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中根健太郎(鹿島学園3年)全データ

最新情報:帝京に惨敗も風格で圧倒

春秋連続で関東大会出場を決めた鹿島学園が、2戦目で超絶重量打線の帝京と激突。

エースナンバーを背負う先発の中根は5回2失点と好投するも、後続の投手陣が捕まり7回コールド負けを喫した。

中根は打っても初回に先制タイムリー2ベース、次の打席も敬遠と、あの帝京が警戒心を露わにしたほど。

鹿島学園の二刀流にして不動の4番が、関東に名を知らしめた試合でもあった。

そんな中根の貫禄満々シーンは上記の動画、4分40秒~(先制タイムリー)、26分25秒~(敬遠)で確認できる。


中根健太郎:プロフィール

なかね けんたろう
2006年生まれ 地元茨城出身 左投げ左打ち
土浦市立第三中学校(つくば学園ボーイズ)
180cm81kg 高校通算17発 MAX143km
ポジション:投手 ファースト 外野
一塁到達4秒31(秋季関東2023vs健大高崎)

最下部のソース(情報源)一覧に記載

鹿島学園の顔


1年夏から不動の4番

公式戦デビューは1年夏の茨城大会で、チームの初戦から4番に抜擢されて以来、その座を不動としている中根健太郎。

デビュー戦でV打

このデビュー戦(vs茨城)では勝利打点を挙げるなど、まだ高校1年生とは思えない強靭なメンタル面でも知らしめた。

1年夏の最終戦から二刀流

この年の3年生は夏の茨城大会2連覇をかけて臨むも、4回戦のvs明秀日立で大敗。中根は7回コールド負けとなった最終回のマウンドに上がっている。

結果は2つの長打で2失点と、ほろ苦い投手デビュー戦に。

続く新チーム結成後の秋季茨城大会も精彩を欠くピッチングとなったが、2年夏以降に投手・中根としても飛躍的に成長を遂げている。

1年秋に2打席連発

この秋季大会では、スーパー1年生のバットから2打席連続本塁打(vs古河三)も飛び出し、たちまち話題になった。

茨城県選抜でも二刀流で活躍

2年秋には茨城高野連で毎年恒例の県選抜チームに、二刀流として名を連ねた中根健太郎。

初の取り組みとなった大学生とのダブルヘッダー(vs筑波大)で、中根は投打にわたる活躍を見せている。


全国屈指の二刀流高校球児


今年も二刀流で名乗りを上げる高校球児が数多いるなか、そのトップクラスに入るのが鹿島学園の中根健太郎だ。

同じ投打左の二刀流では、侍ジャパンU18代表候補に選ばれた櫻井椿稀(鶴岡東)と金渕光希(八戸工大一)が世代屈指のトップクラス。

金渕については、こちらの記事で確認してくれ。

中根健太郎=櫻井椿稀+金渕光希

中根は体格的には、ほぼ金渕(183cm83kg)と同じサイズ。ひいては櫻井の制球力、それに金渕の球速と打撃を加えた感じが中根健太郎だ。

まだ大々的なプロのスカウトや球団関係者らによる報道はないものの、これからのドラフト戦線では間違いなく名前が挙がってくるだろう。

夏の活躍次第ではあるが、春季大会の投打を見る限り上昇気配しかない。鹿島学園初のプロ野球選手に一番近い男、それが中根健太郎だ。

なおキャリアハイとなった春季茨城大会2024のデータは、下部の高校通算成績以降に掲載してあるので、このまま読み進めてくれ。

中学時代から二刀流発揮

つくば学園ボーイズ時代から投打の二刀流で、チームの中心選手として活躍を見せていた中根健太郎。

ボーイズ日本代表のトライアウトでは、6人の打者から3奪三振。最速132kmの計測にとどまらず、打っても2安打と選考者の目を引く結果を残している。

さらに補足すると、土浦市中学校陸上競技大会の砲丸投げ部門でも3位入賞。地肩の強さは天性と言えるだろう。

トルネードスリークォーター

対戦相手や試合の流れによって投球フォーム、さらにはテンポも変えるのが投手・中根の特徴だ。

中根の投球フォームは基本、沖縄興南の甲子園春夏連覇で一世風靡し「琉球トルネード」の異名をとった島袋洋奨に近い。

逆にランナーを背負った場面では、ダイナミックな投球フォームとは一線を画す小気味好いテンポのピッチングに切り替える。

この投球術を駆使できるようになったことで、3年春の茨城大会や冒頭のvs帝京に見られる投手としての厚みも増した。

そしてスリークォーター特有のリリースポイントの低さとリリースまでの時間、いわゆる「球持ちがいい」のが投手・中根の真骨頂だ。

打率も残せる長距離砲

打者・中根もレベルが格段に高い。1年夏に打率5割超をマークし、3年春にはそれを余裕で上回るまでに成長している。

高校通算ホームランは17本と抜きん出た数字ではないが、公式戦に限れば場外弾を含む4発をスタンドイン。率にして23.5%(4÷17)と実践向きだ。

ちなみに花咲徳栄のプロ注目スラッガー、石塚裕惺が26%。これは試合数や勝敗などのチーム事情にもよるが、打者・中根が超高校級であることを示している。

石塚と公式戦本塁打についての詳細は、こちらの記事で確認してくれ。


茨城の双璧にしてライバル武田勇哉


そんな中根の前に大きく立ちはだかるのが、宿敵の常総学院で同じく不動の4番に座る武田勇哉だ。1年の秋から4番を担っている。

武田に関しては、以下の2記事で確認してくれ。

前述の繰り返しになるが、春季茨城大会2024の中根は驚異的な打棒を残した。そして武田もまた、中根と同じ打率を記録している。

茨城ホームランダービーの最終局面

高校通算ホームラン数は中根の17本に対し、武田は12本。公式戦通算ホームラン数は両雄ともに4本とイーブンだ。

鹿島学園と常総学院は、お互い順調に勝ち進めば決勝戦でぶつかる。両校ともに5試合目が決勝の舞台になる。

春のホームランダービーは両雄ともに1本ずつと引き分けに終わっただけに、最後の夏は茨城双璧対決も見どころの1つだ。


鹿島学園高校野球部


鹿島学園といえば、実は野球よりサッカー強豪校として全国区の知名度を有する。サッカー部も野球部も学校創立の1989年(平成元年)に発足している。

そんな鹿島学園サッカー部は茨城県内の大会で20回以上の優勝実績を誇るほか、著名なOBにはワールドカップ2022のメンバーに選ばれた上田綺世も。

鹿島アントラーズのホームタウン、鹿嶋市に本校を設ける鹿島学園だ。鹿島アントラーズのお膝元として、数々のプロサッカー選手を輩出している。

一方の野球部は黎明期以来パッとしなかったが、ある1人の名監督が就任したことでメキメキと力をつけていった。

名将・鈴木博識監督

2015年の監督就任以来、着実に鹿島学園野球部を甲子園に近づかせている鈴木博識。

鹿島学園に赴任する前は日本大学野球部で指揮を執り、巨人で活躍する長野久義館山昌平村田修一らをプロに送り出したアマチュア球界が誇る名将の1人だ。

特に創部初となる2021年の甲子園出場以降、県内で上位に食い込む成績を残している。その翌年に入学してきたのが、中根らの代だ。

2022年は秋ベスト8、2023年は夏ベスト8で秋準V、そして2024春も準Vを果たしている。この春秋決戦は、いずれも常総学院との同一カードだった。

まさしく打倒常総学院の気運が高まる鹿島学園。最後の夏も対抗一番手に挙げられるなか、思いもよらぬ朗報を得ることとなる。

名伯楽・尾花高夫コーチ

2024年2月から急遽、鹿島学園野球部のコーチに就任した尾花高夫だ。現役時代はヤクルトスワローズのエースとして活躍し、指導者としても豊富な実績を有する。

ダイエーの投手コーチ時代には斉藤和巳を球界屈指のエースに成長させ、巨人では「育成の星」こと山口鉄也の才能を開花させた逸話を持つ名伯楽だ。

横浜ベイスターズでの監督経験もある尾花高夫を迎えた鹿島学園は、まさに伸び代しかない

センバツ王者を苦しめた関東初戦

実は尾花コーチの就任直前、鹿島学園は関東大会で「あわやセンバツ初出場か」という熱戦を演じている。

この時の相手は、のちにセンバツ王者となる健大高崎だ。

鹿島学園は健大高崎の先発でダブルエースの一角、石垣元気から先制点を奪うと序盤でシーソーゲームを展開。

鹿島学園の先発マウンドには、エースナンバーの中根健太郎が上がった。4回に一挙4失点とビッグイニングを与えたが、それ以降の被安打は1本のみ。

4点ビハインドで迎えた7回、石垣から2点を奪い攻略に成功するも、もう1人のダブルエース佐藤龍月のピッチングが冴えわたった。

それでも最終回は粘りを見せたが、最後は奇しくも中根の空振り三振でゲームセット。あと一歩およばなかった。

こんなポテンシャルを秘めたチームなだけに、尾花コーチの援護射撃は大きい。

機動力野球のチーム2024

今年の鹿島学園は中根のワンマンチームながら、兎にも角にも全員がよく走る。この春は関東大会を含めた全7戦で20近いチーム盗塁数を記録したほどだ。

健大高崎ならぬ、鹿島学園流の機動破壊が発揮できれば、打倒常総の先にある甲子園切符に辿り着く。詳しくは、こちらの記事で確認してくれ。




中根健太郎:高校通算成績


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