見出し画像

おっさんがビジネス片仮名を使いまくる理由と復讐バイアス

ヘッダ画像をお借りしています。

ビジネスシーンにおいて片仮名を使いたがる風習のナンセンスさについてさんざん述べてきましたが、

その結論のうちの一つが「気持ちの切り替えのためですかね」という激アバウトものでした。

普段はそんなこと言わないのに、いちいち知ってる言葉を片仮名にする脳に切り替えることで「あたいは/俺は今ビジネスを演っているんだ」と思い込む方法です。で意識を切り替える。緊張して客商売に挑もう。

もちろんぼくはそんなことしていません。ビジネスシーンになった瞬間に病院のことをホスピタルと言うようにはなりたくない。飴玉のことをキャンディと呼ぶのは別にいい。

今日は後進指導の観点から片仮名語について考えたい。


新人教育と片仮名語

ところで季節的にこれまで自分たちが属していた場所では人の入れ替えが置きまくっていると思います。

その新しい人に対してOJTとかしなきゃなんない時に、片仮名語を当たり前のように使っていたら物凄い手間です。

「このホスピタルが~」
「先輩ホスピタルって何スか?」
「病院だよ~(へーこれぐらいのこと知らないんだなあ)」
「なるほどですね~(あー1回聞いちゃったからもう二度と同じことは聞けない~~)」

これは極端すぎて実践的じゃなさすぎる例ですが(病院をホスピタルという奴なんていないため)、先輩とやらが何かを教えている時に、いつも社内で使っている片仮名語をOJTでも当たり前に使ってたら「業務を教える」にプラスして「社内用語としての片仮名語の意味を教える」という役割を自ら背負いに行っている。

工数が増えている。
自分で工数を増やしている。
当然そのために時間が予定より多く消費される。
自分のことに割く時間が減った。

自分で自分の可処分時間を減らしに行っているわけですね。上記のやり取りを見るにつけ(見たわけじゃなくて想像でしかないんですが)「無駄遣い」「自分の首絞め行為」以外の形容詞をぼくは知りません。

復讐バイアス

なぜこんな無駄遣いを平気でするんでしょうか?そこまでして片仮名語を使わなければならないんでしょうか。

この無駄時間は、
「過去に自分がされたからしているだけ」
「自分がクリアできた問題なら、以降の新人でもできるだろ」
という認識から起こるとぼくは踏んでいます。

これをぼくは復讐バイアスと呼んでいます。

「おーーーい片仮名使うのアホらしとか言っておいていきなり自分用語出した上に片仮名使っちゃうのかいッ ヤーイッ」、と心の師・なかやまが叫びます。

そして「ビジネス片仮名には悪い側面しか付随しない」と断じてしまうぼくは観察者バイアスの傾向があるのでしょう。

ビジネスシーンにおける復讐バイアスとは「自分が受けた肉体的・精神的苦痛について俯瞰して見た場合に、その苦痛が起きた原因に立ち返ろうとせず『起こるべくして起きた自然現象』かのように自分の中で処理してしまい、のちの世代にも当然起きて然るべき、と思い込んでしまうこと」です。

苦痛が起きた原因はまさに今ご自分が所属する企業・機関・その他にあるに決まっている。

それなのに、当然その企業に帰結する、探せば一瞬で見つかる原因を調査・究明、全社員のもとにつまびらかにしようとしないあたりには隷属意識が感じられます。帰属意識の最悪化例であると考えられる。

もっと悪く言えばストックホルム症候群と何が違うのか?ぼくにはその違いを説明できません。

犯人は企業です。企業文化なり役員なりなんでもいい。ただその企業に隷属するがあまり、企業に言われることなら全肯定してしまう人間が生み出された。

言わば「自分が受けた責め苦なんだから、当然次世代にも復讐していい」と結論づけるバイアスですね。そもそも復讐は文化的な生き物すべきことでなければ、復讐の対象が間違っている。

この記事が参加している募集

リモートワークの日常

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?