Akira Someya

編集やデザインをやってます。 埼玉県草加市のタウン誌「草生人」を夫婦で作ってましたが、…

Akira Someya

編集やデザインをやってます。 埼玉県草加市のタウン誌「草生人」を夫婦で作ってましたが、今休刊してます。 PIGGSやももいろクローバーZが大好きで熱く聴いています。 子供たちに混じって和太鼓やってます。 ブログ:https://jitsuni.hatenablog.com/

記事一覧

『キリエのうた』のイッコを思うと悲しい。

映画『キリエのうた』を映画館で2回観たが、そのときはキリエ(ルカ:アイナ・ジ・エンド)にぶちのめされた。 こないだBlu-ray Discで観たときはイッコ(広澤真緒里:広瀬…

Akira Someya
3週間前
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臨機応変なオレオレ詐欺師

詐欺師「もしもし、オレだけど」 受けた人「あらボク ? どうしたの?」 詐欺師「うんボクだよ。あのね……」 受けた人「さてはおぬしか!」 詐欺師「あ……、ああ、ワシじゃ!…

Akira Someya
2か月前
2

やっぱり来年も使います

昨日、近所の神社の境内で「どんと焼き」という正月の飾り類を燃やす行事があったので、うっかり2、3年ため込んでいた正月のしめ飾りとしめ縄を持ち込んで、燃やしてもら…

Akira Someya
7か月前
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感じる必要のないやましさ

喫茶店で友人と会話していたら、女性の店員さんがやってきて小声で「声がちょっと大きいので抑えてください」と言った。 確かにテーブルを挟んで向かいに座る友人は声が大…

Akira Someya
8か月前
4

成長のバランスの調和について

中学校の同窓会に行ってきた。11クラス合同なので、知らない顔ばかりだった。おじさんやおばさんがたくさんいる。名札を見て、ああ知ってるやつだと思って、改めて顔を見る…

Akira Someya
9か月前
3

バランス取ってるの

駅前の広場に特設リングができていて、周りをびっしり人が囲んでいた。 DDTプロレスリングの駅前プロレスだ。 僕は群衆の真ん中付近に立っていた。目の前に男女のカップル…

Akira Someya
10か月前
3

落ちるなら落ちろと僕は唱えた

夜遅い電車。 左隣に若い女性が座っていて、スマホで何か見ていた。僕も自分のスマホを見て、いろいろせわしなくどうでもいいことをチェックしていた。 しばらくして、左腕…

Akira Someya
10か月前
4

時の過ぎ行くままに

ビル街の歩道、向こうからスーツを着た女性が歩いてきた。 女性は片手の指に円形の時計をひょいと掛けていた。時計は壁に掛ける直径30センチぐらいのやつだ。 すれ違うとき…

Akira Someya
10か月前
5

その女性が走ったわけ

駅ビルの1階から外の道路に通じる通路で、僕の前を女性が歩いていた。 女性は出口に向かって歩いていたが、3段ほどの下り階段で急加速し、走って外に出て行った。 元気だ…

Akira Someya
10か月前
1

緑の丘公園に行って丘に登らず

夕方、川沿いの遊歩道をトロトロジョギングしていたら、後ろから追いついてきた体が引き締まった精悍なランナーに話しかけられました。 「緑の丘公園に行くにはこの道を行…

Akira Someya
10か月前
2

母親からの電話

急に思い出した 昔、30代のころ、勤め先の会社に電話がかかってきて、取ったら母親からだった。 社長さんに話がしたいというので、なんの用だと聞いたら、僕の結婚の相談だ…

Akira Someya
11か月前
3

柿泥棒させていただきます

家の近くで散歩していて、夕焼けがあまりにもすごいのでスマートフォンでカシャリ、とやったら、「すごい夕焼けですね」と背後の至近距離で声がしてビクッと振り返った。見…

Akira Someya
11か月前
3

夜のバス

夜、バス通りを歩いていたら、後方からバスに追い抜かれた。 バスは10メートルほど先で停車し、ドアを開けた。 そこにはバス停があった。 誰も降りず、誰も乗らなかった。 …

Akira Someya
11か月前
1

好意が伝わらなかった

昔、壁の薄いアパートに住んでいたとき、隣の部屋から佐野元春の曲が聞こえてきた。大ファンなので嬉しくなって、僕もCDで同じ曲をぴったりシンクロさせて大音量で流した。…

Akira Someya
11か月前
2

BiSは大丈夫だと思ったこととビッグなビートとワンコード音楽。

BiSは大丈夫だと思った。ということはBiSはこのままで大丈夫だろうか……、という時期があったわけだ。 そもそもBiSとは2010年に結成したアイドルグループで、これは第一期…

Akira Someya
1年前
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眼鏡を隠す

行きつけの定食屋で、女店主の娘が常連の客に、夫への嫌がらせの話をしていた。そうそう、女店主の娘は結婚している。 「だんなとけんかして、すごくむかついたときにやる…

Akira Someya
1年前
1

『キリエのうた』のイッコを思うと悲しい。

映画『キリエのうた』を映画館で2回観たが、そのときはキリエ(ルカ:アイナ・ジ・エンド)にぶちのめされた。
こないだBlu-ray Discで観たときはイッコ(広澤真緒里:広瀬すず)に入り込んだ。
映画を監督した岩井俊二による原作小説『キリエのうた』を読んだら、真緒里がイッコ(一条逸子)になった物語の空白部分が埋められていた。
真緒里は帯広から東京に出てきて通うはずだった大学を休学しているときに、越

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臨機応変なオレオレ詐欺師

臨機応変なオレオレ詐欺師

詐欺師「もしもし、オレだけど」
受けた人「あらボク ? どうしたの?」
詐欺師「うんボクだよ。あのね……」
受けた人「さてはおぬしか!」
詐欺師「あ……、ああ、ワシじゃ!」
受けた人「ああ、あなたなのね ! 生きていたのね!」
詐欺師「生きていたよ!」
受けた人「僕らはみんな♪」
詐欺師「生きている♪」

やっぱり来年も使います

やっぱり来年も使います

昨日、近所の神社の境内で「どんと焼き」という正月の飾り類を燃やす行事があったので、うっかり2、3年ため込んでいた正月のしめ飾りとしめ縄を持ち込んで、燃やしてもらいました。
火を見ていると落ち着くので、しばらく見ていました。
女性が来て袋から何か出して受付台に置きました。鏡餅でした。
紺のはっぴを着た初老の係員が、これは受け付けませんと断ったので、女性は袋に戻しました。
彼女は次に小さいしめ飾りを出

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感じる必要のないやましさ

感じる必要のないやましさ

喫茶店で友人と会話していたら、女性の店員さんがやってきて小声で「声がちょっと大きいので抑えてください」と言った。
確かにテーブルを挟んで向かいに座る友人は声が大きかった。
大声でサブカル系の貴重な裏話を語っていた。
彼は大学で講師をやっていて、教壇から学生たちに語っているので、講演のような声量で話す癖がついているのかもしれない。
あと、太っていてお腹が前にせり出しているため、椅子に座るときにのけぞ

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成長のバランスの調和について

成長のバランスの調和について

中学校の同窓会に行ってきた。11クラス合同なので、知らない顔ばかりだった。おじさんやおばさんがたくさんいる。名札を見て、ああ知ってるやつだと思って、改めて顔を見ると、おじさんの顔が中学時代の顔に変貌する。

一人の細身のイケメンが寄ってきた。
「someya君、ひさしぶり! 変わってないね」
僕は「?」という顔を返した。
名札は「鈴木英一」(仮名)と書いてあるが、記憶にない。
鈴木君(仮名)はこち

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バランス取ってるの

バランス取ってるの

駅前の広場に特設リングができていて、周りをびっしり人が囲んでいた。
DDTプロレスリングの駅前プロレスだ。
僕は群衆の真ん中付近に立っていた。目の前に男女のカップルがいて、女性はリュックを背負っていた。リュックはちょっと邪魔だなと思った。
男性が女性に話した。
「いつもリュック背負ってるね」
女性はこう答えた。
「バランス取ってるの。亀仙人的な」
それなら仕方ないな、と思った。

落ちるなら落ちろと僕は唱えた

落ちるなら落ちろと僕は唱えた

夜遅い電車。
左隣に若い女性が座っていて、スマホで何か見ていた。僕も自分のスマホを見て、いろいろせわしなくどうでもいいことをチェックしていた。
しばらくして、左腕に軽い衝撃があった。隣の女性が居眠りして上体が揺れていたのだ。
ちらっと彼女を見たら、両手が膝に置いたバッグの上に落ちていて、両手はスマホを持っていなかった!
スマホは手から離れて、バッグの端でとどまっていたのだ。
でも上体の揺れの影響で

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時の過ぎ行くままに

時の過ぎ行くままに

ビル街の歩道、向こうからスーツを着た女性が歩いてきた。
女性は片手の指に円形の時計をひょいと掛けていた。時計は壁に掛ける直径30センチぐらいのやつだ。
すれ違うときに、今が14時40分であることが確認できた。

その女性が走ったわけ

その女性が走ったわけ

駅ビルの1階から外の道路に通じる通路で、僕の前を女性が歩いていた。
女性は出口に向かって歩いていたが、3段ほどの下り階段で急加速し、走って外に出て行った。
元気だな、と思った。
続いて僕もその下り階段に到達した。
その階段は最初の段はちょっと高くて、次はちょっと低いという不規則な階段だった。
1歩目で勢いがついて2歩目で勢いが止まらず、3歩目には小走りになってしまうようにできている。
僕も自然に走

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緑の丘公園に行って丘に登らず

緑の丘公園に行って丘に登らず

夕方、川沿いの遊歩道をトロトロジョギングしていたら、後ろから追いついてきた体が引き締まった精悍なランナーに話しかけられました。
「緑の丘公園に行くにはこの道を行けば大丈夫ですか?」
「たぶんこの道よりあっち道のほうが近いと思うけど、こっちの道でもそんな大差ないですよ」
あっちの道は車がビュンビュン走っている県道で、こっちの川沿いの道は景色もいいし車も来なくて安全です。2本の道はほぼ平行に伸びていま

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母親からの電話

母親からの電話

急に思い出した
昔、30代のころ、勤め先の会社に電話がかかってきて、取ったら母親からだった。
社長さんに話がしたいというので、なんの用だと聞いたら、僕の結婚の相談だって。誰か女性を紹介してください、息子が結婚できないので心配です、って言いたいんだって。
「大丈夫! 今付き合っている人いるから」となだめて、電話を切った。
他の社員が電話取らなくてよかったとハラハラした。
でも今思い出すと、なんだか嬉

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柿泥棒させていただきます

柿泥棒させていただきます

家の近くで散歩していて、夕焼けがあまりにもすごいのでスマートフォンでカシャリ、とやったら、「すごい夕焼けですね」と背後の至近距離で声がしてビクッと振り返った。見知らぬ年配のおじさんがニコッとしていた。
「この家の柿をもらいに来たんですよ」と、おじさんは聞いてもいないのに勝手に喋りだした。
「ああ、橋本さんちの柿ですね」と僕は答えた。
とくに塀に囲われているわけでもない橋本さんの家の敷地に、柿の木が

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夜のバス

夜のバス

夜、バス通りを歩いていたら、後方からバスに追い抜かれた。
バスは10メートルほど先で停車し、ドアを開けた。
そこにはバス停があった。
誰も降りず、誰も乗らなかった。
僕がたどり着くまでバスはそこにいた。
僕は乗車した。
乗客は僕だけだった。
なぜ僕がバスに乗ると思った(わかった)のだろう。

好意が伝わらなかった

好意が伝わらなかった

昔、壁の薄いアパートに住んでいたとき、隣の部屋から佐野元春の曲が聞こえてきた。大ファンなので嬉しくなって、僕もCDで同じ曲をぴったりシンクロさせて大音量で流した。
壁をドンと叩く音がして、お隣さんは佐野元春を止めた。
僕も止めた。

BiSは大丈夫だと思ったこととビッグなビートとワンコード音楽。

BiSは大丈夫だと思ったこととビッグなビートとワンコード音楽。

BiSは大丈夫だと思った。ということはBiSはこのままで大丈夫だろうか……、という時期があったわけだ。
そもそもBiSとは2010年に結成したアイドルグループで、これは第一期BiSと呼ばれている。その第一期BiSは2014年に解散して、第二期BiSが2016年に誕生し、2019年に解散。そして第三期BiSが同じ2019年に早くも始動して今に至る。このようにそもそもBiSはあまり大丈夫じゃないグルー

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眼鏡を隠す

眼鏡を隠す

行きつけの定食屋で、女店主の娘が常連の客に、夫への嫌がらせの話をしていた。そうそう、女店主の娘は結婚している。
「だんなとけんかして、すごくむかついたときにやる嫌がらせの極めつけがあってね。やつが風呂に入ろうとして、服を脱ぎ、眼鏡をはずすでしょ。その眼鏡をこっそり隠すのよ」
「陰湿だな、それ」と常連客。
「風呂から出ると、中腰で手探りで眼鏡探しているけど見つからない」と娘。
「そんなに目が悪いのか

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