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Amu
2024年7月14日 12:31
「かの國」伸ばした指さきすり抜けゆく風の影追い果てたどるや薄紅の微睡みに抱かれて健やかであれ唄い流れる水の音懐かしさに類義した温もり愛しさと名付けて
2024年6月25日 13:31
「風と共に」影ゆらし離れてく渡し舟見つめる瞳の虚ろに溶けてゆく霞みな岸辺はいつかの浜辺まちがい探しなどしなくてもいい荒れ狂う波から逸らさずに限りを尽くして睨んでこそのあの、水の境の美しさ聴こゆ風と添い寝する海鳥のように
2024年6月13日 13:49
「根なし草の幽鬱」弧をかく落ち葉の憂鬱しらず水面じゃアメンボが影踏み遊ぶ根なし草の想い出いくつ指折りかぞえて言葉があまる明日は天気になるのだろうか……遠くに映る名もなき丘には名もなき風が吹いていた
2024年6月11日 18:25
「君は知っていた」小さな笑い声と涙たちが長い時をかけひとつの物語になるあの日、君と出会った姿で僕はひとりこの街へと帰ってきた朽ち果てた換気扇の下脳裏に転がる路地裏の風ピン刺したポイントを指でなぞると妙に全てのことが腑に落ちた君が託した願いの意味と僕を待たずしてこの街を去った理由あの頃と同じ空に手をのばす独り、此処から……