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公園で待っていた雪ダルマ
30年近く前から、週末に20年続けた「子ども会」は年中無休でやっていた。ある年、正月に東京では珍しい大雪。ひざまで積もり、まだ降りやまない。人も車も、姿はまばらだ。
「さすがに、こんな日には、誰も来ないだろう」家でこたつにくるまっているが、なんだか胸騒ぎがする。エスキモーのようなダウンを着こみ、公園に行った。だだっ広い一面が白銀の世界。
遠い向こうにぽつんと「雪だるま」が2つ。「やっぱり
イクメンより、イキメン
イクメンの増加は、良いことだと思う。しかし、あえて突き放した言い方をすれば、自分の子どもを育てるのは当たり前だ。
父親ペンギンは、母親ペンギンがエサをとってくる間、吹き荒れるブリザードの中、数ヶ月もの間、じっと身じろぎせずに卵を温め続ける。動物だって、頑張っているのだから、人間が自分の子どもの世話だけで満足してはいけないのではないか。いま地域の子育て支援を担っているのは、主に女性だ。子育てN
サラリーマン プー太郎
私は、初めて仕事で会う人から、ほぼ100%の確率で「あれ!今日は出張ですか?」と訊かれる。その理由は、いつも巨大なキャリーバッグを持ち歩いているからだ。
20年近く前から、「いつでも、どこでもオフィス」を追求してきた。皆さん、「いったい何が入っているの?」と聞いてくる。私が、「家財道具一式です」と答えてツッコミを待っていると、「なるほど」と納得されてしまうのは、ちょっとつらい。
必要な書
惨事 おむつバラマキ事件
私は妻と交代で、息子たちの保育園の送迎をしてきたので、巨大キャリーバッグには、保育園の送迎グッズも入れている。送迎をすると、ちょうどラッシュアワーから外れることになり、巨大キャリーバッグで電車に乗り込むうえで好都合だ。
以前、クライアントとの打ち合わせに遅れそうになり、キャリーを引きずって走っていたら、うっかり段差に気づかずに、キャリーごと転んでしまったことがある。
ゴロゴロゴロ―、ドシ
『三丁目の夕日』シンドローム
「職場より家族に評価されたい」、「上司より顧客に評価されたい」、「会社より社会に評価されたい」そう考えている私は、給料は下がったものの、2回転職した。
20数年前、最初の職場は、朝、部の掲示板に「部内会議、午前2時スタート」と書いてあるような長時間労働職場だった。男性上司や先輩の大半は片働きで、過多働きだった。心底、嫌気がさして辞めた際に、失業も経験した。妻に養ってもらい、今も感謝している。別
業務効率化とスローライフは1セット
人口減少社会では、一人あたりの業務量は確実に増えていく。すべての人が上りのエスカレータにたたずんでいるようなもので、少しでも足を止めてしまえば、あっという間にやるべきことが積もっていく。たえず業務改善を工夫する姿勢は、今後は誰にでも必須のスキルになるはずだ。
私は職場でよくタイマーを使っている。例えば、私が上級研究員や部長職を務めていた頃、部内ミーティングで、業務報告を1分、3分、5分でやっ
制約社員とは、成功が約束された社員
仕事と家庭を両立するうえで大切なのは、子どもや親にはペースを合わせる一方で、常に仕事や家事の効率化を考える姿勢だ。私は2回の育休体験を経て、マルチジョブをこなす能力も高まった。
夕方、保育園の迎えに間に合うように仕事を終え、子どもたちとともに父の介護のために実家へ行く中で実感しているのが、時間管理の大切さだ。
仕事で培った能力は育児や介護にも生かせる。赤ん坊は「リスクの塊」であり、見守っ
ワークワークで、ワクワク上司
私が「ワークライフバランス(仕事と生活の調和、WLB)の研究に取り組みたい」と会社に申し出たのは今から30年近く前、入社2年目だった。当時の上司は鼻で笑った。「おまえ、バカだなぁ。日本企業はワークワークで大成功をおさめてきたんだ。WLBなんてやるわけないだろう。欧米企業は…とおまえは言うが、だから欧米はダメになったんだ。何がWLBだ。俺なんか、ワークワークでわくわくしちゃうぞ、ワッハッハ!」
介護は、「騎馬戦」で乗りこえる
介護は肩車ではなく、騎馬戦で乗りこえるのがポイントだ。一人で両肩に背負うと身動きがとれないし、共倒れというリスクもある。真ん中の心棒になる人の他に、両サイドに協力者がいると心強い。
介護をしていない人は、よくケアマネジャーやホームヘルパーが心棒になってくれると勘違いしやすいが、彼らは介護のプロだが家族のプロではない。心棒役は家族がやるしかないが、親族や介護のプロの力も借りつつ、時々心棒役を代
グチから生まれる「絆」
最初の育休時、私は頭の中がビジネスモード全開なまま、いきなり地域社会に突入した。たいていそういう男性は失敗をやらかすのだが、私も大失敗した。
ある時、公園でママたちと輪になって話していると、あるママが延々と愚痴った。「夫は仕事、仕事で毎日、深夜にならないと帰ってこない。ほんとうに仕事をしているのかしら。もしかしたら女を作ったんじゃないかしら…。あぁ、私は一体、どうしたらいいんでしょう?」今に