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散文

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#現代詩

理由もなく ただ好きだと

理由もなく ただ好きだと

わたしがどんなにかっこよくふるまっても
かっこいいねってあなたは言わない

わたしがどんなにかわいい服を着ていても
かわいいねってあなたは言わない

ただ生きているだけでいいよって言ってくれる

わたしがどんなに優しい言葉を紡いでも
優しいねってあなたは言わない

わたしがどんなに立派なふりをしても
えらいねってあなたは言わない

ただ素敵な生き方だねって言ってくれる

あなたはかっこよくてかわい

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愛はいつも

愛はいつも

恋や夢に破れても

愛に破れることはない

愛はいつも叶うもの

わたしが信じているかぎり

決して裏切られはしない

愛はただ

独りでにほほ笑むものだから

わたしからあなたを憎むことは

永遠になく

わたしからあなたを失うことも

永遠にない

そう思うとこわくなかった

愛することも 孤独な日々も

ほほ笑んでいればこわくなかった

原始

原始

ただひとこと
許してくださいと言い残し
あなたは悲しすぎて鳥になった

わたしとあなたが
まだ白い小石だったころ
世界は静かで言葉もなく
つくりものめいたものはひとつもなかった

わたしとあなたが
まだ二輪の小花だったころ
風がすべてを渡らせて
あすを知りたがるひとはいなかった

あれから果てしない時間が流れ
切なく晴れわたった
初夏の静かな昼下がり

あなたの足が小石をプールへ蹴飛ばして
その指

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孤独な天使

2012年5月7日に、ぼくは自殺しました。そして目が覚めたら、ぼくは天使になっていたのです。いま、ぼくの背中には翼が生え、指の先まで内側から美しく光り輝いています。どうやらここは天国のようです。青空があり、心地のよい風があり、透明な太陽の輝きに満ち満ちています。朝があり、夜があり、もちろん美しい夕暮れもあります。ここにはみんながいます。両親や兄弟、友人や、大好きだったペットたち、あるいは、目も当て

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優しくなる

優しくなる

それでいいんだ

きみがどんどん大人になって

打算を覚えて ずる賢くなり

夢さえ忘れて 諦念を選び

無意味なことが

本当に無意味に思えても

それでいいんだ

もう素敵な詩が書けなくなっても

もう世界が青く見えなくても

あのころのきみの面影が

消えてなくなるわけじゃない

きみは優しくなるだけだ

なにもなかった孤独な世界を

はじめて照らした光のように

きみは優しくなるだけだ

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死にたいときは死にたいなりに

死にたいときは死にたいなりに

死のうと思って死ぬことができたら
あの人はほんものの人間だったんだって
だれかに認めてもらえるような気がしてた

小さなころから
ずっと前から

こんなに弱い人間だけど
これ以上はもう 強くなれない

だから天国で生きるんです

だれも悪くなかったあかしに
だれも恨んでなかったしるしに
死のうと思って死ぬことができたら
自分を許せるような気がしてた

「彼女は死んで幸せなんです」
「だから彼女はも

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希望

希望

希望を抱くことでしか
あたしには
世界と向き合う術がない

なにも終わらないでほしい

春も 夏も 秋も 冬も
なにも終わらないでほしい

満月も 新月も
雨の日も 晴れの日も
なにも終わらないでほしい

あの歌も あの映画も あの物語も
なにも終わらないでほしい

あまりにも多くの時間が
流れていってしまうから

あたしたちは
この一瞬のために息をして

はやくここへ来て

思い出になる前に

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今に帰りたい

今に帰りたい

秋がいちばん好きだなぁ

この空の輝き
この風の香り

目の前にある一瞬が
もうこんなにも懐かしい

一千年くらい先の未来から
今ここに回帰したくなるような

このとてつもなくせつない気持ち

泣きたくなるよ

もしかしたら

わたしは神様に
一生に一度の願いを叶えてもらい

一千年先の未来から
今ここに帰ってくるため

今朝 目を覚ましたのかもしれない

うん きっとそうだね

いつもそんな気

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ちからをかして

ちからをかして

あなたはいてくれるだけでいい

それだけで
ちからをかしてくれる

垣根越しにあなたと目があったとき
あなたの向こうに
大きな大きな世界がみえた

光にあふれたあたたかな世界

わたしはそこになじみたいと思った

あなたのなかに溶け込んで
大きな世界とひとつになろう

あなたはわたしの死でありいのち
かけがえのないひとつのひかり

いつかつよいちからにあなたが倒れ
なにもできなくなる日がくるとして

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告白

告白



あなたの正直なところに憧れていました

だけどあなたはいつの日か
その正直さと笑い声を交換した

自分を責めすぎるあまり
自ら罰を求めるあなた

まっすぐすぎるあまり
ほんの少しの限界や弱さも
ごまかすことができないあなた

でもそれはあなたの限界じゃない

人間の限界です

それはあなたの弱さじゃない

人間の弱さです

それは人間の愛すべき悲しい性なのに

みんなそうだからといって
あなた

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誰のなかにもあなたはいたんだ

誰のなかにもあなたはいたんだ



あなたへの愛に気がついたとき
海や風や花々や
通り過ぎゆく名前も知らない人々が
ぐんとわたしに近づいて
そしてあなただけが遠くなった

あれほど幸せを願ったあなたなのに
こんなに許すことができなくなってはじめて
あなたが泣く理由がわかったの

あなたはいつも突然に
壊れたように泣きだした

だけどそれは
ふいに泣きたくなるわけじゃなかったんだね

あなたはいつも
泣くのを我慢していたんだね

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幽霊

幽霊

こんな姿になってやっと気づいた

むなしさは

愛されることじゃなく

愛することで消えるのだと

✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼

ためしに絵を描いてみました。詩は筆を洗っているときにふと浮かんできたものです。

どんな事情があって幽霊になったかはわたしにもわかりませんが、所在なさげで悲しそうな後ろ姿になりました。幽霊にも夢と居場所があるといいなと思います。

関係ないですが、色々

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草原のコキア

春の草原に佇むあなたが
そのうららかな笑顔のうしろで少しずつ
生きる気力を失くしていたこと

わかっていたからわたしはあのとき
その草原に風を呼びました

あなたは風がひとつ吹いたことを
その頬に感じるだけでしょう

だけどその風は
わたしの精一杯の優しさなのです

だれもいない乾いた焼け野原を
わたしは知っているから

青空がめくれあがって剥がれ落ちると
そこから小さな火種がはいりこむ
ここをそ

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タイニーバード

タイニーバード

それは静かな朝だった

空も地面もしんとして
生きたもののざわめきもなく

景色は写真のように色褪せて

ふと立ち止まって
耳を澄まさずにはいられない

頬にあたる風に目を開けながらつぶやいた

今日のことを
ずっと前から知っていた気がする

くりかえし時間をめぐり
いつもこの日からはじめたこと

覚えているけどわからない

わからないことばかりなのに
悲しいくらいわかる

大事な何かを忘れている

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