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赤ん坊は風呂場で産まれた vol.5
助産所の風呂場の浴槽で産まれた赤ん坊。元気な男の子、ちょうど3000g。
助産師の渡辺さんが浴槽からすくい上げ、身体をやわらかなタオルで包んでくれた。
へとへとになった身体で浴槽にしばらく浸かったまま、脱力してしばらく動けなかった。
産まれた直後に安堵から涙と笑いが同時に溢れてくる。
「あぁーーーーーーーーーーーーーよかったぁ。産まれたぁ・・・」
わたしは、おうおう泣いた。
風呂場
赤ん坊は風呂場で産まれた vol.4
陣痛がきてから約30分後に助産所に到着。
キリキリと痛む陣痛に耐えながら、助産師の渡辺さんに支えられ、わたしはお産をする小さな和室に移動した。
いつも通り、清潔に整えられた布団がひと組、敷いてある。
ー ここで赤ん坊を生むんだな、よし・・・もう頑張るしかない ー
「ここは私たちに任せてちょうだい」そう夫に告げて、助産師の渡辺さんは献身的にわたしをサポートしてくれた。夫と長男はすぐ隣の部屋に
赤ん坊は風呂場で産まれた vol.3
出産予定日まで、あと2週間と迫った。
臨月のお腹はこれ以上ないくらいに膨れ上がり、まるで割れる寸前のパンパンに膨らんだ水風船のよう。もちろんずっしり重たい。
一人目で経験したはずのこの動きの鈍さは、二人目ともなれば年齢もその分重ねているわけで、足腰痛いし、さらに重たく感じた。
身体の変化は著しいが、心の変化も少しはあった。
こどもがひとりから、ふたりになるのだから、楽しみでもあるけれど生ま
赤ん坊は風呂場で産まれた vol.1
ちょうど1年前の春。
わたしは小さな助産所で赤ん坊を産んだ。
これが想像していたよりもはるかに素晴らしい体験だったので、命の誕生について、わたしの体験した世界を言葉にして残しておきたいと思う。
いま、テレビをつければ耳を塞ぎたくなるようなニュースがずらっと掲げられ、わたしは「この死にたくなるような日本はなんだ!」と腹が立ってくる。
なんのために生まれてきたのか。自ら死を選ぶために私たちはこ