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適切な利益水準について ~ 利益を追い求めすぎることの弊害
バブル崩壊以降、企業ガバナンス改革の一環で、日本企業の経営者も株価だったり、利益だったりの成果で報酬が得られるようになってきました。株価が上昇することでのストックオプションだったり、報酬委員会で事前設定した目標の達成度合いに応じた賞与が出る、などです。
これはこれで、お手盛りでなく報酬を決めていくためには必要な制度ではあると思うのですが、多くの場合、短期的な成果が経営者の報酬を増やすレバーになっ
仕事のことを考え続ける
仕事が終わったら、仕事のことを考えない。オンとオフを切り分ける。
そういう考え方がある一方で、24時間365日仕事のことを考え続ける、そんな人もいます。
昔、健康診断で医師と面談していた時に、日産社長(当時)のカルロスゴーンは定時で仕事を切り上げて、そのあとは仕事のことを考えない、と医者から言われました。あなたは、そういうオンオフの切り替えができないからストレスが溜まっていて、それが体調にでてい
蝉時雨も暑すぎると止まる夏
猛暑続きで寝苦しい夜が続いている中で本文を書いています。
あまり暑いと蝉も鳴くのをやめ、昼の一番暑い時間はただただ太陽がジリジリと照っているだけですが、夜も夜で寝苦しい日が続きます。
暑い夏の夜を迎えるといつも思い出すのが、和歌山で働いていた2011年の夏。東日本大震災があって、次第に原発が止まっていく、そんな時期のことです。当時、住んでいた築古の和歌山城近くのライオンズマンションですが、私は冷
職業選択の自由、成功する自由、失敗する自由
退職の申し出や、相談をされた時にいつも思うのは、私ほど転職してきた人間が、他人の転職を止める権利はないということ。職業選択の自由、というのは日本国憲法にもうたわれる、国民の権利であり、それを侵害していいはずはないということ。だから、基本的には私自身は引き留めの交渉はしません。例外はあって、転職がその人自身にとって良いものと思えない場合、引き留めというか、こちらの考えを伝えます。会社がその個人に期待
もっとみる会議をやれば自動的に解決策が出てくる、なんてことにはなっていない
会議の目的はいろいろとあります。実際に、月次で状況の報告を受けるだけの会議というのはありますし、その必要性も感じていますが、ここでお話ししたいのは、課題の解決のための会議です。仕事で何かのプロジェクトや活動が行き詰まった時、関係者を集めて会議をやるのはよく見かける光景です。
こうした会議をやること自体の効用は確かにあって、問題がなんなのか、どうして行き詰まってしまっているのかの整理と合意ができる
静かな退職 vs 燃える組織
最近、「静かな退職」という言葉を目にする機会が増えました。
以下のリンクでは、「「静かな退職」とは、仕事にやりがいを求めず、まるで退職したかのように淡々と業務をこなす働き方を指します。」という説明がなされています。
https://smarthr.jp/webresources/ebook_160-10
個人的に感じるのは、これは個人の防衛本能としてはかなり適切だと思うということ。頑張ってやっ
フィードバック文化の醸成に向けて 〜 日常的なフィードバック量の増加
何回か続けてフィードバックについて書いている気がします。体系的には三村さんのフィードバック大全を読んでもらうのがいいと思うので、リンク貼っときます。
この本の構成ですが、フィードバックの与え方、与えてもらい方の技術について書いた上で、それをどうやったら企業に仕組みとして定着させていくかの工夫が書いてあります。本当に体系的にカバーされたいい本です。
この本を自分の会社の課長に読んでもらったんです
「しつこくフォロー」~ 指示をやりきらせるためには
前回書いた上の記事の最後に、「しつこくフォロー」と書きましたが、なんかとってつけたオマケのようになってしまっていたので、もう少し書いてみたいと思います。
年を取るにしたがって記憶力は低下していきます。また、経営の中枢に近づくに従って、インプットの情報量は増加していきます。だから、経営者というのは物事を覚えられず、どんどん忘れていくものだと思っています。これは言ってみれば、あきらめであり、開き直り
「指示は出しているのに部下がやってくれない」と嘆く管理職が考えるべきこと
管理職の社員に対して「~の件、ちゃんとこちらの指示通りに組織が動けているか」ということを問うたときに、管理職から「やるように指示しているんですけど、部下がなかなかやってくれないんですよ」という答えが返ってくることがあります。自分はやろうとしているが、結果がついてきていない、という言い訳で、「こりゃだめだ」と一瞬で確信させる回答です。こういう答えが来るということは、残念ながらこの管理職は部下に対して
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