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発達障害の世界【当事者目線でおくる】

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#この靄を抜けて

Ninngenn

Ninngenn

人間
にんげん
Ninngenn…
人間ってなんだろう。

みんな動いてて私は止まっているみたい。

みんな動きまわり、やりたい事をやり、友達と遊びにいく。

行動している。

そして成長していく。

ほら、2.3年前までみんな言いたい事を言っていたのに、今は控えめになってるよ。

態度や顔に出さなくなっているし、発現も穏やかになってってる。

ぎゃーぎゃーうるさかったのに、落ち着きが出てきてるよ

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仕事が極度に苦手な人間が困っている事

仕事が極度に苦手な人間が困っている事

「なんでこいつこんなことも出来ねぇんだ?」

そう思う人は周りにいるだろうか?

その相手は、職場の新人、バイト先の教え子、あるいは自分の息子かもしれないし、家事能力がなさすぎる旦那かもしれない。

いずれにせよ、仕事力がない原因は本人にも教える側にも言語化できないものがあり解決しにくい事が多々ある。

仕事が極度に苦手な人間が困っている事が感じている苦労を言語化したら少しはわかってもらえるだろう

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自閉症と受験【この靄を抜けて】小説

自閉症と受験【この靄を抜けて】小説

知的能力には支障がないと言われる障害だが、ここまで記憶力がないとなると受験勉強に関してはとても苦労をした。

そこで、団飛ばしではなく一つ一つ思考のプロセスを説明してくれるような講義を受講した。

色ペンを使って、文を構造的に読み解いていった。こうしなければ、さっきまで、何をしていたのか忘れる気がする。

自分の中に決まったルール、決まったイメージを作り(副詞は〈〉で囲むなどルールを決めて文の構造

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私はただの傍観者【この靄を抜けて】小説

思ばいつだって私は傍観者だった。友達が部活に入って仲間割れしたり、涙を流したり、青春したりしても自分は何も参戦せず、傍観者だった。
苦労も楽しさも感動もない。

高校時代友人たちが何やかんや男子と遊んだりしてもそんなの恥ずかしいと傍観して当事者になりたがらなかった。

恋バナの渦中にもいたくもなかった。

学校の委員会なんかもくだらなく思たし、集団でやる何もかもがくだらなく興味が湧かなかった。

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恥ずかしさの正体 【この靄を抜けて】小説

恥ずかしさの正体 【この靄を抜けて】小説

集団にいるとき、居心地が悪く、なぜかわからないが恥ずかしくてもじもじしていた。

なぜ私は恥ずかしかったのかが、発覚した。

比較的幼い頃の記憶はしっかり残っている。

まだ乳母車に乗っていた頃の思い出。

チャイルドシートのような脚と脚の間に柵がある椅子に座らせられるのが気持ち悪かったこと。

幼稚園の入園の際に面接を受けた後、いちごのアイスシャーベットを園長先生に貰ったこと。

園の客室間に水

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発達障害と時間感覚 【この靄を抜けて】小説

私は不注意障害という言葉から世間の人が長年理解しなかった原因があるのではないかと思っている。

不注意という言葉は、たるんでいるというイメージを彷彿させるのだと思う。

しかし、ADHDの人は生活に支障をきたさないように必死すぎて、真面目にならざる負えない人もいる。

私も真面目過ぎる生活だった。

時間が守れないといけないので、友人と遊ぶこともないし、人と出かけるときは体調が万全な日しかえらばな

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私というアウシュビッツ【この靄を抜けて】小説

私というアウシュビッツ【この靄を抜けて】小説

私の脳は飛蚊症に侵されていていつか気が狂う日が来るのではないか。

子供の頃からそんな恐怖心に見舞われる事があった。

時間にも場所にも構わず、私の頭にはめちゃくちゃにアイデアがさく裂して、爆発が起きていた。

ピアノのレッスン中でも、朝礼中でも、家でトイレにいるときでも、お風呂にはいっている時は、その脳内と格闘し、永遠と一人で脳内の誰かと議論を戦わせていた。

いつだっている場所、やっている事は

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人生が開けた!? 【この靄を抜けて】 小説

人生が開けた!? 【この靄を抜けて】 小説

子供の時はどこへ行ってもいじめられたり、段差のない所で転んでばかりの心が傷だらけの私だったけれど、それを克服したくて真剣に成長しようとしていた。

私はなぜ事あるごとにトラブルになるのかと小学校の頃はよく分析していた。

何がいけないのかわからないまま、時間の経過とともに卒業して人生が年齢だけ更新されていくけれど、そうはいかない時期がやってきた。

大学受験だ。

はじめて自力で突破しないといけな

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なりたい自分

なりたい自分

私はずっと賢い人になりたかった。

恵まれた境遇を踏み台にして、のし上がっていくんだ。

そう思って生きてきた。

血がにじむほど努力して勉強した10代後半を経てからの20歳。

私は人から「頭いい」と言われるようになっていた。

受験をして世間が認める大学に入っていた。

私には、そういう立派な門構えが必要だった。

誰からも見下されて、どこに行ってもやっていけなくて、いじめられて…

そんな自

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