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「◯◯の日」は村社会の入り口

例えば母の日なんていつ祝っても良いじゃないかと。ヘッダ画像をお借りしています。

同調圧力で祝われて嬉しいか?

「世界に母の日が来たぞーーーーー!!!」と世間が喧伝しているように見えるのは、母の日が来ないと営業利益が加算できない企業のマーケティングの一環に過ぎない。昔コボちゃんで母の日が花屋の陰謀で、バレンタインとかはお菓子屋の陰謀だみたいな漫画がありましたが、別にぼくは陰謀論がしたいわけじゃない。いつ祝ってもいいだろ論です。

祝う日つまり「日時・時間帯、そして喚起され得るべき行動までをもが第三の力により強制されてしまう環境」とは同調圧力以外の何者でもない。自分の懐具合に従って祝うべきです。

こういうことを言うと「みんなやっているんだから」とか

やれ慣習だ風習だの脳死で繰り返してくる高齢層がいるだろうことは容易に想像できるんだけど、そんなのは復讐バイアスに過ぎないのだ。

復讐バイアスとは、自分がやられて嫌だったことをためらいなく次の世代に強いること。成長過程だからやらせるべきだと都合よく変換する心的作用だ。

懐具合とは金のことだけを指しているわけじゃない。心の余裕がないと人のことなんて祝えない。

心の余裕のありなしは、他者を弔う場合も同じです。ぼくはかつて様々な死に立ち会って来た。

そしてぼくは死者についてこけにしているわけじゃない。過去のエントリを観ていただければ、ぼくがどれほどの喪失に包まれているかぐらいはご理解いただけるはずだ。

彼女/彼らをして弔って差し上げたくないとは微塵も思っていない。しかしながら、やれ何十日経ったら必ずどこぞの供養施設に行き、供養着を着、供養代を払い供養しろ、ということを故人が望むか?

逆にそれをしないことによるペナルティとは何だ?しなかったら故人は死後も苦しむのだろうか?そんなことが調査できる供養団体とは一体何だ?

遺族が金を供与するか否かによって故人の死後の苦しみについての裁量権を下せる団体とは一体何だ?

翻って、母の日だの父の日だの勤労感謝の日だの敬老の日とはこれと同じなわけです。ぼくは四六時中、身内をねぎらっている。自分の好きなタイミングだがねぎらっている。

なのにそれをする日時が指定されなければならないなんて、まるでその日が来たら絶対にサプライズ演出をしろという時代錯誤の恋人たちのようだ。サプライズ行為ほどの痛々しい行為をぼくは他に知らない。

こうした日時指定とは同調圧力の根源だ。まるでそうしなければおかしいみたいな目で人を観ることが合法的に許されでもしているかのような振る舞いを彼らに与える。つまり同調圧力の許可だ。

ぼくは筋トレやドローインの時間を大切にしているが、それを他者に強要しない。だけど想像できるのは、誰もがトレやドローの時間を持っているというバイアス(自分がしてるからってのがでかいでしょうけど)を持ち、良かったらトレやドローの時間にこのYouTube観てよ、え!?まさかトレドローの時間ないの?!みたいなことをのたまう連中がいることだ。おかげでこっちは形見が狭くなる。死者を弔うだけに形見が狭くなるのだ。

自発的に祝うことこそに多様性がある。ダイバーシティがある。自発的に祝えない人は一生祝わないだろうし、そんな人から強制的に祝われて、果たして嬉しいだろうか?

スピード感のある人格否定

あとこれをぼくは「スピード感のある人格否定」と呼んでいるんだけど、SNSなり何なりのプロフィール媒体で「◯◯な人お断り」だの「△△を見に来たひとは回れ右」みたいな言語をお書きになられておられるお子を割と見かける。

これは自分が傷つかないように、余計な騒ぎを巻き起こさない/巻き込まれないために書いてるんだろうけど、これってやんわりとした人格否定なわけです。

だってその人の価値観では当該◯◯が好きな人はたたっ斬るという宣言をしているのと同義だし、△△に至ってはその人の織りなすコミュニティへの参加資格すらないわけだ。これを人格否定といわずしてなんとする。

人を分けるとは分断だ。つまりこれを言う方々は分断を当然のものだとして生きている。分断をこそ楽しめるのかも知れない。

えたひにんという蔑称があります。ぼくはえたひにんをして他者に対して定義づける存在こそえたひにんであると捉える。

つまり誰かのことをえたひにんと決めつけ、その上にいる商人だか農民だかの気位をケアしてやろうとした小汚い魂胆を持った連中のことこそをえたひにんであると捉えている。

人の存在をないことにしようとすることなんて誰にもできない。なのにそれをしようとしているんであれば、お前こそが真の「人ならざる物」だな、と。

この「スピード感のある人格否定」は次世代を考察するためのキーワードだと思ってんだけどそんなことないでしょうか?

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