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『テルマエ・ノトプロジェクト』で、能登半島地震で被災した高齢者にお風呂を!

こんにちは、翼祈(たすき)です。
令和6年能登半島地震では、高齢者や障害者、子ども、妊婦など、「災害弱者」と呼ばれている人たちにとって、住宅の再建にしろ、現在も9700人超が避難所での生活をしていて、苦しい状況が続いています。

仮設住宅も少しずつ建ってきていますが、建設された仮設住宅に対し、入居希望者が多いことから、身動きが取れないといいます。

石川県穴水町は2024年2月27日、能登半島地震の被災者に管理栄養士などが、地元の飲食店組合に委託した、栄養バランスの取れている食事を提供する「セントラルキッチン」を、穴水町林業センターに営業再開の目処が立たない、被災した飲食店の雇用も創出しています。

また、自主避難している人たちには、2024年2月末で、「避難所に直接来ないと提供しません」と言われて、市からの支援物資の配布が終了し、電気なども自分でお金を出して繋いでいる人も多いと聞きます。

この様に多くの人が、この災害を乗り越えるために、手を取り合って、支え合っています。この記事では1つの漫画がきっかけで立ち上がったあるプロジェクトを紹介したいと思います。

「能登にお風呂を」―。能登半島地震で被災した人たちに癒やしのひと時を届けたいと、神奈川県横浜市にある一般社団法人「危機管理教育研究所」が、断水に苦しんでいる高齢者施設などを巡回する訪問入浴サービス『テルマエ・ノトプロジェクト』を継続して行なっています。身体が不自由で、自衛隊が設置する仮設風呂に入ることが困難な高齢者などがこのサービスを利用しています。

今回は、『テルマエ・ノトプロジェクト』の概要についてお伝えします。

『テルマエ・ノトプロジェクト』概要


能登半島地震では広い範囲で断水が発生しましたが、解消した地域でも、給湯器が壊れた高齢者施設などで、施設の入所者が入浴できない問題が発生しています。避難所などでは自衛隊が川の水をろ過して仮設風呂を設置してきましたが、仮設風呂は手すりがなかったり、湯船が深かったりすることから、入浴ができない高齢者も多いと言われています。

そこで一般社団法人「危機管理教育研究所」は、2024年1月21日から、訪問入浴サービスを提供する複数の事業者と連携して、この『テルマエ・ノトプロジェクト』をスタートさせました。組み立て式の浴槽やボイラーを積んだ車で石川県七尾市、輪島市、志賀町の高齢者施設を巡回し、延べ500人以上に入浴を楽しんで頂きました。どんどん顔色が良くなる高齢者もいて、「気持ちいい」「ぐっすり眠れるようになった」などと好評を博しています。

プロジェクト名は日本の風呂文化や古代ローマの公衆浴場をテーマに描いた漫画【テルマエ・ロマエ】にちなんで命名されています。同【テルマエ・ロマエ】の原作者のヤマザキマリさんのエールを受けて、『テルマエ・ノトプロジェクト』のイラストも描いて頂きました。「入浴は命の栄養です」と表記されたチラシは、被災地の避難所などに貼られています。

参考:命の栄養届けます 被災の高齢者に「テルマエ」入浴プロジェクト 毎日新聞(2024年)

被災地で地震発生から1ヵ月以上も入浴できていなかった高齢者などに会った、一般社団法人「危機管理教育研究所」の理事長の女性は、「衛生面の管理は命に関わってきます。『テルマエ・ノトプロジェクト』を介して、災害関連死の防止にも繋げていきたいです」と述べました。

能登半島地震で被災した高齢者たちの苦難

能登半島地震の被災地では断水の影響で、入れ歯の手入れや歯磨きが十分にできない高齢者は少なくありません。低栄養で免疫機能が低下したり、「口腔ケア」が疎かになったりすると誤嚥性肺炎になるリスクが上がり、災害関連死にも繋がります。

歯科医などで構成された「日本災害歯科支援チーム(JDAT)」は、石川県七尾市にある公立能登総合病院などでは、能登半島地震が発生してから2週間で誤嚥性肺炎と診断された患者さんは65~103歳のトータル19人で、2023年同期比でおよそ4倍でした。

口腔内の歯痛や不潔などが多く見られ、断水で排水を処理できないことから歯磨き後の水を飲んでいる人もいました。「口腔ケア」支援の物資が山積みの支援物資に紛れ込むといった状況も発生していました。

また、石川県金沢市に避難していたある夫婦は、複数の持病があったご主人が避難生活で食が細くなり、腹痛を訴え救急搬送されると、腸閉塞を起こしていて、今なお入院中。奥さんは地震発生で訪問看護を受けられなかったことで、避難生活で足腰の痛みが増し、杖を付かないと歩けなくなるといった、離れ離れになってしまった高齢の夫婦もいます。

これは能登半島地震には限らない話ですが、自宅の耐震改修工事に踏み切らない高齢者は、耐震工事の高額な費用や家を継ぐ子どもがいないことを理由にしない人が多いといいます。

私は会社の記事で災害発生時の「口腔ケア」の大切さについて書いたのですが、まさかここまで深刻なものになっているとは、想像もしていませんでした。

お風呂というか、最近は美容院を再開するお店も増えて来て、髪を洗ったり、切ったりできて、嬉しそうにしている被災者の方の笑顔を今でも、ニュースで流れていますね。

お風呂は確かに入らないと身体的にも精神的にもキツいです。昔私は体調不調で、熱が上がったりとか悪化を避けるために、お風呂に入らない時がありましたが、もう1日入らないだけで、身体はバキバキです。

『テルマエ・ノトプロジェクト』は漫画から生まれた着想ですが、素敵なプロジェクトだと思います。

今なお厳しい避難生活で、お疲れだと思います。私にできることは微々たるものしかありませんが、この『テルマエ・ノトプロジェクト』で避難する人たちを笑顔にして頂きたいですね。

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