『愛忘』
「母さん!母さん!しっかりして!」
「ママ、まだ逝っちゃだめ。いかないで!」
愛する子供達が泣いている。病室に声が響く。
でも、もう声を出す力も残っていない。
「こんな時に、父さん何してんだよ!」
いいのよ。あの人は、そういう人だから。
「ごめん。遅くなった」飄々と現れ、こんな時に
世間話を始める夫。強く握る手は震えている。
先に逝ってごめんね。ずっと愛してるから。
「うん、俺も愛してる。それだけは忘れるな」
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