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男のわたしがコスメカウンターに座って口紅を買い、初めて入ったバーで自慢した話
「しをりちゃん、俺も口紅塗ったら、可愛いと思う?」
甘えている、どこまでも。
"初めて"の花束を想う。過去は霞ませるものではない。靡く、短い髪には硝子の軌跡。いつの日か、「女性」が終点にはならない。「わたし」の姿が水面で跳ね返り、宙を舞う。舞台がなかったとしても踊り、太陽がなかったとしても内から輝き、人をやさしく包めるだろう。
「似合っていますか」
その問いに、恋人の肯定が必ず"手紙"のよ