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儲かる会社には理由がある~Amazonと任天堂とアイリスオーヤマと丸亀製麺の本を読んだ話

こんにちは、水無瀬です。長いけど短いゴールデンウィークが終わりまして、noteでもゴールデンウィーク総括を書くつもりでしたが、何を思ったかこの連休中にやたらと溜まっていた本をまとめて読んだので、今回はそのまとめを書きたいと思います。

あ、その前にゴールデンウィークにドはまりした動画を紹介したい。我が家で、いや私と次男「ちびた」の間で空前の大ヒット「強風オールバック」。令和史に残る名曲!みんなで歌おう!♪そっと出てみたら終わったわ♪

さて。突然ですが私、ブックオフが大好き。110円~220円コーナーで、掘り出し物ビジネス書を漁るのが楽しみです。

連休中はアプリ会員向けの本20%オフってセールをやっていて、おお神か・・・!と思いました。もちろんたくさん買いました経費で。副業ライターの仕事で役立つかもしれないからね、いやまじで。

どうしてもほしい本はAmazonで買うんですが、それでもわざわざブックオフや本屋に足を運ぶのは、そこに予期せぬ出会いがあるから。本屋は出会いの宝庫です。セレンディピティってやつですね。本はいい。マンガも小説も大好きだけど、役に立つか立たないか不明だけど知識欲を満たしてくれるビジネス書って本当に素晴らしいと思っています。賢くなった気がするの。という私の思いを具現化したかのような本を先日買ったので、ここでご紹介しておきます。すべては書店で買えるんだ!!

ということで、今日は最近私が知識欲を満たすために買って読んだ企業に関する本をご紹介します。当たり前だけれど、儲かる会社っていうのは一貫したセオリーや理念があって、それを経営者が率先して見える化しているんだなあってことがよくわかって面白かったです。よろしくお付き合いください。

LEGO~競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方

少し前にnoteで記事にしたので詳細は割愛。類似品を作られても、なお「レゴがいい」と思わせるためにはどうすればいいか、マインドセットや企業としての理念などを学べます。

LEGOマイクラには安価の類似品がたくさんあるんですが、高くても正規品がほしいなって思うんですよね。類似品はどこかちゃっちい。

それって、LEGOが企業としてちゃんとしたものを作っているという確たる信頼の証であり、同時にLEGOが単にブロックを売っている会社というだけでなく、ブロックを組み立てるという体験をパッケージで売っているという証でもあります。ブロックを組み立てた先にあるものが見える、だからレゴは素晴らしい。

アマゾンのすごいルール

アマゾンの従業員たちは、アマゾンで働いていることに誇りを感じており、自らを「アマゾニアン」と自称するそうです。というまえがきを読んで笑ってしまい、買おうと決めた本です。アマゾニアーーーン!

「ユーザーファースト」はGoogleが掲げる理念でもありますが、アマゾンは「Customers Rules!(お客様が決めるんだ!)」がルール。モノを売る企業にとってやはり優先すべき顧客であり、神様ではないにしても優先すべきものなんだなと思いました。

アマゾンは必ず1商品が1ページに収まっています。新品も中古も1ページで確認ができるこれは「シングルディテールページ」と呼ばれ、アマゾンが生み出した革新的なフォーマットなんだそうです。すべて1ページ内に表示されるからこそ、新品か中古か、高いか安いか、状態がどうか、それぞれの掛け合わせによって、自分に適した商品を選択できる自由を得た、選択肢が広がったということなのです。言われてみれば、楽天やYahoo!ショッピングは店舗ごとに商品が並んでいるけれど、それだと商品ごとの比較がしにくいもんね。あまりに当たり前に表示されていて凄さに気づかなかったけど、なるほどよく考えられているんですね。

任天堂~驚きを生む方程式

2009年の本なので少し古いですが、岩田社長が先導してWiiやNintendo DSでヒットを飛ばした背景や理念などを中心にまとめられたドキュメンタリーです。

プレステ、プレステ2に大きく敗北した経験をバネに、技術性能を上げるのではなく、使いやすさ、ソフトの参入のしやすさに目をつけた結果、生まれたのがWii、そしてDSでした。この部分、読んでいて非常にワクワクしましたね。新しいものってこういうふうに生まれるんだ!っていう発見です。

「子供がテレビゲームで遊んだ後、コントローラーが片付けられていないのを見て、お母さんがきーっとなっているとか、家には既に複数のゲーム機があって、お母さんはもう一台もいらないと思っているとか、とにかくゲーム機は邪魔に思われてきたんです。だから、家族の誰からも嫌われないようにしないと、ゲーム人口の拡大なんかできっこないというのが、まずありました」
お母さんは高性能に喜ばない。だから、技術を起点とする設計には意味がない。ではお母さんは何を嫌い、何に喜ぶのか。お母さんのご機嫌を起点とする発想が、Wiiを特徴づけていく。

引用元:第二章「DSとWii誕生秘話」

この発想から生まれたのがWiiリモコン。コントローラーではなく、あえてリモコンという形にこだわったのは、家庭で権力を握る(笑)お母さんのご機嫌を取るためだったというからユニークです。当たり前を覆し、どうやれば新しいゲーム体験を提供できるか。自らを徹底して「娯楽の会社」と位置づけている任天堂だからこそ、このアプローチができるのだと思います。

岩田の頭には、娯楽品は生活必需品とは違い、厳しい目にさらされている、という意識が強烈に植え付けられている。
「僕らは基本的にずっと役に立たないモノを作ってきました。役に立たないモノには人は我慢しない。説明書は読まない。わからなければ全部作り手のせい。ゲームソフトも、5分触ってわからなければ、これは『クソゲー』だと言われて終わりですから」
必需品であれば、必要に迫られて説明書を読んでくれる。使い勝手が悪くとも、多少は目をつむってくれる。でもゲームの場合は、そうはいかない。楽しんでいるときに不愉快になるような要素は許されない。だから任天堂は、気持ちよく遊んでもらうための努力を20年以上、積み重ねてきた。

引用元:第四章「笑顔創造企業の哲学」

なんて素晴らしい会社なんだろうかと、その一言に尽きます。ありがとう任天堂。

アイリスオーヤマ~一目瞭然の経営術

2012年の本なので内容は古いですが、おそらく「名前は知っているけどなんの会社なのかイマイチよくわからない会社NO.1」であろうアイリスオーヤマの企業理念や事業拡大の経緯をつづったビジネス書です。

ちなみにアイリスは最近、イケメン大好きな私が大好きなイケメン(?)吉沢亮くんがCMをやっていますね。イケメンは正義

アイリスオーヤマはもともと、プラスティック成形業を営む小さな町工場からスタートした企業なんだそうです。勝手に家電の会社だと思っていたが。ゴリゴリのモノづくり企業であるアイリスオーヤマだが、「モノづくりは手段であって目的ではない」。目的はあくまでも、消費者が感じるちょっとした不満や不安、不便を解消し、生活をより良くすることにあります。そのためであれば、LED電球でも植木鉢でも家電でも食料品でも、節操ないと言われても事業を拡大し、バージョンアップし続けるのがアイリスオーヤマ。ここまで振り切れるとある意味気持ちよくもあります。

読んで驚いたのは、LED市場を牽引したのがアイリスオーヤマだったという事実。少し前、私がまだ結婚したばかりのころ、LED電球は高級品でした。燃費がいいのは知っていても手軽に変える金額ではなく、仕方なくLED以外の商品を買っていました。それがいつの頃からか、LED電球の価格が急に下がり、手の届く価格帯に下がったのをよく覚えています。まさかあれがアイリスオーヤマの影響だったとは。ありがとうアイリス、我が家の照明は今やぜんぶLEDに変えられたよ!

アイリスオーヤマの工場は、繁忙期に備えて常に70%の稼働にとどめているんだそうです。「一番怖いのは、売り切れて欠品すること」と大山社長が言うように、いついかなるときでも品切れ・欠品をさせないという矜持があるからです。東日本大震災のときは、宮城のホームセンターで3/12からどこより早く店を開け、生活必需品を売り続けたんだとか。混乱のなかで地元の住民を救った原動力となったのは、企業の根幹に根付く理念にあったんですね。

丸亀製麺はなぜ一位になれたのか?

みんな大好き丸亀製麺。運営しているのは株式会社トリドールホールディングスというところです。恥ずかしながら、その名前を知りませんでした私。炭火焼鳥のとりどーる、焼きそば専門店の長田本庄軒、ハワイアンパンケーキのコナズ珈琲などを手掛けているそうです。

丸亀製麺の理念は、徹底して非効率な「キッチンへのこだわり」にあります。客の回転率を上げたければ、キッチンの面積を減らして客席を広げようと考えるのが普通です。でも丸亀製麺は、できたてにこだわるからこそキッチンの面積は変えない。非効率と言われても、「これが丸亀製麺の強み」ということを主張し続けた結果、多くの人に支持されることになったというわけです。

キッチンは広いままだけど、客にマイナスと思われる部分は徹底的に効率化する、これも丸亀製麺の柔軟さの現れです。そのわかりやすい例が、国内で一番売れている羽田空港店で「お客様がお席につくまでの歩数を減らすこと」でした。「席についてからお店を出るまで100歩歩くとして、これを70歩にすれば店全体の回転率を上げられる」というわけです。歩数ってまた小さなところに目をつけたなあと思いますが、これが功を奏して売上が2倍に伸びたというから驚きです。地道な努力って馬鹿にならないですね。

積み残し

まだ書きたい本があったのだけど、思ったより長くなってしまったので中断。任天堂に熱くなりすぎてしまった。そのうち続きを書く予定です。次回以降のラインナップはこちら。

  • スノーピーク「好きなことだけ!」を仕事にする経営術

  • なぜ、コメダ珈琲はいつも行列なのか?

  • 600万人の女声に支持される「クックパッド」というビジネス

  • ワークマンはなぜ2倍売れたのか?

  • Makuake式「売れる」の新法則

  • ANKER~爆発的成長を続ける新時代のメーカー

GAFAMについてはそれぞれでセオリーや理念を知りたいし、日本でも大手さんのものはさらっとでも読みたい。おすすめの本などがあれば、ぜひコメントで教えてください。

結び

世の中でヒットするモノやコトには何らかの理由があって、でもあまりにも自然で当たり前なことが多いから、なぜヒットしたのか気づけないことが多いもの。業績がいい企業はそこをしっかり押さえたうえで、トレンドとなる施策を講じているっていうのがすごいなあって思います。そういう審美眼が私にもあれば、人生はもっと違っていたのかもしれない。いや別に自分の人生に後悔があるわけではないけれどね。今、ジャストナウ、自分の会社でもっとも必要なことが何か、なにをすべきかをちゃんとトップ陣が的確に把握していて、さらにその理念や理想を下の層にまで伝えられる環境があってこそ成り立っているんですよね。良いことばかりではもちろんないんだろうけど、そういう企業それぞれの体質や考え方を知ることって、自分の人生をより豊かに出来る気がします。だからもっと読みたい。これからもたくさんの本と出会って、さまざまな体験を得たいと思いました。


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