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差羽ナガレ
2024年4月29日 23:30
深夜に開く秘密のダンスホールロカビリーに合わせ皆が踊り続ける本当の事は見えやしないけどパレードグロスで仕上げたブーツがミラーボールの光で輝いたなら愛しき人よ共に踊ろう手を取り合って
2024年4月26日 23:25
恋をしていた吹けば飛ぶよな恋をしていた私の為だけに恋をしていた遊びですらない恋をしていたサルベージ出来ない恋は唐突に終わりを告げた何のドラマも無く
2024年4月23日 23:40
審判の日を終え再生する世界の中鳴り響く美しい津軽三味線と燃える紙の蝶がゆらりゆらりと現れそっと消えた傷痕を癒すように
2024年4月20日 23:03
ラム酒を飲み過ぎた夜は白い朝がちらつきながら私を迎えに来るそれは遠い過去の様に曖昧で何時も思い出ずに私は独り白い朝の扉を開けるどんなに寂しかろうとも
2024年4月17日 22:17
うつろうものは何かに迷い絆されて移ろいながら死んで逝く散り褪める花弁と共に春を歩む修羅は涙を零さない振り返らずに突き進む雪駄をぐわぐわとかき鳴らしながら
2024年4月14日 23:36
太陽に裁かれる左目のジュリー退屈でろくでない世界を撃つヤマザキ情け容赦なく税を取り立てるザアカイ劫火に焼かれるのは誰だろうか僕は何も知らないまま今日も揺籃の中で怯え震えているだけ
2024年4月10日 22:15
完璧な人の様なグランドール達はストライキを起こす私達こそが本当の人なのだと奉仕する為だけに造られた人形がと吐き捨てる人の波が増長する中でグランドール達は反乱を始める幾千もの人を焼き尽くしてもその怒りは消える事無く全ての人をかき消した刹那にグランドール達は気付いてしまうだろう自分達もまた人に造られた命でしかないと
2024年4月6日 23:47
惑星から来たあの娘はたどたどしく美しい言葉を紡ぎながら話し掛ける僕は嬉しくて狐革のタンバリンを打つ街のリズムに合わせてあの娘はステップを踏む華奢な體を震わせて誰にも見えなくとも二人は確かに煌めいていた流れる星みたいに
2024年4月3日 23:49
冬の終わりに父は死んだ春に芽吹くフキノトウを眺める事無く冬の終わりに貴方は消えたロカビリーナイトを共に見る事も無く冬の終わりはただ厳しくて私は途方に暮れる紅煉のように
2024年4月1日 21:50
中身の無い歌を垂れ流すラディオ僕にだけ聞こえるロックンロールを掛けてくれないか心が壊れそうな夜は狂った風が吹き荒れる街に足を向けられず揺籃に籠る僕にクロッカスの花をたわむけてくれないか見えない何かに怯える夜は
2024年3月29日 22:24
か弱き少年は他人の嘴に突かれその姿を変貌させる日々続く誹謗中傷に心が耐え切れず歪み切ってしまう世界の破壊者に為れなくても小さな社会なら壊せるだろう青い春に散る花を眺める事が出来なくても
2024年3月26日 21:20
イマザリルの雨が降り止まない近未来何が変わったかすら分からずに街を歩く人達その形を変えてまで生きる必要はあったのか僕は今日も戸惑いながら機械の体にオイルを差して海と毒薬という表題の紙で出来た小説を読み漁る
2024年3月23日 21:09
ガソリンを飲みながら走る古いカマロは果たして燃えているか製鉄所で焼かれた鉄の様に寂し過ぎる街を支配しながら走るあの美しいカマロは本当に燃えているか輝きを止めない太陽みたいに
2024年3月20日 23:36
長く生き過ぎた老人は軋んだ背骨を晒しながら老いさらばえて逝く生まれ落ちた瞬間から皆が罪を背負わされ罰から解放されるまで曖昧に生き続ける去り際さえ決められずに