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アスタラビスタ 7話part7
道場の中央では亜理と清水、そして好奇心から強引に混ざった圭が、技について話し合いをしていた。
その様子を、私は道場の隅でじっと見ていた。もう私が混ざってもいいはずだった。
だが、私はどうしても足を踏み出せなかった。
私は、ただの一般人だから。
私は、憑依者でも、身体提供者でもない。
部外者なのだ。
「ほら、紅羽」
道場の出入り口から入って来て、私に自販機で買ったペットボトルのスポーツ飲料
アスタラビスタ 7話part6
「清水さん。あの、聞きたいことがあるんですけど……」
近づいた私に顔を向けた清水は、いつもの優しい微笑みを浮かべ、答えた。
「聞きたいこと? 何?」
隣にいる雅臣は私を無表情で見つめ、私が口にする言葉を待っているようだった。
「その……見えていたんですか? 晃さんの刀。見えていたから、最後、飛び込んで行ったんですか?」
私の質問に清水の笑みが消えた。隣にいた雅臣は、なるほどと言わん