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春季青森大会ベストナイン2024

青森の高校野球を彩る今夏注目の9人


投手 金渕光希(八戸工大一:左左)

捕手 山田颯之介(八戸工大一:右右)

一塁 田口壱大(八戸工大一2年:右右)

二塁 相馬和真(県立弘前:右右)

三塁 小島慧也(八戸工大一2年:右左)

遊撃 吉川勇大(青森山田:右右)

左翼 山本優大(八戸学院光星:右右)

中堅 今野航来(八戸工大一:右左)

右翼 内山瑛太(弘前学院聖愛:右左)

※青森大会での活躍や成績を基にドラ穴独自の選出


大会総評&ベストナイン選出について


今回は優勝校と準優勝校から各1人ずつ、という一見ぶっ飛んだベストナインだが、実は春季青森大会2024を象徴する9人を選出している。

投手王国・青森

前評判通りの好投手が揃う青森県の高校野球事情において、U18強化合宿に召集された金渕光希(八戸工大一)は惜しくも3位と東北大会の切符を逃したものの、やはり光るものがあった。

八戸工大一はチーム防御率0.74で大会トップだ。今大会はエースナンバーを背負った同じ左腕の杉村駿太と二枚看板でチームを牽引した。

優勝した弘前学院聖愛のチーム防御率が1.60準優勝の青森山田も1.80と決して悪くはない。

特に青森山田は昨秋の東北大会とセンバツ2024で力投を見せた櫻田&関のダブルエースのみならず、2年生の下山大昂と菊池統磨が台頭し改めて選手層の厚さを知らしめた。

聖愛も4人の投手陣が踏ん張りを見せ、下馬評を覆した。これらを踏まえれば、今回の春季2024は青森が投手王国に昇華した大会だ。

投打で驚異の八戸工大一

いわば群雄割拠の投手王国において、大会最少失点に食い止めた八戸工大一は捕手のリード抜きでは語れない。

背番号5ながら全試合でスタメンマスクを被った山田颯之介は、打撃でも下位の軸としてチームトップの打率を残している。

さらに大会最多の4犠打、3つの四球でチャンスに貢献。選球眼や小技も駆使できるのが山田の持ち味だ。

ちなみに金渕も初戦で満塁弾を放つなど、二刀流に磨きをかけた。八戸工大一のチーム打率は.359青森山田の打率.375に次ぐ大会2位だ

U18青森代表が軸

青森山田は最高チーム打率ながら、ドラフト候補の吉川勇大を除いては、センバツとは一線を画す選手の活躍が目立った。

投手王国・青森の面々を含め詳しくは後述の注目選手欄で記載しているので、是非このまま読み進めてくれ。

なおU18強化合宿には、青森から2人の選手が召集されている。金渕と並ぶ、もう1人が、センバツと同じく今大会も木製バットで結果を残した青森山田の吉川勇大だ。

待望のホームランこそ不発に終わったが、大会最多タイの7打点をマークしている。吉川勇大のセンバツデータは、こちらの記事で確認してくれ。

そんな訳で、今回は吉川勇大の大会成績を1つの基準にベストナインの選出、並びに打線まで組んでみた。

春季青森大会で複数の本塁打を記録した球児はいないが、このベストナインは全員が吉川の得点圏打率を上回る勝負強いのが特徴だ。

吉川と並ぶ最多打点の2年生強打者、吉川超えの大会最多安打を記録した公立の星など、今夏の青森県予選に向けた参考データとしても活用してくれ。

青森ブルーサンダー打線になった件


1番ショート 吉川勇大

大会打率.421 OPS 1.008 出塁率.429 長打率.579
得点圏打率.273(11-3)

高校通算16発、遠投100m超の打って走れて守れる大型ショート。今大会もセンバツ2024同様、木製バットの使用で一定以上の結果を残した。

この重量打線で置くなら、敢えての核弾頭的リードオフマンが面白い。出塁率の高さはもちろん、自慢の長打力で下位打線からの走者一掃も狙える。

今後の見どころは、やはりホームランの量産体制だ。握力85kgという強靭なリストの持ち主なだけに、そろそろ使い慣れてきたであろう木製バットが火を吹く時期に迫っている。


2番キャッチャー 山田颯之介

大会打率.455 OPS 1.026 出塁率.571 長打率.455
得点圏打率.500(4-2)

4犠打の実績を買って2番打者として抜擢。1番の吉川がシングル出塁なら送りバント、得点圏における勝負強さから打撃の信頼度も高い。

仮に吉川が倒れた場合は、その選球眼をもって山田からの起点も狙える。打率.455は強打の八戸工大一においてチームトップ。

最後の夏はリード面のみならず、山田の打棒も勝敗の明暗を左右する。


3番センター 今野航来(左)

大会打率.400 OPS.929 出塁率.429 長打率.500
得点圏打率.444(9-4)

八戸工大一のリードオフマンにして、長打力も携える今野航来。チャンスメイクより、下位打線を返す打撃で大会3位に貢献した。

打点を稼げて勝負強いバッティング技術は、この打線なら3番打者が相応しい。


4番レフト 山本優大

大会打率.500 OPS 1.515 出塁率.615 長打率.900
得点圏打率.800(5-4)

八戸学院光星における不動の4番山本優大。センバツ同様に、今大会も4番の仕事を果たした。

一発を狙える力や得点圏での勝負強さを考慮すれば、このメンバーにおいても4番を任せられる。

チームは今大会、まさかのベスト8敗退に終わったが、夏の本命候補に変わりはない。


5番セカンド 相馬和真【キーマン】

大会打率.474 OPS 1.156 出塁率.524 長打率.632
得点圏打率.500(10-5)

相馬和真は今大会最多の9安打を記録した、県立弘前の安打製造機。特筆すべき点は、打席の約半数が得点圏で、その打率も5割と高いことだ。

この打線で考えるならば、仮に4番の山本がランナーを返す、もしくは倒れた場合、5番の相馬が次の起点になるため、イメージとしては1番打者の役割に近い。

選んでも打っても出塁できる打撃センスに加え、パンチの効いた長打力も持ち合わせる攻撃型の裏リードオフマンだ。


6番ピッチャー 金渕光希(左)

大会打率.444 OPS 1.434 出塁率.545 長打率.889
得点圏打率.750(4-3)

今大会は満塁ホームランを含む6打点と打撃面での成長も見せた金渕光希。投手兼任の関係上、規定打席には達していないが、長打力と得点圏打率は光るものがある。

この打線で5番の相馬が裏リードオフマンなら、金渕は超攻撃型2番。いわゆるドジャース打線における大谷翔平のような存在だ

MAX144km左腕 3先発1完投

投手面では、成績としては安定した結果を残したが、本調子手前といったところだろう。本来は三振を奪える投手だが、今大会は良すぎるコントロールを狙われる場面が目立った。

それでもベスト8では、強打の八戸学院光星を相手に8安打と打ち込まれながらも、5奪三振2四死球の完封勝利を挙げている。

ここからの巻き返しで、最後の夏は奪三振ショーを期待したい。


7番サード 小島慧也(左)

大会打率.438 OPS.909 出塁率.471 長打率.438
得点圏打率.375(8-3)

出塁率の高さから、つなぎ役を期待して7番に抜擢。長打力はないが、シュアなバッティングに定評がある左打者だ。


8番ファースト 田口壱大【キーマン】

大会打率.357 OPS 1.139 出塁率.353 長打率.786
得点圏打率.429(7-3)

今回のベストナインの中では打率ワーストながら、今大会最多タイの7打点をマークした田口壱大。

前述した通り相馬が裏リードオフマンなら、田口は裏4番打者だ。持ち前の長打で、ランナーを返せる力がある。


9番ライト 内山瑛太(左)

大会打率.389 OPS 1.177 出塁率.455 長打率.722
得点圏打率.500(4-2)

超俊足強打のリードオフマンとして、弘前学院聖愛の春季青森大会優勝に貢献した内山瑛太。中学時代に100m走で全国大会出場の経験を持つ。タイムは圧巻の11秒55

この打順で言うなら、仮に田口が倒れた場合は内山の長打力でランナーを返せる。自慢の足を生かしたチャンスメイカーとしても期待が持てる頼もしい選手だ



春季東北大会2024注目選手


弘前学院聖愛:投手陣

4投手を擁する弘前学院聖愛において、左右の二枚看板として春季青森大会優勝に大きく貢献したのが、エースナンバーを背負った芹川丈治、背番号17の吹田志道だ。

ともに三振を奪える力があり、スタミナも豊富。芹川は大会2戦目のvs弘前東で無四球完封勝利を収めている。

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