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『人のセックスを笑うな』
ファーストキスはレモン味。
どこが発祥でこの話が生まれたのだろうか。
きっとファーストキスは誰にしも酸っぱくて、けして甘くとろけるようなものではないのだろう。
唇が触れ合う単純な行為であるのだが、人間はキスに愛情という意味を付け加えた。
動物はセックスはしたとしてもキスはしない。
人間にだけ愛という意味を授けられたキス。
そんなキスを初めてするときは、レモンのような水気たっぷ
「アルジャーノンに花束を」
幼い時の僕たちには血の繋がりの意味は分からなかった。
なぜなら同じ団地で暮らしていて、毎日のように顔を合わせて遊んでいれば、それは家族と変わりなかった。
団地には僕と同い年の友達が8人いた。
8人は毎日、団地にある広場や公園でサッカーをしたり、近くの田んぼでザリガニを捕まえたりして遊んでいた。
団地特有の関係性なのだが、団地で暮らす両親たちは夜、働きに行って、夜中ずっといないこともよくある
「わたしを離さないで」
人間には生きていると壁とぶつかり、それを乗り越えようとして強くなっていく。
ある人にとっては恋人との別れが壁になるかもしれないし、ある人にとっては威厳ある父親の存在が壁になるかもしれない。また病のように自分の手でどうしようもできないものが壁として人生を塞いでくるかもしれない。
僕が人生において初めて壁を感じたのは「夢」だった。
小学生の時にこの「夢」という言葉は僕の前に立ち塞が入り、前
「何もかも憂鬱な夜に」
「当たり前って残酷な言葉だよね」
ということを、誰が言っていたのを覚えている。誰が言ったかは今となっては皆目検討つかないのだが、流れている血液を止めるような、その言葉が持つ力はずっと心の中に残っている。
布団に入るが寝付けず、考えて事をするようなふとした瞬間に、この言葉を思い出し、嗚呼…と野太い声をあげ悶える事がある。頭の中にこべり付き離れることはない。振り払おうとしても蜘蛛の巣のようにずっ
『ぼくらの地球の治し方』
本の紹介や、書評をする人たちは多いのだが、ここでは本を書いた作者について紹介しよう。
僕がこの「ぼくらの地球の治し方」の著者の藤原さんと出会ったのは3年前になる。僕もネパールで生活し始めてまだ半年ほどで、ネパールについてや、自分が本当に何ができるのかとかあやふやな時だった。
ネパールの繁華街を歩いていると、知り合いの日本人がいた。その日本人は大学生でネパールの孤児院の支援の活動などをしてい
「イチロー 262のNEXTメッセージ」
大学時代の僕には悪い癖があった。
酒に溺れてしまうことだ。
大学時代の最後の卒業旅行はみんなで箱根旅行に行った。いつどこで怪我したのか分からないのだが、朝起きると足首を捻挫していた。
「昨日、俺は一体何をしていた?」と聞くと、酔っ払って、一人で踊って、転んでそのまま寝てたらしい。なんとも無様な姿だろう。次の日にみんなで箱根の彫刻の森美術館に行く予定だったのが、僕は一人、箱根の足湯で捻挫した足