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フードエッセイ• SUGER & SPICE

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9年住んだタイ、今住んでいるマレーシア、旅や出張で訪れたベトナム、インド、シンガポールなどの食と人間模様と歴史と
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#フードエッセイ

ポルトガルで生まれ、アジアに根づいたスイーツの歴史

ポルトガルで生まれ、アジアに根づいたスイーツの歴史

「サクサクのパイ生地につつまれたとろけんばかりのカスタードがたまらんわ」

ここはクアラルンプール。風が激しく吹き荒れ、スコールが降ってきた。

近くにあったポルトガル料理のカフェバーで雨宿り。雨を眺めながら、わたしと妻は、エッグタルトをほおばっていた。

日本でも、一時期はやったポルトガル発祥のスイーツは、マレーシアにかぎらず東南アジアでも以前として、大人気だ。というより、暮らしの中にがっちり入

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斬新なのになつかしい。かばん屋から転身したタイ料理店

斬新なのになつかしい。かばん屋から転身したタイ料理店

「こんな、食材の組み合わせってありなんや!」

食に保守的なタイ人が、こぞって通う革新的なタイ料理店があると聞いて、友人と行ってみた。

5年前に一号店がオープンしてから、口コミで広まった人気は、衰えしらず。今や、バンコク市内に8店舗をかまえる。

アメリカや日本からも声がかかっている勢いのある店だ。

その店の名前は、Phed Phed

タイ語で、辛いを意味する。その名のとおり、スパイシーな東

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タイらしいホスピタリティ。なごんだひととき

タイらしいホスピタリティ。なごんだひととき

BBQの店、定休日やったわ。場所決まったら、またら連絡する。

タイ人の友人から電話がかかってきた。

日が沈んだにもかかわらず、うなだるような暑さと渋滞。わたしは、バイクタクシーで待ち合わせ場所に向かっていた。

無秩序に入り乱れる車。そのすきまに、車体をねじ込むバイクタクシー。それでも、なかなか進まない。

渋滞と暑さで、頭がどうにかなりそうだ。

しばらくするメッセージが届いた。どうやらホテ

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学生も政治家もみんなとりこ!バンコクの昔ながらの中華麺

学生も政治家もみんなとりこ!バンコクの昔ながらの中華麺

やっぱり、あの店しかないよね。

プロイさんとオーさんは、互いの顔を見合わせてそう言った。

友人にさそわれて、パーティに参加した。知らない人ばかりのパーティでいささか緊張したが、優しいご夫婦からおいしいヌードル屋を教えてもらい緊張の糸がほどけた。

人見知りな私は、初対面の人たちと何を話そうかこまっていた。そうすると、友人がいきなり、タイのヌードル、すなわちクイッティアオについて話しはじめた。

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ちくわのグリーンカレーと大阪のタイ人

ちくわのグリーンカレーと大阪のタイ人


えっ、グリーンカレーにちくわはありなん?

本場のタイ料理が食べられると思っていたわたしは、がっつり日本の食材が入った、なんちゃってタイ料理にがっかりしたのだった。

さかのぼること20年前。わたしは、大阪は堺市にあるとあるタイ人の家にお邪魔していた。

その方の名前は、ヤイさん。友人のタイ語の先生であった。当時、わたしは、大学のフィールドワークで、在阪のタイ人の暮らしを調査していたのだ。

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近所のインド料理屋でカレーとロティの相性を教えてもろた

近所のインド料理屋でカレーとロティの相性を教えてもろた

カレーとロティにも、相性があるんだよ。

店員さんにそういわれて、ちょっとビックリした。
カレーだったらなんでも合うと思っていたからだ。

つい先日、
インドの旅が急遽、キャンセルになった。

仕事がはいってしまい、5年ぶりのインドも、泣く泣くキャンセル。

行けないとなると、ますます行きたくなるのが、人間の性。仕方ないので、あることを思いついた。

---- 近所のリトルインディアへいこう!

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ホーチミンのニセモノとホンモノのカニ料理店

ホーチミンのニセモノとホンモノのカニ料理店

ホーチミン1区の名店
「俺らが通っていた店の方がニセモノやったん?」

5年以上通っていた店がニセモノだと分かって、空いた口がふさがらなかった

ホーチミンへ行く度に、かならず立ち寄る店がある
1区のはずれにあるその店は、いつも地元の人で大賑わい

日本人も、タイ人も、フィリピン人の友達もみんなその店が大好き。わたしの仲間内では、ちょっとした話題の店なのだ

カニの身がたっぷりはいったアツアツの春

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友情のガパオライス

友情のガパオライス

アクシデントの朝「あのね、薬物所持の疑いで警察に捕まったんだ」

まだ、辺りは暗いというのに、枕元の携帯電話が鳴り響いていた。タイ人の友人であるココから電話がかかってきて、飛び起きた

その日、ポーランド帰りのソムチャイを空港に迎えに行って、モーニングをしようと約束していた

お互い仕事が忙しくて、なかなか会う暇もなく、全員が揃うのは、仕事がはじまる朝の束の間だけだった

寝ぼけていたので、何が何

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