記事一覧
なぜ,可愛いイラストのダニの本をつくったか.
昨日の北海道新聞様のインタビューを受けて,こんな可愛い装丁になっていますが,じつは「悩まされている人」を救いたいという気持ちで作りました.と申し上げました.
インタビューを受けていると,どうしてダニなんて研究するんですかと言う質問から入るので,どうしても,へそ曲がりとか,ひねくれだから.と答えるところからはじまるのですが.
昨日は答えていくうちに,最後は「あらゆる形で,ダニに悩まされている人に
壮絶な戦いから始まった日本ダニ学
いつもやわらかいテーマをもとに,ダニという生き物について知ってもらいたい,と思う気持ちで文章を書いている.必要以上に怖がったり,目を背けたりすることなく,その生態を知ることで冷静に防除をすることもできる.
また,人間に無害のダニをつかって,環境指標生物としての利用もおこなわれている.季節性の昆虫とは違い,土壌ダニならどこにでもおり,いつでも調査ができるという利点があるからだ.
しかし,その
災害が起きたときに,野外生物学者ができること.
犠牲になられた貴い方々のご冥福を心からお祈り致します.また,被害に遭われた方々へのお見舞いと将来のお幸せを,心より祈念させていただきます.
東日本大震災から10年,常日頃,蓋をして生きてきた自分の気持ちが少し開いた.蓋をする? 東京で暮らすということはそういうことなのだ.2011年3月11日 仙台の大学の研究室で原稿を書いていた。大きな揺れが来て,上から本が落ちて,僕の手がマックの画面に挟ま
土壌動物の多様性はなぜ必要か? ダニで土壌から発生削減が難しい温暖化ガス(N2O)を排出量ゼロに出来ることとは.
東大の妹尾先生のチームの研究.土壌から発生するため削減が難しいとされる温暖化ガス,一酸化二窒素(N2O)の排出量をダニ(ササラダニ類,ケダニ類.土壌に生息し自由生活性,寄生性は全くない)の活用によって半減できた論文が公開された.2050年に温暖化ガス排出量を実質ゼロにするという政府目標の達成に向け,小さな働き者が切り札になるかもしれないと,大きなニュースになっている.
論文を拝読したが,つま
生物多様性って,経済的かつ文化的な問題だよね.生物学者の貢献は.
ご存じの通り.SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された国際目標である2030年までに持続可能なよりよい世界を目指す内容として,具体的に定めた17のゴールと,具体的な169のターゲット(方法)から構成されている.
2001年に策定されたMDGs(Millenium Developme
カブトガニの分類体系を再構築した2020年に発表された論文2本
現生種(現在生きている)のカブトガニは,4種類で,いずれも系統学的に近く,とくに現生カブトガニ類の分類が問題になることは,ほとんどありません.
しかしながら,カブトガニという分類群は,化石種では,非常に多様で,複雑な様々な種を包括しており,長い間,カブトガニ類の分類体系は混乱していたようです.(少し前の節口綱の概念も今とは全く違うらしいのですが,また,別の話で).
さて,カブトガニ類の混乱した