マガジンのカバー画像

臨死体験に関する原稿

142
運営しているクリエイター

記事一覧

空の中で不二のプロセスを共に展開している

空の中で不二のプロセスを共に展開している

拙著『一三分間、死んで戻ってきました』を中心にした、気流舎(書店)のトークイベントの中でおもしろかった場面は多々あるのですが、

最近、臨死体験の研究で博士号を取得したWさんが、とある変性意識体験の中で、

「中学出の叩きあげの人物が心に現れてね、その人がいかにすごい人か、わかりました。なんであの知らない人が出てきたのでしょうかね」と言った。

ま、まるわかりやん! と思いました。w

「それは博

もっとみる

覚醒は言葉を越えているが、、、
この世は障碍だらけだから、ワンダーランドだと、この本でも語ってきたけど、
どんな解釈も越えて進行していく真実にとって、
言葉は障碍であるからこそ、その言葉を紡いで言語芸術を紡ぐことができるのだと新たに整理できたとき、
また一皮剥けた。

遊煩悩林

遊煩悩林

光の波紋
きよらに
静寂に
やすらかに
どこまでも広がり
果てのない
気づき

透明な光の水面(みなも)に
流星のように
走馬灯のようにきらめく
赤ちゃんの笑い声
爆撃音と叫び声
愛のいとなみに披いた唇
飢えと凍えから救われて走り回る子犬
行き倒れて空を見上げる瞳孔

あなたの背中に
もう一度そっと手を置くため
静寂を破り
細胞を震わせ
息を
息を
息を
吹きかえして戻る
煩悩の林
私の大好きな

もっとみる
呼吸

呼吸

息を引き取る
臨終

目を閉じて
息を吸って
吸って
吸って
吸った息が吸い込まれていく
遥か奥のほう
時間と空間の始まる前
星々の産まれる場所
魂のふるさと

息を吹き返す
蘇生

目を開けて
息を吐いて
吐いて
吐いて
吐いた息が広がっていく
遥か彼方
渦巻く無数の銀河
光の速さで広がる宇宙の端っこに到るまで
すべてを抱きしめる

すべてを抱きしめる

中川れい子さん『一三分間、死んで戻ってきました』のご感想

中川れい子さん『一三分間、死んで戻ってきました』のご感想

中川れい子さん(NPO法人タッチケア支援センター理事長/エサレン®ボディワーク/「みんなのセルフタッチング」著者/TOUCH in GRACE /WSリトリート企画/)がfacebookのご自分のサイトに感想を書いてくださいました。
中川さんを信頼され、中川さんが良いというのなら読もうと思われた方が多いのでしょう、この感想公開のあと、売り上げがよく伸びています。
魂のこもったありがたいご感想に感謝

もっとみる
葬式仏教解体へ

葬式仏教解体へ

産まれてくるには両親が必要で、両親にも両親がいたのだから、祖父祖母の数は2の2乗で4。その4人それぞれに両親がいたのだから曾祖父曾祖母の数は2の3乗で8。

先祖はこのように遡れば2の累乗で増えていくので、10代前で1024人、20代前で104万8576人、27代前で1億人を超え、30代前には10億7374万1824人もの先祖がいたことになります。

そんな中、長男を辿った先祖代々の一本の線という

もっとみる
40年後のレビュー

40年後のレビュー

40年近く前、ネパールで出会ったあゆみちゃんが、『一三分間、死んで戻ってきました』の感想を送ってくれました。

私信ですが、許可を得て、転載します。

本読んだ〜

いい本だった。 

まだ二十歳代の頃、せんせの紡ぎ出す言葉を破壊したくなる衝動を思ったよ。

せんせは美しい物語のつくり手だね。

還暦の年の私は充分に受け取れるようになった気がする。

そして、私も生きるのが面白くなってきたよ。じき

もっとみる
たった一度のお花見

たった一度のお花見

そのとき僕は電車に乗っていた。快晴。線路わきの満開の桜が、時折り車窓を流れる。

 向かい側の席で妙齢の女性が、友人らしき隣席の女性に話しかけている。 「毎年、桜が咲くと、孫を花見に連れていったことを思い出すわー」
 初めは聞くともなく聞いていた。しかし、話の流れでそのお孫さんというのはどうやら亡くなったらしいと気づくと僕は耳をそばだてた。

 「二歳のときに一回だけお花見に連れていって、次

もっとみる
星川淳さん書評『一三分間、死んで戻ってきました 』

星川淳さん書評『一三分間、死んで戻ってきました 』

【読書メモ】長澤靖浩『一三分間、死んで戻ってきました ~臨死体験と生きることの奇跡~』(ひかる工房)

OSHOの兄弟弟子としてつきあいの始まった旧友アビシェーカ(現在は自ら「ひかる」に改名)が、2013年に原因不明の心室細動で倒れ、九死に一生を得た。10日ほど続いた昏睡中、ぼくも本気で生還を祈っていたが、そのあいだに経験したという臨死体験を初めて著書にまとめた本だ。これまで断片的に聞いたり読んだ

もっとみる
縁起生空の真意

縁起生空の真意

古い日記だが、転載しておく。

縁起生空の真意

 人生後半にいくつかの課題に決着をつけたいと思っている。そのうちのひとつは「縁起生空」の真意という課題である。

 仏教では、空性と名付けられるものが何かあるわけではない。ただ仏教は「一切は縁起生だから空である」と叙述しているだけである。

 この場合の縁起とは十二縁起以外ではありえない。したがって、ジョアンナ・メイシーが八千頌般若経を典拠に語ろう

もっとみる
臨死体験を意識している自分は存在するか

臨死体験を意識している自分は存在するか

臨死体験中は、それを意識している自分の意識はない覚醒だけである。

しかし、それを未発の意識として記述したのは、蘇生した私の已発の意識だ。

だから、臨死体験とは、已発の意識から対象化された未発の意識に過ぎない。

それそのものは、絶対に描写されない。

描写しようという発想もない。

こちらの世界から乱暴に言えば、そんなことは永遠にどうでもよくなるのだ。

それほど深い静けさなのだ。

発句だけ

もっとみる

臨死体験者のリアリティはこの世のとらえ方にこそ現れる件

『一三分間、死んで戻ってきました』について、枚方市ローカルインフォメーションペーパーLIPには旧友吉村萬壱くん(芥川賞作家)のレビューを載せてもらった。

発行後すぐに『一三分間、死んで戻ってきました』を買ってくれた筧満さんは、友人にあげるためにあと2冊ほど『一三分間、死んで戻ってきました』がほしいと言った。

「ひかるさんのBASEで『魂の螺旋ダンス』が100万円なのは笑えた。すばらしい」と彼は

もっとみる
感想(1)『一三分間、死んで戻ってきました』

感想(1)『一三分間、死んで戻ってきました』

『一三分間、死んで戻ってきました~臨死体験と生きることの奇跡~』 旧友、吉村萬壱くん((芥川賞作家)が感想を送ってくれた。 その前に母の死などに踏み込んだ私信もくれていたのだが、転載していいか?と聞くと、それなら、外向けに書くと言って、まとめてくれた。

 『一三分間、死んで戻ってきました~臨死体験と生きることの奇跡』の著者・長澤靖浩氏は私の高校時代の同級生で、私は彼から文学や哲学の方面で大きな影

もっとみる