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仕事、美術、日常などなど。思ったことを思ったままに書いています。

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マガジン

  • 西洋美術史覚えて楽しく美術鑑賞しようよ(連載中)

    美術館に行ったはいいけどよく分からないまま「見た気分」になってしまっていた筆者が、「美術史を学ぶと、美術鑑賞が格段に楽しくなるのでは!?」と気付き、勉強がてらnoteにまとめていくシリーズ。

最近の記事

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美大で学び、アートに感じた「優しさ」という価値

皆さんは「アート」というものにどんなイメージを抱いているだろうか。 しばしば「アート後進国」と言われる日本において、アートが大衆を騒がせるほどのニュースになることは日常でそう多くはない。バンクシーが新しいストリートアートを披露したとか、GINZA SIXに草間彌生のインスタレーションが展示されるとか、前澤友作がバスキアの絵を123億円で落札したとか。 芸術家とは、奇抜な変人であり、アートとは富裕層が資産として楽しむもの。一般人には遠い世界の話。そんな風に思っている人も少な

    • 自由ばっかりが、アートじゃない?

      実は最近、幼稚園〜小学生くらいの子ども向けのアート教室で時々講師をさせていただいています。 とある日のエピソードです。 小学校低学年の女の子が私に尋ねました。「先生はどうしてアートが好きなの?」 「うーん、自由だから、かな。」これは深く考えずとも口から出た私の本心でした。 「でも、自由ばっかりじゃないでしょ。」 どういうこと?と聞いてみるとその子は続けます。 「だって、間違えたりしちゃうこともあるでしょ。」 その後すぐに、別の子が話しかけてきたので、その会話はそ

      • 失敗したくてものづくり

        正月から慣れない版画にチャレンジして、悉く失敗を繰り返している。 版に紙がくっついて破れてしまったり、破れずに刷れたと思ったら今度は全然色がついていなかったり。使っている用紙がいけないのか、絵の具がいけないのか、ローラーの使い方がいけないのか…分からないからとりあえずAmazonで色々と新しい道具を、「お急ぎ便」で注文して、悶々としながら明日を待つ。 でも、ものづくりをしている時の失敗は、不思議とあまり嫌な気持ちにならない。 もちろん、1年かけてしたためてきた作品に、誤

        • ピカソ 青の時代を超えて

          先日、ポーラ美術館にて会期中の「ピカソ 青の時代を超えて」に行ってきました。 ポーラ美術館、緑に囲まれていて、行くだけで心から癒される美術館です。一番好きな美術館かもしれない。 ちょうど紅葉の時期だったので玄関のガラス越しに美しい景色が見れました。 さて、肝心の展示ですが、一部ジョルジュ・ブラックなど関連人物の作品もあるものの、ほぼピカソの作品で構成された贅沢な内容でした。 「青の時代」というのは、1901〜1904年ごろにピカソが描いた絵画の総称として使われます。当

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        美大で学び、アートに感じた「優しさ」という価値

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        • 西洋美術史覚えて楽しく美術鑑賞しようよ(連載中)
          7本

        記事

          【お知らせ】今後はアートの領域を深掘りするnoteになります。

          いつも不定期更新ながら読んでくださっている方、ありがとうございます。 今回はタイトルの通り、今後のnoteの方向性についてのお知らせ記事です。 元々、日記の延長線のような形で好き放題書いてきた私のnoteですが、先日、客観的に見て思ったのです。脈絡がないなと。 <これまで書いてきた内容> ・アート・美術系のエッセイ ・西洋美術史の勉強記事 ・仕事系のエッセイ ・ドラマの感想 ・その他つぶやき こんな感じの無法地帯で、フォロワーの皆様も興味があったりなかったりする内容を

          【お知らせ】今後はアートの領域を深掘りするnoteになります。

          献血したら、生きていてよかったと思った

          生まれて初めて献血をした。 行こうと思ったきっかけは、人に誇れるようなものじゃない。個人的に通っているクリニックで血液型などいくつかの項目を検査する必要があったのだが、「直近の検査結果があれば代用しても大丈夫です。例えば献血とかでも。献血なら無料ですしね。」と看護師さんに言われ、ほう…?と思い、生まれて初めて、家の近くの献血ルームを検索した。 運良く近くにリニューアルしたばかりの献血ルームがあり、クチコミの「綺麗」「くつろげる」「お菓子がもらえてジュースは飲み放題」という

          献血したら、生きていてよかったと思った

          もしもゴッホが桜を見たら

          桜が満開だ。家のそばであちら、こちらに。並木ではないけれどたった一本でもこんなに心が暖かくなるのは何故だろう。自然の息吹に心を動かされるようになったのはいつからだろう。 近ごろSNSに写真をあげることは少なくなった。誰かと共有したり、誰かに見せたりしないでも、心の内側から歓びが沸きあがってくるのはうれしい。 もちろん誰かと共有する幸せも大切だけど、"ヒト"から離れて自分で自分を癒す術があるということは、良い人生を送るために必要だと、そういうことにもっと時間をかけたいと考え

          もしもゴッホが桜を見たら

          過去の日記から:暦

          誰にも読まれることのない過去の日記をふと掘り起こしました。へえ、この時の自分はこんなことを考えていたんだって、ふつうに誰かの読み物のように読んでしまいました。 —- 2017年8月23日 暦にたすけられる、という感覚を知った時があった。 1年365日。 ◯月◯日、それはある人にとってはただの数字の羅列で、 ある人にとっては去年と違わぬ平穏に感謝する日で、 ある人にとってはまたひとまわり大きくなった我が子の手を握りしめる日で、 ある人にとっては、海の向こうに祈りを捧

          過去の日記から:暦

          やりたいことが変わる人間の「この仕事を選ぶわけ」は

          この文章は、パナソニックとnoteで開催する「#この仕事を選んだわけ」コンテストの参考作品として主催者の依頼により書いたものです。 私は昔からやりたいたいことや将来の夢がコロコロ変わる人間だった。 小学生の頃は漫画家になりたいと思ったり、中学生になればテレビ局で働きたいと思ったり、はたまた音楽の道で生きていきたいと思ったり。入っていた部活も毎回違う。 高校生くらいまではまだ可愛いものかもしれない。でも決して裕福ではない我が家で、高いお金を払って大学に行かせてもらうとなっ

          やりたいことが変わる人間の「この仕事を選ぶわけ」は

          西洋美術史覚えて楽しく美術鑑賞しようよ⑦ ギリシャ美術:ヘレニズム期

          美術館に行ったはいいけどよく分からないまま「見た気分」になってしまっていた筆者が、「美術史を学ぶと、美術鑑賞が格段に楽しくなるのでは!?」と気付き、勉強がてらnoteにまとめていくシリーズの第7回。 バックナンバーはこちら。 ※知識ゼロからの素人が、限られた参考文献をもとに作成する記事です。個人の推測も含まれますのでその前提でお読みください。明らかな誤りがあった場合はご指摘頂けますと幸いです。 建築にしろ彫像にしろ、今日まで語り継がれる傑作を生み出しまくったクラシック期の

          西洋美術史覚えて楽しく美術鑑賞しようよ⑦ ギリシャ美術:ヘレニズム期

          西洋美術史覚えて楽しく美術鑑賞しようよ⑥ ギリシャ美術:クラシック期

          美術館に行ったはいいけどよく分からないまま「見た気分」になってしまっていた筆者が、「美術史を学ぶと、美術鑑賞が格段に楽しくなるのでは!?」と気付き、勉強がてらnoteにまとめていくシリーズの第6回。 バックナンバーはこちら。 ※知識ゼロからの素人が、限られた参考文献をもとに作成する記事です。個人の推測も含まれますのでその前提でお読みください。明らかな誤りがあった場合はご指摘頂けますと幸いです。 幾何学様式期から、ギリシャの美術は1、形体の構成要素にせまる分析 2、普遍的な

          西洋美術史覚えて楽しく美術鑑賞しようよ⑥ ギリシャ美術:クラシック期

          西洋美術史覚えて楽しく美術鑑賞しようよ⑤ ギリシャ美術:幾何学様式期〜アルカイック期

          美術館に行ったはいいけどよく分からないまま「見た気分」になってしまっていた筆者が、「美術史を学ぶと、美術鑑賞が格段に楽しくなるのでは!?」と気付き、勉強がてらnoteにまとめていくシリーズの第5回。 バックナンバーはこちら。 ※知識ゼロからの素人が、限られた参考文献をもとに作成する記事です。個人の推測も含まれますのでその前提でお読みください。明らかな誤りがあった場合はご指摘頂けますと幸いです。 今回からいよいよ「ギリシャ美術」について学んでいく。 前回、「海の民」の襲来

          西洋美術史覚えて楽しく美術鑑賞しようよ⑤ ギリシャ美術:幾何学様式期〜アルカイック期

          西洋美術史覚えて楽しく美術鑑賞しようよ④ エーゲ美術

          美術館に行ったはいいけどよく分からないまま「見た気分」になってしまっていた筆者が、「美術史を学ぶと、美術鑑賞が格段に楽しくなるのでは!?」と気付き、勉強がてらnoteにまとめていくシリーズの第4回。 バックナンバーはこちら。 ※知識ゼロからの素人が、限られた参考文献をもとに作成する記事です。個人の推測も含まれますのでその前提でお読みください。明らかな誤りがあった場合はご指摘頂けますと幸いです。 さあ、今回はエーゲ美術を見ていこうと思うが、エーゲ美術というのは3つの時代・場

          西洋美術史覚えて楽しく美術鑑賞しようよ④ エーゲ美術

          死ぬことは引っ越すことだと思った話

          人が死ぬのは”悪い”ことだ。そう思い込むようになったのは何才ごろからだろうか。絵本やアニメ、映画などで、生き物はいつか死ぬという事実を知り、そして死=あってはならないこととして描かれている数々の作品に触れ、大人になった。 私も小学生の頃家族の死を経験し、ものすごく辛くて悲しい思いをした。こんなの最悪だ!と心が悲鳴をあげた。それでも世界では1日に何千人という人が死を迎えてゆく。多感な時期はそれだけで気が狂いそうだった。 ただ、今になって少し思うことがある。もし死が”多くの人

          死ぬことは引っ越すことだと思った話

          マズローの欲求5段階説はすごいと思った話

          少し久しぶりの投稿です。最近は在籍している美大(通信制)の課題制作に明け暮れておりました。 先日無事に全ての課題の提出・評価が終わり、進級できることになって、まずは仕事と両立しながらこの1年やりきれたことに心からほっとしています。 自分が本気で好きだと思えた美術に、没頭してみた1年。たった1年なのに、新しい発見、心境の変化が多くありました。 結果を出していないのに「幸せ」ひとことで言うと、幸せになりました。始めが不幸だったわけではないですが、前よりも明らかに日常が「満た

          マズローの欲求5段階説はすごいと思った話

          がんばり始めた日のことを

          何かをがんばる、というのは、 “自分は凡人かもしれない” そうやってぎくりとしたとき。そこからが本番なのだ。 絵を描くことが好きで、美大に入り、いろいろな課題をこなしてきた。 先日も、デッサンの授業を受けた。 先生からアドバイスを受けた。 何度も、何度も、同じようなことを言われる。 そうこうしているうちに、なぜか涙が出てきて、たまらなかった。 (誰にも気付かれないほど静かに眼から垂れ流し、マスクに吸い込まれていった。) 今までには無かった感覚だ。 言われれ

          がんばり始めた日のことを