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#週刊アミスマス

ご自愛ください

ご自愛ください

乱れている。

自律神経とか、生活リズムとか、情緒とか、胃の調子とか、なにもかもが、乱れている。

自己管理不足。
高校の部活を体調不良で休むとき、必ず連絡LINEの文面に「自己管理不足で申し訳ございません。以後気をつけるようにします。」と書いていた。

そう反省をしてから気づけば10年くらい経つけれど、いまだに全然管理ができていない。

昼夜逆転の生活を1週間くらいダラダラ引きずる。気づいたら食

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夏のベタベタ

夏のベタベタ

野菜が食べられれようになって、ビールが飲めるようになってから夏が好きになった。

小さい頃の夏休みの記憶を引きずっていて、夏がはじまるとなんとなく「なにかしないと」という衝動に駆られる。

人混みの中花火をみたり、炎天下の中BBQをしたり。長い休みをとって旅行に行ったり。

夏を「楽しまなければいけない」という暑苦しくてベタベタした義務感が、なんとなくずっと苦手だった。

小学生の夏休みを思い返し

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プレゼント

プレゼント

「自分が他人からどう思われているか」に、ものすごく関心が強い。

噂話は良くも悪くも耳をダンボにして聞いてしまうし、「ア ミならこうすると思ったよ」とか「ア ミらしいよね」などと自分へ理解を示してくれるとものすごく嬉しい。「〇〇さんがア ミのこと褒めてたよ」なんてことがあればそれだけで1日中ニマニマしてしまう。

他人から少しでも関心の矢印を向けられることが、嬉しい。心の奥底に眠る「かまってちゃん

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徒歩15分

徒歩15分

自転車がパンクした。

ここ数週間、自転車という手段を失われた私は、どこに行くにもひたすら歩くしかない。

今住む実家から、最寄りの駅まできっかり徒歩15分かかる。

いつもは自転車で駅まで向かうことが多いが、今は徒歩しか術がないので、ひたすら大人しく15分で歩く。

何度ここを歩いて、自転車で走って、
何度この「徒歩15分」の距離を恨んだろうか。

小学校に通うために毎朝友達と「同じ電車に乗ろう

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因縁の納豆ごはん

因縁の納豆ごはん

幼稚園児の頃、「今日は朝ごはんなに食べましたか?」と尋ねられると必ず「納豆ごはん」と答えていたらしい。

この質問を見越して母親がどれだけ手間をかけて、パンや卵や焼魚を食べさせても、私はそれをすべて「納豆ごはん」にしてしまう。

そのくらい、納豆ごはんが好きだった。口の周りをベタベタにして、毎日たくさん食べた。

なにより「今朝なに食べたっけ?」という思考を働かせず即答できる。私にとって「納豆ごは

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ふわふわのトラ

ふわふわのトラ

3年前から、トラといっしょに住んでいる。

名前はまだない。トラはトラである。

渋谷のIKEAにいたなかでいちばん愛らしい子を連れて帰り、それ以来私のベッドに毎日寝転び続けている。

ずっと無表情で、優しい目をしていて、ふわふわで、私のお腹を温めてくれる。

そして、なにより、どんな私でも受け入れてくれる。味方になってくれる。

「最後まで、絶対に自分の味方でいてくれるのは自分自身しかいない。」

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枯れたツツジ

枯れたツツジ

5月の頭のゆったりした日々が終わり、
近所にたくさん咲いていたツツジが全部枯れた。

あんなに力強いピンク色で咲き誇っていたのに、枯れたら萎れて茶色くてなんか汚い。

桜の木もそうだ。
満開で綺麗なタイミングはほんの数日で、すぐ緑が混じる。先月まであんなに輝いていたのに、もう5月になれば静かに佇む爽やかな緑の葉の木でしかない。

花が咲けばみんな外に出て、綺麗なものを一目見るためにワアっと集まる。

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映画館

映画館

映画館って何度行ってもわくわくする。

今、映画館で私の人生を大きく変えた映画が公開されている。

「ソウルフル・ワールド」
コロナ禍と配信ブームで映画館での公開がほぼできず、"隠れた"名作となってしまった作品。

私はこの作品にものすごく影響を受けた。

毎日ちょっとしたごきげんを楽しみにしているのも、晴れている空と日向ぼっこが好きなのも、美味しいものを大切に食べたいのも、ぜんぶこの映画のせいだ

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ぐるぐる

ぐるぐる

同じことを繰り返す、ことに人より抵抗がない。

ずっと同じ音楽を聴き続ける人は鬱になりやすい、と聞いたことがある。もしそれが本当なのであれば私は鬱まっしぐらだ。(こんなに元気なのに)

映画も、本も、気にいるとたまに見返したくなって、同じ作品を何度も繰り返しみる。

ミュージカルも何度も観て、何度も同じタイミングでぼろぼろ泣く。なにが起こるかもどこで歌い出すかも全部わかるのに幕が開く前から泣き出し

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4月1日

4月1日

きらいすぎる。
4月1日、きらい。

まず春がきらい。
だって花粉がたくさん飛んでる。
私の鼻は発作を起こし、
ものすごい量のティッシュが犠牲になる。

新生活ってのがきらい。
だってどうやってもがんばりすぎちゃう。
「がんばれ」なんて言われなくても
自然に力が入っちゃって、結局空回りになる。
新学期気合いを入れて綺麗に使っていた教科書は5月になればボロボロになるし、大学入学して最初の方の自分の服

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しあわせバター

しあわせバター

朝8:00目覚ましが鳴る。
朝が弱いので、毎日2台のスマホが同時に最大音量で鳴るように設定されている。聞き慣れた曲のイントロが大音量でけたたましく流れる。

憂鬱な気分で2つのアラームを止める。

はあ、また朝が来てしまった。
また憂鬱な1日がはじまる。気が重い。
とりあえずスヌーズを信じて布団に戻る。

ん?ちょっと待てよ?

今日は土曜日ではなかったか?

しかも、なにも予定もない。
さらには

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うるうる年

うるうる年

2024年2月29日、
2020年2月29日の私からメールが届いた。

「PRESENT4229」というプロジェクトを知って、バイト先の休憩室で文章を綴ったことをふと思い出す。

たしかあの日は、行くはずだった劇団四季も星野源のライブも中止になって、おとなしく倉庫でスマホ除菌機の梱包に追われていた日だった。

目の前が真っ白(黒というよりは白)になって、どうにか世の中についていくことしかできなくて

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ひとみしり

ひとみしり

観葉植物を育てはじめた。

栃木で買った大谷石の植木鉢に入った、小さな多肉植物だ。
大谷資料館に行ったら絶対買おうと決めていたので、念願叶って、ものすごく嬉しい。

ただ、なにかを「育てる」という行為に不慣れすぎるがあまり、植物との距離感がわからない。

植物に水をあげるのは小学生のアサガオ以来のような気がするし、人間以外の生き物を気にしながら生活するのはたまごっち以来だと思う。

しかも、サボテ

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心づかい

心づかい

大阪駅のお土産屋さんでクッキーを買った。

「袋いらないです」って言ったら、レジのおばさんに「ミニオンの袋だけどいいんですか?!」って言われた。

まだまだ優しい世界だ。