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オリジナル小説「アスタラビスタ」

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人を殺めようとした紅羽を止めたのは、憑依者と呼ばれる特殊体質の男だった。キャラが憑依し合うヴィジュアル小説!
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#アクション

アスタラビスタ 9話 part1

アスタラビスタ 9話 part1

「おぉ!雅臣、戻ってきたか!」
 私たちが部屋を出てきて、すぐに声を上げたのは眞琴だった。隣には英莉もおり、No.3の和之、佐々木と話をしていた。その脇には怯えた顔をした清水と圭もいる。
「なんだ。お前たち来てたのか」
 清水と圭を見た雅臣は鼻で笑った。
「眞琴に捕まったんだよ」
 清水がそう答えると、圭が「助けてくれ、雅臣……」と顔を青くして呟いた。
「紅羽さんは薙刀ができるんだって

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アスタラビスタ 8話 part9 8話完結

アスタラビスタ 8話 part9 8話完結

「だが問題が一つ残ってる。雅臣」
 私とは対照的に、雅臣に対して彼は冷たい目を向けた。雅臣は「はい」と低い声で返事をして、その場に立ち直した。
「お前はNo.6に恨まれるようなことをしたの?」
 私は身を縮めた。話の流れが雅臣を責めるような方向へ、流れていってしまったような気がしたのだ。
「いいえ。常にランキング変動の、下からの脅威は感じていましたが、1度もナンバー戦を申し込まれたことはあ

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アスタラビスタ 8話 part6

アスタラビスタ 8話 part6

 気を取り直したように、雅臣は私に説明し始めた。

「他の憑依者はここに住んでるんだよ。ここは組織の本部でもあり、憑依者の寮なんだ」

 彼らの姿を見送った雅臣が、私に教えてくれた。

「ここにいれば家賃はかからないんだが、なんせ住んでる人間たちが特殊な奴らばかりだ。だから俺と清水はここを出た。亜理や晃も」

 私は今の彼らを見て、雅臣と清水がここを出た理由が分かった。もし私がここに住めと言われて

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アスタラビスタ 8話 part5

アスタラビスタ 8話 part5

「佐々木、清水がよろしくって言ってたぞ」
 雅臣が清水の言葉を伝えると、彼は呆れたように笑った。
「直接言えって伝えろ。誰のお陰で身体提供者になれたと思ってるんだ」
 雅臣の近くに来た男は、雅臣よりも背が高かった。スリムな体型だったので、遠目ではそこまで大きく見えなかったが、近づいてきた男は思った以上に大きく、私は首が痛くなるほど見上げた。
「俺は伝書鳩か」
 雅臣は眉間に皺を寄せて、男に不満の表

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アスタラビスタ 8話 part4

アスタラビスタ 8話 part4

 雅臣の運転する車に乗り、彼らに連れて来られたのは、東京駅近くの大きなビルだった。
 私はこの近辺に訪れたことがある。夢と希望を持って上京したとき、私が初めて降り立った駅が東京駅だった。
 彼らの組織の本部だというビルは、人目を嫌うように外壁も窓も黒く、数社の企業が入っていてもおかしくないほど大きなものだった。
 私はビルを見上げ、雅臣に尋ねた。彼はこのビルには自分たちの組織しか入っていないと答え

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アスタラビスタ 8話 part3

アスタラビスタ 8話 part3

 頬が熱かった。熱い。暑い。恥ずかしい。彼に右手を引かれながら、私は左手で自分の頬を押さえていた。少しでも左手へと熱を放出したいのに、頬に当てている左手まで熱い。熱がこもる。 
 辿り着いたのは、彼らの家の近くにある公園だった。遊具は滑り台とブランコのみで、公園の周りには木がうっそうと茂っていた。それでも、団地が密集するこの住宅地では、大切な子供の遊び場になっているようだった。
「ごめんな、昨日出

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アスタラビスタ 8話 part2

アスタラビスタ 8話 part2

 翌朝、目が覚めると、昨夜の感情は嘘のように消えていた。カーテンの間から入り込む日の光が心地よいと感じるほど、私の心は穏やかさを取り戻していた。
 そして、昨夜、自分が寂しさから雅臣に電話をかけたことを思い出し、恥ずかしさで頭を抱えた。
 なんてことをしてしまったのだろう。愚かすぎる。私は雅臣の声を聞くことだけを目的に、電話をした。意味のない電話なんて、相手への好意を示しているようなものではないか

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アスタラビスタ 7話 part3

アスタラビスタ 7話 part3

「本気でやりたいんだろ? 晃」
 雅臣は真顔で晃に問いかけた。何を当然のことを言っているのかという表情で、晃は頷いた。

 すると雅臣は「なら、ナンバー戦をやろう」と答えた。
 先ほどまで彼を挑発していた晃だったが、突然の彼の提案に驚いた様子だった。

「そりゃ、俺、本気でやりたいって言いましたけど……いいんですか?」
「別にいいぞ。じゃないと、俺らも本気になれないからな。なぁ、清水」

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アスタラビスタ 7話part1

アスタラビスタ 7話part1

「遅かったじゃん! おみおみ~!」

 道場の真ん中で大きく手を振る赤毛の彼女は、先日と変わらず元気な様子だった。隣にいる晃は、申し訳なさそうにこちらへ頭を下げた。

 彼らへと歩みを早める雅臣は、明らかに不機嫌そうだった。

「俺たちよりも先に予約を取ったのは、お前らだったのか」
 雅臣の口調は、もはや怒りに近かった。

「そうよ。私たちが貸し切りで予約を取ったの。本当は晃と憑依時の確認をしよう

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アスタラビスタ 6話part5 6話完結

アスタラビスタ 6話part5 6話完結

 私は、ただ頭の中でぐるぐると考えるしかなかった。

私の身に何が起こったのか。そして彼らの身に、今何が起きているのか。

 考えれば考えるほど、分からなくなっていく。私はどうすればいいのだろう。私はこれからも、雅臣と一緒にいていいのだろうか。

 雅臣はどう思っているのだろう。雅臣は、私に身体提供者になってほしいのだろうか。だから、私との手合せを引き受けてくれていたのか?

 もし身体提供者にな

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