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ブラジルのアマゾンの熱帯林が地球沸騰化で、2023年、その消失面積は過去最大。

こんにちは、翼祈(たすき)です。
私は2023年からこのnoteで地球沸騰化の影響について書いて来ました。最近は日本国内の話題が多かったのですが、この記事では2023年から知っていた海外の記事に、目を向けたいと思います。

世界各地で、山林火災や干ばつ、大規模洪水などの異常気象が相次いで起こっています。背景には地球沸騰化があると見られ、人々の経済や生活に深刻な影響を与えています。地球の上空を回る人工衛星が撮影した画像から、頻発する異常気象の実態が分かってきました。

2023年9〜10月、南米ブラジル・アマゾン川の流域では、大規模な干ばつに見舞われました。米海洋大気局(NOAA)などによりますと、2023年10月下旬、支流のネグロ川の水位はアマゾナス州都マナウス付近で、観測記録が公開されている1903年以降で最も低い12.7mを記録しました。今まで観測記録は2010年10月の13.63mが過去最低でした。

2024年1月5日、ブラジルの国立宇宙研究所(INPE)は、2023年の国内のアマゾン地域の熱帯林消失面積がおよそ5151.6平方kmと2023年比で半減したと発表しました。ルラ政権は「世界の肺」と言われているアマゾンの保護強化を提唱していて、消失面積は2018年以来の低い数字ですが、それでも愛知県ほどの面積が破壊されました。

ブラジルはアマゾン熱帯林がおよそ6割あります。アマゾン保護に後ろ向きだったボルソナロ前大統領が就任した2019年から2022年まではアマゾン熱帯林の消失面積が顕著に拡大、2022年には1万277.6平方kmでした。

今回はブラジル・アマゾンから見える地球沸騰化について、考えていきます。

ブラジル・アマゾン、どれだけ地球沸騰化の影響受けた?

欧州宇宙機関の地球観測衛星「センチネル2」による撮影画像を分析した結果、別のアマゾン川の支流であるテフェ川(湖)では、2022年10月上旬にはおよそ6kmあった川幅の一部が、2023年10月中旬には半分以下になりました。

ロイター通信によりますと、アマゾン川の支流であるテフェ川では、平年よりも10度以上高い39度に及んだ日がありました。干ばつでテフェ川の流量が減って、水が高温になりやすくなったと想定されています。

科学誌[ネイチャー]は、アマゾン川の熱帯林の干ばつの背景には、南米沖の海水温上昇が広域の異常気象を招く「エルニーニョ現象」で水温が上がったと懸念しています。熱帯林がある南米北部では空気が乾燥し、2023年7~9月の降水量が、ブラジルの複数の州で過去40年間で最低を記録しました。

世界気象機関(WMO)は、「エルニーニョ現象」が少なく見積もっても2024年4月まで継続し、世界中で極端な自然現象が発生する恐れが高くなるとの見方を示唆しました。

干ばつによって、ブラジルの生態系や人々の生活にも大きな影響を及ぼしています。アマゾン川の水位が下がったことで輸送用の船の往来が困難になって、燃料や食料の供給が滞りました。水環境の悪化から、感染症などが流行することも危惧されています。

アメリカのニューヨーク・タイムズは、2023年にアマゾン川の支流であるテフェ川で、ピンク色のイルカとして有名な「アマゾンカワイルカ」が少なくとも125頭が大量死したと伝えました。魚の死骸も大量に発見されました。

南米の野生生物が専門の京都大学の名誉教授の男Aさんは「アマゾンの川や森に生息する生物はある程度は水位の変化には適応していますが、今回の干ばつはそのレベルを大幅に超過して、大きな打撃を与える可能性があります。これからどんな異常気象が発生するのかの予測は難しく、影響を注視していかなければならないです」と説明しました。

参考:温暖化でアマゾンから水が消え、山火事が森を焼き尽くす…衛星画像がとらえた世界の異常気象 読売新聞(2023年)

それ以外の世界の地球沸騰化の影響

山火事が世界中で発生しています。カナダ政府によりますと、2023年の山火事による同カナダ国内の焼失面積は、過去最大となる1800万ヘクタール超を記録しました。

2023年6月に、欧州宇宙機関の地球観測衛星「センチネル2」が撮影した画像の赤外線データを分析した結果、カナダ東部のケベック州で広い範囲で山火事が発生したことが確認できました。火災に伴うものと考えられる煙が大気中に広がっている様子も見受けられました。

湿潤な気候のケベック州はカナダの中で比較的、山火事のリスクが低いと言われてきましたが、2023年は降雨が少なく、樹木や土壌の乾燥が進んだと言われています。国際研究チームの分析では、2023年5~7月にケベック州で起きた山火事は、地球沸騰化の影響で発生確率が2倍以上まで高まっていました。

山火事発生での健康被害も懸念されています。オーストラリアなどの研究チームが、山火事から引き起こされる大気汚染によって、世界で毎年およそ3万3000人が亡くなっていると推計しています。

国連環境計画の報告では、山火事が大規模に起こるリスクは2023年までに14%、2050年までに30%増加していきます。日本は湿潤な気候であることで山火事のリスクは低いとされてきましたが、地球環境学が専門の日本大学の教授の男性Bさんは「地球沸騰化が加速して極端な干ばつが起こる様な時が来れば、日本でも山火事が発生するリスクは高まる恐れがあります」と懸念しています。

さらに、2023年9月、北アフリカ・リビア東部では、大規模洪水が甚大な被害をもたらしました。世界気象機関などによりますと、地中海で発生した台風の様な小型低気圧「メディケーン」の影響で豪雨の原因となりました。

アメリカのプラネット・ラボ社が撮影した衛星画像は、マルジュやデルナなどの市街地に濁流や土砂が押し寄せた様子を捉えることができました。建物や住宅が泥に埋まり、道路が分断されました。

リビアなど極度に乾燥した地域では、地面がアスファルトの様に固まり、隙間のない状態です。このことで、乾燥した一帯に降った雨の大部分は地面に染み込まず、低地にあった集落まで一気に、水が押し寄せた恐れがあります。AP通信によりますと、洪水による亡くなった人の数は1万1000人を超えています。

私は2022年に会社のサイトでオーストラリアのコアラが山火事で命を落としている話を、2023年はこのnoteでアマゾンカワイルカの大量死を書きました。

地球にはヒト以外にも多くの生物が暮らしています。それらが1つになって、生態系というものが作られています。

2024年3月16日には、アイルランドで大規模な噴火が起きました。

日本では、牛や羊が出す二酸化炭素の量が、2022年には牧草に蒔く牧場の肥料で温室効果ガスが増えたと、2024年3月18日に知りました。

今起きていることは、簡単に異常気象という言葉では片付けられない程、激甚災害が多発しています。

2030年なんてまだまだと思っていましたが、体感的にもあっという間に来そうです。それまでこの地球はどうなっているか、心配は尽きません。

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この2つの会社の記事は2022年に上がった記事なので、読みにくさなどがありましたら、すみません。


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