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知恵

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この知恵はゲットしておきたい。もう一度見返したい。そんな記事を集めました。
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2024年4月の記事一覧

ヤスパースと仏像

ヤスパースが仏像を称賛してるとは知りませんでした。

偶像としての仏像ではないはず。
ヤスパースは聖書や預言といった明示的な神の言葉を疑はしく思ふ哲学者だから。

「神性は暗号の中に示現、あらはれるが、しかも隠れたままである。」
(『臨床哲学』加藤敏より孫引き)

このヤスパースの言葉は、なにもののおはしますかはしらねども、の歌と同じことを言ってるとわたしは思ひました。

絶対的存在は、相対的存在

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現代詩の根本問題について

現代詩の根本問題について

詩に「現代」と銘うつことは、詩人の責任問題でなければなりません。それほど複雑怪奇な発展をとげたものが、世に罷り通る「現代詩」なのです。ここでは現代詩の定義として、「現代詩とは現代人の内外の生活を知性と感性で高度に圧縮して、新しい世界の意味を伝える短文芸である」とでも申しておきましょう。

「詩」という時、一般の人々に浮かんでくるのは藤村であり、白秋であり、またカアルブッセの「山のあなたの空遠く」な

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笑い、滴り、粧い、眠る、山の声を聞け

笑い、滴り、粧い、眠る、山の声を聞け

日本列島に春が訪れた。
四季がある嬉しさ。

山が笑っている。

微笑む山、くすくす笑いの山、笑顔の山、
機嫌良く笑う山、爆笑する山、楽しそう。

天然林、照葉樹林、落葉樹林、針葉樹林、混成林、
それぞれの表情が違う。下草もいろいろ。
自然の色彩は美しい。

しかし最近は苦笑いする山、泣き笑いする山、
震災や火災に遭って、また林道を通した結果、
山崩れを起こして、
「幸せでない山」も見かけるが。

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何も言わないでおく

何も言わないでおく

 今回は「簡単に引用できる短い言葉やフレーズほど輝いて見える」という話をします。内容的には、「有名は無数、無名は有数」という記事の続編です。

 前回の「名づける」の補足記事でもあります。

*「「神」という言葉を使わないで、神を書いてみないか?」

 学生時代の話ですが、純文学をやるんだと意気込んでいる同じ学科の人から、純文学の定義を聞かされたことがありました。

 ずいぶん硬直した考えの持ち主

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名づける

名づける

 前回に引きつづき、今回も、蓮實重彥の『フーコー・ドゥルーズ・デリダ』の読書感想文です。

 引用にさいしては、蓮實重彥著『フーコー・ドゥルーズ・デリダ』(河出文庫)を使用していますが、この著作は講談社文芸文庫でも読めます。

*あとで名づける、とりあえず名づける

 蓮實重彥の『フーコー・ドゥルーズ・デリダ』を読んでいると、「名づける」、「命名する」、「名」という言葉が目につきます。目につく箇所

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