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#マッチングアプリ
#11 あんた、男としてダサいよ。|マッチングアプリ放浪記
初対面でホテルに誘ってきたクズ男に対して、電話越しの遥はあり得ないほどの優しい声だった。
僕はさっき、渋谷で彼女をホテルに誘って断られたばかりだ。それなのに、世間から忌避されるヤリモク男子に、彼女は丁寧に接してくれた。
「さっきはごめん。すごい遥に失礼なことをしたよ」
正直、緊張から僕の喉は震えていた。喉仏がロボットダンスでも踊っているのかもしれない。
次は、真剣に真面目に彼女と会いたい。
#6 ハーフ系美女を口説いて撃沈した話|マッチングアプリ放浪記
ハーフ系美女を口説いたことなんて、人生において一度もなかった。そもそも女性と話すだけでも緊張していたのに、その上さらに口説くだなんて…。僕にはハードルが高すぎる。
今回は、そんな僕が初めてハーフ美女を口説いた結果、撃沈した話をしよう。大火傷だ。あれは悲惨だった。
今後、もし誰かを口説こうと思っている読者の方がいたら、僕の撃沈エピソードがあなたの一助となることを願っている。
その日、僕はアプリ
#5 彼女のせいだ。HIP-HOPなんか聴くようになったのは。|マッチングアプリ放浪記
音楽には2種類ある。
ただの音楽と、彼女との日々を丁寧に思い出すためだけの音楽だ。
タトゥーが魅惑的な彼女と電話を繋げると、すぐに部屋の奥からBGMが流れ込んできた。
「ごめんごめん、うるさかった?」と彼女は言った。
クソナードの声はハスキーで低くてボーイッシュな感じだった。それでも、どこか女の子らしさも見え隠れしているような声だ。
「ううん。大丈夫だよ」と僕は言い、「なんの音楽を聞いてた
#4 タトゥーの入ったオタク女子|マッチングアプリ放浪記
人は誰しもある程度一貫した「自分」というものを持っているはずだが、時として自己の中に矛盾が生じることがある。それは矛盾したアイデンティティとして立ち現れて、ある日突然僕らを驚かせる。
とまあ、こんな話とは関係ないかもしれないが、最近僕はタトゥーの入ったオタク女子にいたく惹かれている。
彼女のマッチングアプリでの登録名は「クソナード」という。アニメがとにかく大好きなのだそう。けれどそんな彼女の自