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理念でわけた異なる世界「都市と都市」

<SF(45歩目)>
まさにアナーザーワールド。この作品から、物理的な境界ではなく、理念で分けた境界を考えてみる。

都市と都市
チャイナ・ミエヴィル (著), 日暮 雅通 (翻訳)
早川書房

「45歩目」はこんな世界観と設定は初めて。驚きの設定から、宗教により憎み合うことの意味を考える作品です。

この作品は、出だしからハードボイルドの警察小説に見えます。
しかし、読み進めると不思議な「都市と都市(ベジェルとウル・コーマ)」の作り出す、別の世界に飛ばされます。

同じ古代民族から発生している別々の国。

まるで、昔の西ベルリンと東ベルリンの関係ですが、「壁」がない。
設定は、ボスニアヘルツェゴビナのサラエボか?どこかを参考にしたと思うのですが、それよりも行きつくとこまで行っている。

こんなに、「宗教」や「不条理」を考えさせられたのは久しぶりです。
500ページ超の作品ですが、思わず再読。
頭の中が一時期「ベジェルとウル・コーマ」になりました。

宗教が異なっても、「愛(love)」は超越しますが、かなり厳しいと思いました。

読書で「トリップ」したい方には強くおススメです。

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