても面白いです!
でも、それより何より特筆すべきは
文章の上手さな気がします。

さすが芥川賞作家さんです。

文学に対する愛情が読んでいてひしひしと伝わります。

本当に本当に本当に、本が好きな方なのだなと思いました。

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読書感想 芥川龍之介 奇怪な再開

この作品、好きなんですよね…。
ミステリーっぽい不気味な伏線が織り込まれていて、なおかつ主人公の寂しく冷たい感情がしっかりと描かれているというか。

舞台は日清戦争後の東京のようです。
軍人に妾宅で囲われている妾のお話です。
(ようは愛人さんです。)
もとは中国の妓館で客をとっていた女性なのですが、軍人に気に入られたことで祖国を捨てて日本で暮らすことになります。

この女性は、祖国に好いた男性がい

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読書感想 谷崎潤一郎 卍

読書感想 谷崎潤一郎 卍

この作品もなかなか壮絶です。 
ある程度大人になってから読むことをおすすめします!

夫婦の愛の形とはなんなのか、
っていうかそもそも愛ってなんだっけ??
と深く考えさせられる作品です。

この作品は、園子という未亡人が自身の体験を大阪弁で語る告白形式で物語が進みます。

結末としては、
園子は、夫と友人の光子と三人で心中をはかったのです。(ネタバレですみません…)

が、園子だけ助かり、夫と光子

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読書感想 江戸川乱歩 孤島の鬼

読書感想 江戸川乱歩 孤島の鬼

江戸川乱歩といったら、「明智小五郎と怪人二十面相シリーズ」「少年探偵団シリーズ」
ですよね。

しかし!
私は江戸川乱歩が好きなのですが、
実はそれらはほとんど読んだことがありません……

というのも、少年探偵団などのシリーズは子供向けに書かれた作品でして、私にはすこし物足りなく感じてしまうのです……

逆に、そのシリーズ以外は見事に変態小説ばかりなんです。

その変態っぷりが私にはたまらないので

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読書感想 貴志祐介 クリムゾンの迷宮

読書感想 貴志祐介 クリムゾンの迷宮

Kindle Unlimitedで読み放題になっていたので再読しました。

KindleUnlimited、月額980円で、200万冊以上の書籍が読み放題です!!!

なんかの間違いなんじゃないかって言うくらいコスパ良すぎです!!

読書好きの方、オススメですよ!!

それはさておき、ホラー作家の貴志祐介さんですが、数年前にハマり何冊か拝読しました。

私はその中でこの作品が一番面白いなぁと思いま

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読書感想 谷崎潤一郎 痴人の愛

読書感想 谷崎潤一郎 痴人の愛

文豪谷崎潤一郎……大好きです。文章が美しすぎます。感服です。

ノーベル文学賞をとって欲しかったです…。
50年以上前の話だけど……

谷崎潤一郎はどうして教科書に載らないのか……そうすればもっと評価されるのに……

まあそれは、教科書に載せられるような子供向けの作品がひとっつもないからなんでしょうね。笑

いやもう、この作品ね、
書かれたのは昭和の初期だと思うのですが、令和の今読んでも
「うっわ

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読書感想 夢野久作 ドグラマグラ

読書感想 夢野久作 ドグラマグラ

「黒死館殺人事件」「虚無への供物」と並び日本三大奇書と言われています。

読むと一度は精神に異常をきたすと言われています。

でも!じぇんじぇんそんな事はありません!
至って健全なミステリ小説です!

面白いです!

でも確かに、ダークな題材を扱っているうえに一部難解な部分があるので、
そういうキャッチコピーをつけたくなるのもわかる気がしますね。

この作品、一度読んだだけでは全体像を理解できず、

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読書感想 首が落ちた話 芥川龍之介

読書感想 首が落ちた話 芥川龍之介

タイトル通り首が落ちたお話です。
芥川龍之介の晩期の短編小説です。 

この作品、私は青空文庫で読んでとても感銘を受けたのですが、知ってる人ってあんまりいないですよね…?

私は芥川龍之介が大好きなのですが、
代表作のほかにも、隠れた名作がたくさんあります。

なんでこれが有名じゃないのー!?
と不思議に思ったりする作品もあります。

「首が落ちた話」は、そんな作品のひとつです。

日清戦争を背景

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読書感想 村上春樹 国境の南、太陽の西

読書感想 村上春樹 国境の南、太陽の西

村上春樹さんは大好きな作家の一人です。

作品はほぼ全て拝読しました。

どれもみんな素晴らしいのですが、
その中でも特に好きな作品をあげるとするならば、
私はこの「国境の南、太陽の西」、
「羊をめぐる冒険」、「スプートニクの恋人」
あたりかなぁ…と思うのです。

あーでも、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」、「ねじまき鳥クロニクル」
も捨てがたい……

でも、年齢を重ねたあとに再読し

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読書感想 吉本ばなな キッチン

読書感想 吉本ばなな キッチン

言わずと知れた名作です。
吉本ばななさんは大好きな作家のひとりです。
彼女の一人称の心理描写は本当に魅力的です。胸を打たれます。

そして、吉本ばななさんの作品は、孤独に寄り添うようなテーマが多い気がしますね。

何度も何度も読み返したくなるような、素敵な文章を書く作家さんだと思います。

私は心が辛くなると、この本を本棚から取り出しては読んでしまいます。

そうすると、ほんのり心が温まるような感

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