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差羽ナガレ
2021年10月26日 12:07
禁じられた遊びをおこなう愚か者もう明日は来ないそれだけは知っている螺旋の中を回る定めから逃れられず皆飲み込まれ遠くの空へ消えた
2021年10月24日 18:38
柵の無いキャバレーで裸体を晒すショーガール彼女は自分の為だけに踊るそうやって生きて来たから月が二度と見えなくなってもやる事は何も変わらない何時もと同じキャバレーで自分の為に踊るだけ世界が明日終わっても
2021年10月22日 15:20
真夜中にだけ開くカフェでカルダモンケーキを買おう貴方が最高だった頃私によく作ってくれた持て余した感情を殺したら独りの部屋で静かに食べようジャスミンティーを沸かして貴方といた日々を忘れて
2021年10月21日 04:33
夜明けにカーテンの隙間を搔い潜る僅かな明かり私達が失った何かをもう一度照らしてくれないかそれは二度と手に入らないと心では分かっているけど追い掛けようとする心を消し去る事が出来ないどうしようもない私を赦してはくれないかまやかしで構わないから
2021年10月18日 15:29
世紀末キャバレーで歌う不細工なシンガー割れそうな夏の日に揺らめく陽炎を抱いて気違いになった道化師誰も彼も僅かに重なり合う事すら出来ず忘れられて消えて逝く変わる時代の片隅へ
2021年10月15日 23:41
彼女は小さい頃からとても優れていた周りからは羨望を込めてエリートと言われた難解な大学を卒業して国の中枢機関で働きその能力を遺憾なく発揮する筈だった少し時が流れた眠らない2月の夜に彼女はビルから飛び降りた理由は知らない太陽が眩しかったのだろうか僕は時折思い出す無邪気に笑う彼女の横顔を揺籃の中で震えながら
2021年10月12日 22:55
彼が支配する全ての街の者が彼にひれ伏し服従の口づけを掌に交わしても渇きは止まらなかった血に濡れた抗争も裏切りの制裁も無く穏やかな日々が今は続いていても彼は囚われていた見えない何かに使役し続ける事が彼の魂を確かに削り奪い壊して逝く焦燥に駆られながら
2021年10月11日 20:27
白けた夜中に雪駄を鳴らす阿修羅絡んできた相手を蹴り倒し地面へ転がす血に見えた月がその姿を隠して阿修羅は笑い出し強風に揺られて消えた
2021年10月9日 23:42
夜にだけ咲くゼラニウムを盗んでしまった左目のジュリー大切な人に見せようと公道をブルーバードで疾走する追い掛けて来る覆面を千切り貴方の街まで飛ばしたけれどゼラニウムは枯れてしまった朝日に優しく絆されて
2021年10月8日 23:27
ルージュプランツが咲き乱れる小道で貴方と唇を重ねよう心が離れてしまわぬ様に少し歩いたらミルクホールへ向かおうロックンロールが鳴り止まないあの店へ
2021年10月7日 23:30
人影に隠れて姿を現さない卑怯者と囁かれても本当は誰か分からず今日もまた誰かがオフィス街で孤独に死んだよ見えない圧力に怯えながら直ぐ明日が訪れ皆知らない振りをする明日は我が身と感じていながら
2021年10月6日 23:44
それを落とさない為必死に手を伸ばすだけども隙間から容赦なく零れ落ちる幾つもの命がバラバラと地にまみえ消えてしまったんだ遅すぎる初雪の様に
2021年10月5日 19:10
夜明けを背にして走るヒーレースプライト不良の儘ではいられずに少年の日は通り過ぎ大人に為れない者達は家と言う揺籃に閉じ籠る日々から抜け出す事も何時の間にか忘れてしまって
2021年10月3日 23:27
錆びた鉄の月が夜空を照らす頃彼女は泣いていた悲しい事があったのと生きる事は何時だって孤独だと僕は言う彼女は遠くを見ている僕には見えない何かを彼女はクレイジー繊細で静かに燃える心を隠したり出来ないそれは美しい事だと僕はそう思うんだ本当に本当にさ