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今こそ中学受験を改革しよう

先日の自己紹介の場でも言及したとおり、大学入試改革、小学校英語学習本格化、加熱し続ける中学受験、コロナ禍といった環境の中で、中学受験にも改革すべき点があるという問題意識を強めています。今日はぼくが現時点で描いている改革イメージを皆さんに共有したいと思います。(すでにインスタグラムで示しましたが、やはり舌足らずでした。)

( 1 )現在の受験制度を大きくは変更しない

「改革しよう」と大上段に構えると、何か大それたことを提案するのではないかと思われるかもしれません。そう思われるのも自然ですので、まず最初にぼくの考える改革の前提条件をお話ししておくのが適当だと思います。

各中学校がこれまで維持してきた入試制度の根幹は変えない。従来の入試制度を基本的に維持した上で、いまの時代の現状、今後のニーズを踏まえた小規模な改革を提案しようと思っています。

帰国枠受験、算国2科目試験、算数試験(算数選抜)、適性検査型試験などなど、こんにちでも既に多様な試験制度が採用されています。しかし、入試制度の基本といいますか、多くの中学校の大勢は依然として算国理社の4科目入試でしょう。このような現状を大きく変えない提案であることが最初のポイントです。

( 2 )英検取得者を対象とした小規模な加点制度を採用

ぼくが提唱する改革案は、すでに一部の中学校では採用されているものです。それをより多くの中学校で採用する時期が来たのではないかと考えるわけです。

既存の試験制度を基本的に維持した上で、英検を取得している受験生に僅かながら加点を行う制度。

これなら本年度から早速採用することも十分可能であろうと思っています。

この受験改革提案には4つのポイントがあります。

① 加点基準は英検3級〜準2級程度
② 加点は僅かな点数で構わない
③ 人気の算数選抜にこそ採用すべき
④ 合格のための保険がもつ意義

以下、各ポイントについて少し掘り下げて説明させていただきます。

 ① 加点基準は英検3級〜準2級程度

お読みの方にも様々なイメージがあるかもしれませんが、とりあえず現時点での考えとしては、中学受験において加点対象とすべき基準は英検3級〜準2級程度でいくのが適当ではないかと思っています。

英検3級〜準2級程度であれば、小学生でもコツコツ勉強すれば到達も難しくないレベルであろうと思っています。

先日「英検おつかれさまでした😌」でも言及したように、大学入試との関係で役立てるという意味で最低限取っておきたいのは英検2級です。そして、さらに大学受験までに英検準1級を取得できれば、入試で英語が大きな得点源となることは間違いないでしょう。大学受験における加点対象としても期待できますが、そもそもの英語力として大きな力になります。

英検3級〜準2級は、大学入試で重要な意味をもつ英検2級の「一歩手前」という位置付けとなります。

もちろん、英検のみでどこまで英語力を計れるのかという指摘はあるでしょう。しかし少なくとも、英検3級〜準2級という中学卒業以上のレベルに一応到達している受験生と、それまでほとんど英語をやってこずに中学を迎えようとする受験生との間に、中高一貫教育のスタートラインから存在する大きな大きな差は明らかだと思います。

 ② 加点は僅かな点数で構わない

加点が僅かで構わないというのは、ひょっとして若干意外に思われたのではないでしょうか。英語を重視するのであれば、もっと大胆に加点するのがスジではないかと。

しかし冒頭に申し上げたように、ぼくとしては、英検加点という中学受験の改革は、既存の受験制度を大きく変えずに実施できるものであり、制度を大きく変えない方がむしろ望ましいのではないかと考えています。

現在でも中学受験の主流である国算理社の4科目試験。たとえば合計点が400点満点だとすると、仮に英検加点が80点や90点も認められるとしたら、それだけで試験本番の順位はごっそりと入れ替わるでしょう。

これまで4教科400点で進めてきた入試の根幹を変えるものであると言って過言で無いと思います。もちろんアドミッションポリシーとしてその方向に進むのは各校の判断として十分あり得るものでありすばらしい判断だとは思いますが、ぼくが主張したいのはそのような改革ではありません

加点は僅かで構わない。いやむしろ、加点幅は小さい方がよい。それこそ加点幅がたったの1点であっても非常に大きな効果があると思います。

イメージとしては、ボーダーラインに並ぶ受験生の順位が英検の取得の有無によって入れ替わるぐらいの効果を想定してます。

だとすれば、点数には言及せず「英検3級(あるいは2級)以上取得している者は、ボーダーラインにおいて考慮する」という一文を入試要項に書き込むことでも同じ効果になりましょうか。

 ③ 人気の算数選抜にこそ採用すべき

近年話題の算数選抜入試は、ますます人気が高まっているようにみてとれます。

首都圏の例になりますが、男子校では攻玉社、巣鴨、世田谷学園、女子校では大妻中野、品川女子学院、普連土学園、共学では東京都市大等々力、三田国際、桐蔭などが有名どころでしょうか。

算数で受験生の実力を見るという算数選抜試験のあり方には、合理的な理由があると思います。大学受験で鍵を握る最も重要な教科は英語と数学であると言われることが多いからです。

算数の能力に秀でた受験生は、その後の伸びが凄まじいと言われています。

大学入試で数学と並んで鍵を握るのが英語だとするならば、「ボーダーラインで英検取得者を優遇する制度」算数選抜にこそ導入する意義が大きいと考えられませんでしょうか。

 ④ 合格のための保険がもつ意義

以上を簡単にまとめますと、ぼくが提案したい中学受験制度改革は次のようなものになります。

「ボーダーラインの1点で並んだ受験生の中から合格者を選ぶなら、英語をコツコツと学んできた生徒を優先させよう。」

これは受験科目に新たに英語を加え、受験当日に英語の試験を課すというものではありません。その意味で、ぼくが描く改革像はいわゆる英語入試とは趣旨が全く違います。もちろん英語入試には英語入試の固有の意義があると思いますが、ぼくが提唱する英検加点とは趣旨が大きく違います。

当日英語の試験を課されず、それまでの英検努力が合格証という形で残っている場合には不合格を免れる可能性が高まる。その意味において、受験生にとっては言わば「合格のための保険」としての意義を有することになるでしょう。

受験本番の出来不出来は他の教科で評価して、英語についてはそれまでの努力を評価するというものです。

もちろん「無保険」で受験する、つまり英検を取得せずに4教科、あるいは算数1教科で受けることも引き続き可能となります。そうした受験生を必要以上に不利に扱わないためにも、上記のとおり加点幅は最小限であるべきというのがぼくの考えです。

( 3 )まとめ

努力の結果、英検3級(または英検準2級)以上を取得してきた受験生については、ボーダーラインで優遇する。

各中学校には、是非ともこの制度を採用していただきたいものです。

熱望組はボーダーラインで優遇する旨を公言している学校にとっては、それとのバランスが必要になるかもしれません。英検取得によってボーダーラインを一度整理して、その後同一点の中で熱望組を優先する。あるいは熱望組をリストアップした上で、その中で英検取得からとっていくという方法もあるかもしれません。

英検についてのぼくの考えについては、
最近書いた「英検おつかれさまでした😌」に結構まとめて書きましたので、
よろしければそちらをご覧くださいませ。


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