こちらの思いってやつです。
すみませんが先に説明します。
EATALK MASKさん、大変申し訳ありません。
これは紹介記事という意味でリンクを貼らせていただいた為
企画への参加ではありません。
紛らわしくてごめんなさい。
この物語の下に経緯を書いてありますので
すみませんがご了承下さい。
***
僕はある女性が書いた「手紙」です。
僕の身体にその女性は、めいっぱい色んなことを書きました。
悲しかったこと楽しかったこと辛かったことドキドキしたこと。
それはいっぱいいっぱい書きました。
お陰で身体は重いけど、僕は頑張ってこの思いを届けます。
それが僕のお仕事ってやつですから…。
出先でのことです。
彼が読み終わった後、僕の身体はじんわりと冷たくなりました。
おや、どうしたんだ僕の身体よ。
つめたい。つめたい。
僕をじんわり冷たくした犯人は、彼です。
その人は、僕のご主人である女性の
「お父さん」でした。
僕の身体をギュッと握り締め、震えていました。
僕たちにだって、ちゃんと感情はあります。
だから、十分気持ちはわかりました。
なるほど、ここの部分ですね。
この言葉が胸に沁みたんですね。
わかる、わかりますよ。
こんな風に言われら、参っちゃいますよね。
会いたくなって、困りますよね。
すみませんね、代わりに僕が来ちゃって。
でもご主人は、自分の気持ちを全て僕に任せてくれたんです。
だからそれが伝わって、僕も本当に良かったと思います。
思いが届くまでは僕ら、本当に気が抜けないんです。
そして僕はその日から、お父さんの下で暮らすことになりました。
けれどもしかしたらいつの日にかまた
僕は、彼女の下に戻る日が来るかもしれません。
理由は言えないけど。
それまでは頼みますよ、お父さん。
僕の面倒しっかりみて下さいね。
***
最後まで読んでくださりありがとうございました。
なぜこのこの物語を書いたかというと、きっかけは
ぼんさん(ぼんやりRADIOさん)が企画のために書いた作品を
読んだのがきっかけでした。
ぼんさんはこの作品の中で、老夫婦の愛の形を語っておられました。
おじいさんの奥様への愛情がそれを受け取った奥様からの視点で
じんわりとゆっくりと綴られているのが本当に素敵でした。
そこにはとても憧れる「相思相愛」の姿がありました。
ぼんさんが参加しているというEATALK MASKさんの企画がこちら。
企画は、「君」から「僕」への手紙というのがテーマらしいです。
そしてもともとは「小説」「音楽」「装画」というコラボだったそうです。
七田苗子さんが書かれた小説「拝啓」という作品が軸となり
そしてそこにジユンペイさんの音楽も加わって
より一層素晴らしい世界を創り出しておられました。
どうやらそこからまた新たに生まれたのがこの企画。
広がりってほんと突然生まれるので、とっても不思議ですよね。
またよく見ると、他にも仲良くしていただいているnoterさんの方々も
参加していらっしゃいました。
しめじさん
とのむらのりこさん
ピリカさん
「僕」からの強烈な君への想いを、受け止める「君」。
その「君」がどんな優しい眼差しで「僕」への気持ちに
こたえてくれるのか…
それぞれに語りかける世界が違っていて、とても魅力的でした。
やはりnoteのみなさんはすごいなぁと。
(企画参加の詳細については、先程のEATALK MASKさんの記事を
ご確認下さい。)
すると私の中で、ある物語が浮かんできました。
私はこちらの企画の主旨とは違うのですが
勝手に「ひとり裏企画」という全く別ものとして
「手紙の気持ち」というものを想像してみたくなりました。
そして今回できたのが、この物語。
企画への参加ではないのですが、とても素敵な企画だと思ったので
今回ここでご紹介させていただきました。
色んな方の企画が創作の刺激になるって
本当にすごいことですよね。
刺激をくださった皆さん、本当にありがとうございました!
ではまた。