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とにかくモテたい。『マッチングアプリ放浪記』の山田くんの垢抜け方法
全てはモテるためだ。女の子とウハウハするため以外に、頑張る理由ってあるのだろうか。
怠惰な僕の原動力は、全てにおいてそれだった。
昔からオシャレとは縁遠い生活をしてきた。前髪は重たいカーテンのように目にかかり、肌は荒れ狂い、ひたすらに機能性のみを重視した服を着ていた。おまけに唇はカサカサだ。(こんなんじゃチューすらできないね)
だが、マッチングアプリを始めると決心し、「女の子にモテてやる」と決心したその日から、僕は自分の見た目への投資を始めたんだ。
地味でモテない男が、自分を変えようと必死になった。
それこそが、『マッチングアプリ放浪記』の本当のプロローグだったのかもしれない。
①清潔感とエチケット
「清潔感を制する者が、マッチングアプリを制す。」とは、敬愛するウォン老師のお言葉だ。
だから僕は清潔感を向上させるための施策を打ち出した。
まず、毎朝シャワーを浴びる生活に切り替えた。朝起きたらシャワーを浴びる。シャンプーで頭を洗い、トリートメントをつけて髪の毛をツヤツヤにし、ボディソープで体を洗い、そしてもちろん洗顔もする。
風呂から出たあとは、母が買った三面鏡の前に移動する。
そこではしっかりと髪の毛を乾かし、アイロンでくせ毛を直す。そしてヘアオイルで髪のダメージを軽減させる。どうだ。清々しい徹底ぶりだろう。
やるときは徹底的にやる。
え?女子? 僕の使ってる物、女子すぎん?
それもそのはずだ。全部、母と妹が使っているものを、そのまま使用している。
母と妹が使っている製品に、まず間違いはない。ウォン老師もそう言っていた。
どれもいい匂いがする。いい匂いのものって、なんかいいよね(小並感)
それから、口臭予防の携帯用マウスウォッシュも使うようになった。人と話す時はこれを使うと、おそらく口臭は気にならなくなるはずだ。
でも喉の奥にある、いやぁ〜な感じは、これだけでは取り除けない。あれはどうしたらいいのだろう。水でもがぶ飲みすればいいのだろうか。
次に、靴の防臭材を買ったグランズレメディというちゃんとしたやつだ。
靴に粉をファ〜っとまぶして、それでそのまま靴を履く。この魔法の粉が靴の嫌な匂いを取ってくれる。これは素晴らしい商品だ。
はぁ、、部活でバレーボールをしていたかつての僕に教えてあげたいほどだ。
いいかい?高校生の部活のシューズってね、世紀末みたいなんだよ。
そしておまけに足の裏にも直接的に消臭剤を吹きかけるようにした。これで足の消臭対策はバッチリだ。
最後に、ウォン老師が一番大事にしていたこと。
それが除毛だ。
除毛なんてそんな恥ずかしいことできないわ、と最初は思っていた。でももう今の時代、男でも女でもムダ毛の処理は当たり前の時代。
ならばやらない手はなかった。
こうして、僕の腕はツルツルになったとさ。
②洗顔とスキンケア
「顔面の底上げは、幸せの底上げ。」ウォン老師は口癖のように常々そう言っていた。
だから僕は洗顔とスキンケアに力を入れた。
そして何を使うか迷ったら、まずは母が使っているものを使う。それが定石だ。
だが、しばらくこれらを使い続けたのだが、僕にはある問題があった。
顔面に蔓延る黒ずみ毛穴だ。奴らは知らぬ間に小鼻を牛耳り、顔面を暗い印象にしてしまう。
毛穴問題とは、難しい問題だ。
いたずらに寿命を伸ばした人類への皮肉かのように、歳をとる毎に毛穴は残念なものになってゆくという、、
ならば!手を打とうではないか。ウォン老師は、こうも言っていた。
「母を真似るは三流。妹を真似るは二流。主体的行動こそが一流。」であると。
素晴らしいお言葉だ。この時ばかりは、ウォン老師に一生ついていこうと思ったほどだ。
そうだ。いつまでも家族が使うものだけに頼っていては、主体性にかける。自分で調べて、毛穴問題を解決しようではないか。
そこでたどり着いたのが、「酵素洗顔」だった。
Obagiというすごい奴らがいて、僕は彼らの酵素洗顔パウダーを試してみることにした。
今では、おかげで少しずつ顔面が底上げされてきて、ニキビや吹き出物の類もほとんどなく、明るいトーンの肌を保持できている。
ふっはっはっは!!これで随分いい感じになったぞ。もうモテるんじゃないか?いけるんじゃないか?
③ファッションと髪型
「おいおい待たれよ、お主のファッションは中2か?」
これもウォン老師の愛あるお言葉だ。
僕のファッションへの認識の甘さを指摘してくれた。やはり本気で悪いことも、ちゃんと言ってくれる人って信頼できる。
そこで僕はファッションについて調べた。
まずはベンチマークとする人を決めよう。YouTubeを見て、1番かっこよくてかつシンプルな人を決めた。
げんじ先生だ。彼の言うことをまずは真似して、自分のファッションを変えていこうと思った。
彼の動画を参考にしてUNIQLOやGUなどでシンプル&リーズナブルな服を選び、まとめて買った。
これはいい。一気にモテそうになったぞ。ウヘヘ。
そして髪型を変えた。マッシュからセンターパートへと大変身だ。
もはやモテることしか考えていない。清々しいほどにモテたかったんだ。
世の男は、モテるために生きていると言っても過言ではないのではないか?
正直、仕事でお金を稼ぐのも、いい車に乗るのも、いい家を買うのも、全てはモテるためなんだ。きっと世界はそうできている。(暴論)
④筋トレ
「筋肉こそが、最強のソリューション」
これももちろん、ウォン老師の言葉だ。
だが、それが彼の最期の言葉だった。
彼はそう言い残し、一番弟子である僕の腕の中で、息をひきとったんだ。
僕は老師の言葉を心に刻み、そして何かが落ちないように上を向いた。
「老師、僕は絶対に細マッチョになってみせます。老師のためにも。絶対に諦めませんから、、、今まで、ありがとうございました。」
僕の視界は滲み、世界は淡く歪んでいた。
だがいつまでもクヨクヨなんかしていられなかった。
僕はすぐにプロテインとシェイカーを購入し、本格的な筋トレを始めた。
主に、腕立て、腹筋、背筋、上腕二頭筋、そして足腰と体幹だ。
僕はなるべくバランスよく筋肉がつくように気をつけて日々トレーニングをしている。
貧弱な僕にはなかなか厳しいメニューだが、山澤先生を信じてこれからも筋トレに励んでいこうと思う。
体に自信が持てれば、女の子と今よりもっと堂々と接することができるだろうし、何より自分の自信になる。
筋トレって、多分いいことずくしだ。
そして今日も僕はひとりトレーニングに励んでいる。
きっと天国からウォン老師が見守っていてくれている。そう想いながら。
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