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詩の集まりみたいなもの

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詩、詩みたいなものをまとめてみました。
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#音楽

【詩】 Bluesが鳴る

【詩】 Bluesが鳴る

スピーカーから聞こえる不思議な音

不純物に満ちた
混じりけのない音

やたらと心がざわつく音

音と自分の間を取り持つ空間は

僅かに揺れ動くかのように

黙っていた

吹きかけた吐息が
ガラスを曇らせる

呼吸をするその一息が
ブルース・マンの神話と共鳴する

「やぁ、お前さん何を聴いてんだい?」

愛を語っているようで
愛を求めていない

自らの正体を打ち明けるが
白昼堂々と寝返りを打つ

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【詩】 友

【詩】 友

窓を開けると 緑が凪いでいた
鳥達が鳴いていた

穏やかな日差しが”今”を明瞭化していた

体内の流れが変わっていた
季節が進んでいたのだ

扉を開けると薄い雲が空を可視化していた
広く水平に遠慮がちに

まだ樹の下には影は存在していなかった

川辺には葦牙が生えていた
過去と現在をつなぐようにして

魚が勢いよく水面を跳ねる
幼き釣り人は何を思うのか

流麗に糸を引く川の流れに沿って
釣り糸は浅

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【詩】 風

【詩】 風

いつからだろう

静けさを受け入れ始めたのは

街と人々が混ざり合い
乾いた空気が支配していたあの頃

何も為す術なく 

ひたすら歩いてきた

どれ程歩いてきたか

歳月に不自然なほど語りかけ

幾重の道を歩んできた

やがて清明の時を迎え
世界の鼓動は賑やかで隆起していた

様々な色彩 様々な模様
美に対して かくも浮世は誠実であることか

だのに
独りでいる静謐さこそが私の全て

どれだけの

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【詩】 愛という名のBlues

【詩】 愛という名のBlues

愛を語った事を… 愛を歌った事を…
紡ぎ出されたすべに答えは見出せない
愛という名のBlues

山を越えて… 星の砂上閣で…
崩れ落ちそうな感情を束ねて
愛を憐れむBlues

お前の時を… 絞り尽くして…
夢に見たようなリズムの遠吠えと
愛を慈しむBlues

陽炎の揺らぎと… 欲望のさざ波と…
消えない暗がりに向けて
愛を誹りぬくBlues

愛に迷った事を… 愛に語られた事を… 
夢に出た

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【詩】 救いのBlues

【詩】 救いのBlues

矛盾だらけの ありふれたBlues
衝動に絡まれた 唐突なBlues

月夜に浮かんだ 無造作なホログラム
押し込められた 鉄の香りのBlues

グラスに放り込んだ ひとかどの光陰
魂に映り込んだ 濃く深いBlues

そう…
全ては瞳の奥の嘘のように
愛し
愛され合った
  救いのBlues

誤解だらけの 酩酊したBlues
ジャック・ダニエルに あしらわれたBlues

雲間に浮かんだ 一

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何となくpart2 

何となくpart2 

こないだの「何となく」の続きです。
お時間ありましてうっかり記事を開いてしまったならば、最後までお付き合い頂けるとありがたいです!

【無題】

探していたものが見つかる前に
うまくやり抜く自分がいる

時を止めずにやり抜こうとして
風を感じず景色が流れていった

落としたはずのぬくもりを
拾い集めて遠くを見つめ

今を生きる事を噛みしめる

にじんだ記憶を持て余し
言葉にならない空気を飲み込む

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【詩的なもの】ハーモニー

【詩的なもの】ハーモニー

ギターを弾いてみよう
何も難しい事は考えないで
かき鳴らしてみるだけでも良いんだ
その喜びが自分を作っていくんだから

音色に乗せて声も奏でてみよう
細かい事は気にすんな
音色と声の和音が君なんだ
君の勇気が祝祭の入り口だから声を上げて奏でてみよう

まだ見ぬ自分を歓迎してあげよう
そんな君を君が見つけて欲しいから
今出来うる限りの自分で奏でるんだ
きっと君に君自身と人が喝采の声を上げるだろう

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