マガジンのカバー画像

278
運営しているクリエイター

#詩のようなもの

おなじ

学校ってさ
くだらないとこだよね
みんなおなじ
ひとつの場所に閉じ込めて
うまくやりなさいって
みんなとおなじようにしなさいって
うちらは
ひとりひとり
全然ちがうのにさ
うまくやれるやつらが
みんなとおなじになれない
うちらみたいな人間を
見下して
そのくせ嫉妬したりしてさ
うちらを
自分たちとおなじにしようとするんだよ
おなじじゃないと気が済まないんだよ
ちがうやつがいたら
見下すことで
自分

もっとみる

負け犬

人を信じるなんてばかげてる
「裏切り」とさえ今は名のつかない
当然のことのように
傷つけること
傷つけられること
親切にされて
笑顔を向けられて
信じるなんて
学習しないバカだけ
ほら、また傷ついてる
こちらが傷つけなければ
傷つけられる
泣いてるやつも
吠えてるやつも
笑ってるやつも
結局

卑屈になって
偉そうにして
疑って
自分に同情して
正当化して
傷つくよりも
傷つけるほうがいいって

もっとみる

ちがうひと

あなたが好き
あなたのいない世界なんて
考えられなくて
あなたのそばに
いればいるほど
あなたとわたしの
境界が溶けて
わたしの中に
あなたが
見えなくなって
触れられなくなるから
あなたとわたしのあいだに
ちかすぎずとおすぎない
適切な距離をつくって
あなたの光を
その輪郭を
わたしに反射させてください
手を伸ばせば
触れられる距離に
あなたの形を

あなたはわたしとちがうひと
だからわたしは

もっとみる

中学生のころ
誰と話しても
面白くなくて
休み時間に
十円玉たくさん持って
公衆電話から
でたらめにかけてたって

社会人になって
旅先で出会った女の人と
日本に帰って食事をしたとき
宇宙の話を熱く語って
つまらないって
言われたって

ああ
わたし、そのとき
そこにいたら
あなたを好きになってた

窓から飛ぶことばかり
鏡に沈むことばかり
考えていたわたしは
大人になっても
なんにでもなれると

もっとみる

失われたものは

ここにはないのだから
それがないせかいを
目に映すしかない
スカイツリーの佇む空を
見て思った

このせかいにないものを
このせかいの中から
見つけ出すことが
若いかれらに
できるだろうか

タイムカプセルを
埋めることしかできない
わたしたちは
かつて埋めたカプセルに
なにを入れたか
忘れてしまった

遠く引っ越していく友達との
なにか大切なものだったような気がする

いつか、届け
未来は分かれ

もっとみる

生きたい
美しくなく
上手くもなく
痛くても
苦しくても
この世界を
捉えることが
わたしの一歩だ

パズルは
片方を合わせれば
片方が食い違う
何かに合わせれば
わたしが欠け落ちる
わたしの目で
足で頭で
捉えた世界に
踏み入れること

言葉は
文字に頼れば
記憶から溢れ
話すことに頼れば
哀しさが打ち寄せ
頭に閉じ込めれば
足りないピースで完成する

わたしとは何か
揺らぐわたしの奥で
揺らぐ

もっとみる

愛してくれる人を探している、ずっと
わたしを理解できる人がもしいるなら
わたしはその人を理解する
わたしを愛せる人がもしいるなら
わたしはその人を愛する
理解とは何かと聞かれたら
生かすことだと答える
道を与えることだと答える
愛とは何かと聞かれたら
諦めないことだと答える
信じ抜くことだと答える
理解していると言われても
愛していると言われても
決して信じないけれど
そういうものだと思う
巡り合

もっとみる

正義

ものの見方なんて
角度を変えれば
180度ちがうわけで
かつての優れた名作も
現代ならば
ゴシップ記事になりうるわけで

多数が正義だと思っている
そんな世の中では
わたしたちは
正義に怯えながら
生きなければならない
わたしたちは
正義に媚びながら
生きなければならない

正義とは
わたしのなかに
あなたのなかに
たったひとつ
輝くものではないのか
声高に
叫べば叫ぶほど
聞こえなくなっていくけ

もっとみる

生きる力

他人から
いくら肯定されても
否定されても
身につかないものがある
他人にアドバイスをもらったり
本を読んだり
机の前で
どれだけ考えても
手に入らないものがある
自分の足で動いて
人に出会って
叩かれて
褒められて
信じて
裏切られて
また信じて
その中でアドバイスをもらい
それを実践したり
それでもうまくいかなかったり
本を読んだり
また考えたり
何度でも信じたり
疑うことを覚えたり
そうして

もっとみる

多様性

いろんな生き方が
あっていいと思う
わかりやすく
人と違う生き方だけじゃなく
自分が必死になって
生きている
だけど
その反対の生き方も
認められる
それが多様性なんじゃないか
あんまり必死すぎると
それがわからなくなる
でも生きるのに必死で
みんな必死で
「つらい」なんて
思うことも許されなくて
嫌なものは嫌だって
わがままになることは
とても大事だと思う
日本人は我慢をするから
なにも変わらな

もっとみる

生きる

わたしなんかって
おもってた
バカでダメで
なんの役にも立たなくて
ブスでデブで
だれからも必要とされないって
自分をいじめて
追いこんでさ
それって
ひとがわたしを見て
嫌ったり見下したりしたのを
自分よりも信じてたんだよね
ひとの意見や言動に
影響されて一喜一憂して
みんなすごくて
自分はダメで
そんなふうに
流されて生きて
けど流されるまいって
必死で自分をつなぎとめようとしてた
あのとき守

もっとみる

あきらめ

お金ってさ
あきらめだよね
あきらめに
命かけた
誰かさんは
生きること
忘れて
それでも
生きてるって
思っててさ
その誰かさんに
飼われた
女の子は
人生をあきらめて
そいつと
付き合ったんだよ
あきらめで繋がった
それが愛じゃないってことは
ふたりとももう知ってる
それでも
あきらめるしかないんだよね
あきらめる方が
楽だと思った
けどあきらめたら
生きてることが辛かった
だからふたりは

もっとみる

ひつようなもの

固める時間をください
こねるだけじゃなく
物心ついた頃から
あれこれ指図されて
やりたいのか
やりたくないのか
わからないで
わたしは
わたしが
なんだかわからなかった
なのに
ずっとずっと
その疑問は置き去りにされて
生まれたまま
捨てられたわたしを
誰も見なかった
みんなが見るわたしは
あれこれ指図されて
作られたわたしだった
そして大人になって
わたしの人生を生きている
捨てられたわたしは

もっとみる