『魂果』

あの日、悪魔に魂を売った。

念願の子供を授かったが、産まれる直前に、

流産しそうになった。頑張る妻をよそに、

男は無力だ。何も出来ない。だから願った。

「俺の寿命を減らして、子供を救ってくれ」

耳元で、無感情に乾いた声が聞こえた。

「二十歳。それを見届ける迄の命でいいか?」

何度も頷いた。そして、子供は産まれた。

あれから18年。健康診断で病魔が見つかった。

約束したからな。ずっと覚悟は出来てるぞ。


#10行 #ショートストーリー #ショートショート #超短編 #短編 #短編小説 #小説 #詩 #現代詩 #人生 #家族 #親子 #父親 #子供 #子ども #出産 #流産 #悪魔 #魂 #夫 #妻 #男 #無力 #願い #願う #寿命 #救う #耳元 #無感情 #二十歳 #命 #見届ける #健康診断 #病魔 #病気 #約束 #覚悟 #期限 #運命 #魂果 #スキしてみて

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?