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エッセイ

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2024年6月27日木曜日、はれ

2024年6月27日木曜日、はれ

今日は朝からトイレ掃除をして洗濯物を干して、新しいお洋服を着て新しい靴を履いて、出かけた。しっかり朝ごはんも食べた。毎日こんな朝のはじまりができたら、と思う。

予定していた電車には乗り遅れた。午前のご祈祷が間に合わない、だけど全部自分のタイミング。と言い聞かせ、赤坂へ向かった。

豊川稲荷東京別院。ここで厄祓いをしていただく。役者をやっているから厄祓いをしたらダメだ!と思っていたけど、役者である

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東京の恩人

東京の恩人

役者になると決めて東京に出てきたのが2017年。それまではエキストラとして撮影に参加するため、夜行バスで青森から東京に通っていた。だけど、このままじゃ役者としての自分が中途半端になってしまう。そう思い「女囚セブン」の撮影が終わった頃、気付いたら東京に家を借りていた。その勢いのまま事務所面談が進み、所属が決まった。そして、本格的に役者としてのスタートを切ることができた。

それから6年が経った今、そ

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身分証はお持ちですか?

身分証はお持ちですか?

私は煙草を吸わない
吸わないけれど買う必要があって
近くのコンビニエンスストアへ
携帯だけを持って出かけた

煙草って現金でしか買えないんだっけ
携帯だけで大丈夫かな
ダメだったらまた戻るか

などと考えながら
確か煙草は現金以外でも買えたはずだ、と
どこか確信しながら3分歩き
コンビニエンスストア着

私「203番1つください」
店員「203番ですね」
21時頃のレジに立つ店員は
個性的な人が多

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ひとりとふたり

ひとりとふたり

理由もなく涙が流れる時、すぐに月の満ち欠けを調べてしまう。そして必ず月のせいにする。明日は満月だから。新月が近いから。なんて、勝手に押し付けられて月も迷惑しているだろうか。それともあたたかく見守ってくれているのだろうか。

理由もなく涙が流れるなんてこと、本当にあるのかな。自分で言っといてだけど、どこかにちいさな理由が埋まっているのではないか。それに気付かないふりをして、月が月がと喚いているんだ。

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吸い殻

吸い殻

最大級かと思えるストレスにより煙草を吸ってしまったけれど、そのストレスから逃れることができたらやっぱり煙草は苦手だと再認識した。

特に煙草の吸い殻が苦手だ。吸っている時のそれとは違う独特のにおい。頭にぐわんとくる。クルクルまわる。ぶっ倒れそうになる。苦手だ。やっぱり苦手なんだ。

より臭いに敏感になってしまった。電車の隣に座る人が喫煙者だとすぐに頭が痛くなってしまう。マスクをしていてもガツンとく

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アルコールと私

アルコールと私

アルコールとは長い付き合いだ。といってもお酒ではない。除菌に使う方のアルコールである。それは強迫性障害の汚染恐怖が原因なのだが、最近新たなアルコールの使い方ができた。

飲む方のアルコールだ。幸いにも除菌に使う方のアルコールは使用量がぐっと減り「なにこれしあわせ〜!」と思っていたところだったが、なぜか今、お酒を飲まないと眠れなくなってしまった。今まで一滴も飲まなかったというのに。

お酒の量は決し

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デジタルデトックス

デジタルデトックス

とあるきっかけにより、TwitterとInstagramのアプリを消してみた。辞めたいとは思っていたけど、役者・佐々木史帆を知っていただけるきっかけになるツールなので辞める勇気はなく、また戻る予定なのだが。

SNSと距離を置いている間、部屋の模様替えをしたり、壁色を変えたり、紙に想いを書き出したり、本を読んだり、瞑想したり、そういう時間を大切にしながら過ごしている。なんて心地いいんだろう。電車内

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その名は、わっち

その名は、わっち

2022年12月12日、
佐々木わっちは13さいになりました
うまれてきてくれてありがとう
出会ってくれてありがとう
うちに来てくれてありがとう
生きていてくれてありがとう

動物は相手の気持ちをまったく考えず
本能のままに、思うままに行動してくれる
自分が都合悪いと平気で怒るし
甘えたい時はいくらこっちが無理でも甘えてくれる
そうやって生きてみたいものだ、と思う

だけどわっちほ少し違う
お家に

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煙草を吸う

煙草を吸う

初めて煙草を吸った。いや、正確には初めてではない。二十歳過ぎた頃だったか一度友達から一口もらってみたけど、咳き込むだけでなんの美味しさも感じなかった。

初めて煙草を吸った。中目黒で台湾料理を食べたあと、急に肌寒くなったその街で煙草を吸った。
「吸ったら火がつくんですよね?」
「そう」
「どうやって持つんですか」
「持ち方なんてどうでもいいよ」
すうっと一息吸い込んだ。美味しかった。吸ってる人の横

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さようなら

さようなら

本当に大切なことはいつまでも闇の中かもしれない。考えれば考えるほどわからなくなる。だからこそ考えない、考えてもいいけど考えない。

行きたいと思ったら行く
言いたいと思ったら言う
欲しいと思ったら手に入れる
食べたいと思ったら食べる
触れたいと思ったら触れる
会いたいと思ったら会う

嫌だと思うことも、好きだと思うことも、間違ったと思うことも、失敗したと思うことも、良いも悪いも全部自分のしたことは

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じゅっつのこと

じゅっつのこと

今までは病気に邪魔されて
制限の多い毎日だった
でももう邪魔されたくない
やりたいことやりたい
好きなことものと触れ合っていたい

ひとつ。
実家に眠らせていた大切なお洋服たちを
一人暮らしの我が家に送ってもらいました
これからはたくさん
いろんなところへ着て行きます

ふたつ。
いいものを長く使いたいので
普段よりも少し
お高めの靴下を買いました
デニムの残糸で作られた靴下さんたち

みっつ。

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流れる時間、こびりつく制度

流れる時間、こびりつく制度

「五年も付き合っていたのに
 結婚する気がないと言われて
 気付いたら婚期を逃していた
 もう三十歳になってしまう」

私が勝手に想像して
ちらりと耳にする言葉たちを
まとめた四行なのだけど
この四行に
どれだけの不思議が
詰め込まれているのだろう

一緒にいた五年間は無駄だったの?
たくさんの感情が、学びが、豊かさが、
そこにはあったんじゃないのかな

結婚することの他にも
なにか大切な通過点が

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家族ってなんだろう

家族ってなんだろう

考え事をしたい時、落ち込んでいる時、もやもやする時、私はいつも出窓に座って猫のように外を眺める。遠くに見えるマンションのキラキラたちが応援してくれているみたいに感じたり、寂しさの原因になったりする。その時々で、キラキラの入り込み方は違う。

今年に入ってよく考えることは「家族として共に生きる」ことについて。誰かと共に生きることは素敵なことだなあと思う。

結婚したいわけではなくて家族になりたい、と

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ひとり、ふたり、いろんなかたち

ひとり、ふたり、いろんなかたち

誰かと共に生きること、寄り添うこと、思いやること、について、考える最近です。
前に書いた記事に「呼び方の話」があったと思うのだけど、その違和とも繋がる気がする。

仲間とか友情とか恋愛とか好きとか嫌いとか、そういうのって代表作は存在しなくて、ただの(仮)に過ぎない。

「はい、こういうのって"友達"だよね」
「うん、これは"恋愛"でしょ」

とか、なんかそんな感じで生き進められているのかな。そうい

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