見出し画像

流れる時間、こびりつく制度

「五年も付き合っていたのに
 結婚する気がないと言われて
 気付いたら婚期を逃していた
 もう三十歳になってしまう」

私が勝手に想像して
ちらりと耳にする言葉たちを
まとめた四行なのだけど
この四行に
どれだけの不思議が
詰め込まれているのだろう

一緒にいた五年間は無駄だったの?
たくさんの感情が、学びが、豊かさが、
そこにはあったんじゃないのかな

結婚することの他にも
なにか大切な通過点があればいいよね
結婚はスタートだと考える人も
ゴールだと考える人も
意味のないことだと考える人も
それぞれだと思うけれど
結婚制度に苦しめられている人たちは
きっと、想像以上にいるんじゃないかな
結婚したっていいと思うし
離婚したっていいと思うし
結婚しなくたっていいと思う
"安心したい"という気持ちは
どういうカタチで落とし込めるのだろう
人と人、私とあなたにしかわからない
目に見えないモノなんだろうな
全てが永遠だからこそ
なにもかもが永遠じゃないんだ

婚期だなんて言葉、誰がつくったの?
結婚に適した年齢なんてないでしょ
世間に囚われてしまっている
世間をつくりだした自分たちが
自分たちを苦しめてしまっている
そういうことって多いと思う
世間なんてバラバラになってしまえばいいのに
誰ひとり被ってはいけなくなればいいのに
という自分もきっと
世間の一部として生きてしまっている
ふと、言ってしまった、ことが、ある
そういう、ふと、が、こわい

年齢なんて関係ないよ
つい、聞いてしまうことはあるけど
(そういう、つい、が、こわい)
年齢は病院とかでしか必要じゃないと思う
身体は正直だからさ
衰え、というのが確実にあるから
それは年齢を考えてもいいと思う
でも、生き方に関しては
まったく必要じゃないよね
説明する時には楽だから
何歳の時に何をして、とかは言う
言うけど、単なる数字というか
そういう数字を
我々はつくりだし、傷つくのだけど

ああそうか、こどもか
出産するには年齢が関係するのか
こどもが欲しいから、か
となってくると話は変わってくる
のか?
完全に、自分が、こどもを持たない
こととして考えてしまっていた
こういう、無意識が、こわい