マガジンのカバー画像

掌編小説、随筆

53
掌編小説と随筆をまとめています。
運営しているクリエイター

#エッセイ

苦手なスピ系の人

苦手なスピ系の人

 元気で弾けのあるスピ系の人が苦手だ。僕自身もスピ系に属している人間だけれども、僕はスピリチュアルに静けさを求めている節がある。そういう訳で元気で華やかなスピ系の人が苦手なのだ。

 何ヶ月か前に、やっとスピ系のお話が出来そうなお店が近所にあることを発見し、その瞑想会に行ってみた。瞑想は楽しかった。しかし、その後の会話が苦痛だった。周りが女性だらけなこともあり、話は大いに花を咲かせていた。そうして

もっとみる
最近のことを書くだけ

最近のことを書くだけ

 最近のことをつらつらと書いていきます。
 まず、何気ない日々が一番の幸せだと気づきました。些細なことに心を込めるということも学びました。それと、エナドリを飲むことを「命の前借り」と言うように、スマホ決済は「お金の前借り」だということに気づきました。

 「返って自分のためになる」という考えは無く、ただひたすらに奉仕の精神で、人のためになることをしたいと思っています。でも、僕は手元不如意です。体力

もっとみる
破壊の先に

破壊の先に

 病院に入院してからというもの、僕の心の内にはある文字たちが付き纏っていた。それらは僕の心を変えてしまった。「壊、亡、虚、滅、消」の五文字。

 その他にも「破壊」「崩壊」「滅亡」が僕へのキーワードとして取り巻いている。何かを壊したいという気持ち、何かしらの固定概念を壊したいという気持ちが大きくなっている。

 たぶん入院前に読んだ漫画からの影響がある。その漫画は、伊藤計劃のハーモニーをコミカライ

もっとみる

物書きの原稿用紙

 現代の物書きが原稿用紙を使って小説などを書くことは極めて少なくなったと思う。プロットまでは紙に書くが、下書きまたは初稿からはスマホやパソコンを使うという人がほとんどであろう。自身も詩を書く時にはスマホで直感的に書いている。スマホの便利な所といえば、すぐ書ける、書くのに難しい漢字をすぐ表記出来る、間違えたらすぐ消せる等々、便利ずくめである。現代よ、なんて素晴らしいんだ! と思いつつも、高級な原稿用

もっとみる
青い初恋

青い初恋

 初恋は忘れられないものである。
 高卒で清掃員として働き、一人で黙々と作業をしていた時のことである。その日は、初夏の清々しい空気が渡り、綺麗な青空が広がっていたのを記憶している。空き缶の回収をしていると、突然、声を掛けられたのだ。その人が言うには、自分も清掃員としてアルバイトをしているため、もし相談事があれば聞くとのことであった。最初はからかわれているだけだと考え、その人が去った後、会話で中断し

もっとみる

徒然を連れて 3

 神出鬼没のライターと化した三葉治です。

 今日は、仕事場の向日葵の水やりに行った時に、後脚を片方無くした茶色のバッタに出会いました。私は脚を無くした昆虫を見る度に「お前はいま何を思って生きているのか」と問うことがあります。脚が無くなって悲しいのか、痛いのか、それともなんとも思わず今日のご飯のことを考えているのかと。でも虫は当たり前のように答えません。私の存在を感じて警戒しながらじっとしているだ

もっとみる

徒然を連れて 2

 一昨日から日記を書き始めた。
 日記の中身には「もういやだ」とか「もう書けない」ばかりが目立つ。その他にも「もうやめたい」「嫌いだ」「ずっと寝ていたい」「疲れた」がある。これらは小説書きのことについてだ。

 日記にはすごい力がある。思ったことをそのまま書いても大丈夫。どんな文章でも受け入れてくれる。日記が大好きになりそうだ。日記ならいくらでも書ける。数えてみたが、一日に三十行近くは書いている。

もっとみる

徒然を連れて 1

 人付き合いをしていて、否、本当に人間関係があったかどうかさえも怪しくなり始めて、孤独を感じている今日この頃。いつものごとく布団の上で衾を被って寝転んでいる。土日はいつも予定は無く、特に暇な日だ。暇な時間に出来ることは山ほどあるが、やりたくない。そんな気分じゃないからだ。色んなことを後回しにしてごろ寝している。そんな生活。

 そういえば昨日にサプリメントを買ってきた。お金が底を尽きようとしており

もっとみる

小説の埋葬

 ある男はお茶を飲みながら考えていた。
 読まれない作品は何処へ行くのか。それは、きっと、ガラクタの山の一部となるのだろう。自分一人だけで作った山もあれば、人と一緒になって作った山もある。日の目を見ることも無く、埋もれていく。読まれない作品は誰の目にも触れることなく、作者の元で静かに埋葬されていく。
 彼の作品もそうであった。誰にも読まれることがなく、誰の目にも止まらず、悲しい思いに暮れる日々を過

もっとみる

晩秋の終わり

 山が粧いを始めた。そのうち黄落、錦の波となり、晩秋において有終の美を飾るだろう。地に落ちた葉は虫たちのための布団となる。私はそれを思うだけで心がほっとする。
 あと数日もすれば立冬になる。その手前となる今は、秋の終わりの一時である。楓や蔦は黄ばみ始め、橙から紅へと変わっていき、山々を鮮やかに彩って、何処かへ行かむとする者の足をさえも止める。近くに川があるならば、錦秋はその川をも色に染め、流れる紅

もっとみる

三葉治の自己紹介

 新緑が輝きを増し、梅の実が大きく膨らむ頃、「三葉治」は誕生した。

 とある文豪の名を冠するその人物は、散歩中に梅の木を見つけて、そうして想像の任せるままに、ある文章を書き始めた。それが初の掌編小説『青梅』である。

 当時、死にたがりだった自身の想いと、毒物でもある青梅を題材にして小説を書き上げた。その出来栄えは、初心者であるが故の稚拙な文章であったが、自分でも文章を書けるという新発見、文章を

もっとみる