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【短歌】若い恋 三首、その二
恋心
告られ困る
恥ずかしや
作法も分からぬ
恋の駆け引き
解説
突然告げられた恋心。こちらも恥ずかしくてたまらない。どう答えていいのかも分からい少年の困惑感を思い出す。そんな経験を重ねながらやがて恋の作法を少しずつ覚えていくのだ。分からくてもしょうがない。大丈夫、上手く立ち回ることだけが正解じゃないからとその頃の僕に伝えたい。
【短歌】若い恋 三首、その一
通学路
遠目に揺れる
ポニーテール
駆け出す心音(しんおん)
何故か赤らむ
解説
通学路に気になる女の子のポニーテールが揺れるのが見えるだけで、心は揺れ心臓の音は早く鼓動し、何故か僕の顔も上気して赤らんでしまう。少年時代のその一瞬の光景が今も脳裏によみがえる。少女の顔も思い出せないが、その時の自分の反応に驚く自分自身の気持ちは忘れないのだ。
【短歌】思春期 三首、その一
苛立ちが
何か分からぬ
戸惑いに
歯ブラシを手に
鏡みつめる
解説
何故かわからぬ苛立ちに、自分自身が戸惑い不安を感じた思春期のあの頃、イライラすると、闇雲に歯を磨いてスッキリするのが好きだった。その癖は今も同じ。歯を磨く時に自分の顔を鏡の中に見て僕は何を考えていたのだろうか。