マガジンのカバー画像

「拝啓」と君からの手紙 サブストーリー

6
新マスク文庫「拝啓」七田苗子×ジユンペイ と400字の君からの手紙 ここから生まれたサブストーリーを自由に創作していただいた作品を収録していきます。
運営しているクリエイター

2021年8月の記事一覧

僕から見える景色

僕から見える景色

どうも。
イヤホンのはんぶんの方、僕です。
Rとお呼びください。
僕は今、僕のご主人だった人のため、木さんに音楽を聴いてもらっています。
すると、木さんの幹から枝、枝から葉、葉から風へと伝って、僕のご主人だった人へ彼女が大好きだった音楽を届けてくれるのです。
僕の相方、イヤホンのもうはんぶんの方の彼女、Lは、Lのご主人の耳に収まり、思い出の曲を届けています。
Lはいつも言います。
「私のご主人った

もっとみる
三角屋根のてっぺん星

三角屋根のてっぺん星

月明かりが そっと一筋の雲を照らし出すと
小さな影が 地上をのぞき込んでいる。

柔らかく微笑む一人の女性は
浮かぶ雲の上でその欠片を 少しづつ 涼む風に流していた。
ちぎった雲にそっと何かを囁いて
クスリと笑みを浮かべながら それを放っては また
手の中で温めた他の雲の欠片に 言葉をかける。

じっと彼女を見つめていた月に
辺り一面の星々が 輝く瞳を向け そっとお願い事をする。

いいでしょう?

もっとみる
強がり 「拝啓」×「嘘」

強がり 「拝啓」×「嘘」

あれだけ大事に想ってくれた君を

俺は裏切ってしまった。

君に黙って、ひとりでこんなとこまで。

まるで逃げるように。

俺は自分がダメになりそうだったんだ。

君のやさしさに甘えていた。

自分勝手な俺のこと、君はいつも笑って許してくれた。

ここでは海が輝き、世界の広さを教えてくれる。

そして気付いたんだ。

君の愛の深さを。

それは俺に対しての愛、だけじゃない。

周りの人への

いや

もっとみる
こちらの思いってやつです。

こちらの思いってやつです。

すみませんが先に説明します。
EATALK MASKさん、大変申し訳ありません。
これは紹介記事という意味でリンクを貼らせていただいた為
企画への参加ではありません。
紛らわしくてごめんなさい。
この物語の下に経緯を書いてありますので
すみませんがご了承下さい。

***

僕はある女性が書いた「手紙」です。

僕の身体にその女性は、めいっぱい色んなことを書きました。

悲しかったこと楽しかったこ

もっとみる