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心に響きました

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心に響いた記事を入れさせていただきました。
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#子育て

春の歌

春の歌

子どもが、小学校高学年だったある日、帰宅してからポツリと呟いた。
「学級委員を押し付けられた。やりたくないと言っても、聞いてもらえなかった」

子どもは、クラスの中では体格が小さい方で、どちらかといえば運動が苦手だったから、同級生から何かとからかわれることが多かった。
だから私はその時、学級委員を務めるという経験が、少しでも子どもの自信につながるんじゃないか、と淡い期待を抱いたのだ。

「人の役に

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学校に行かないという選択。「自発的な学びとはどこから始まるのか。」

学校に行かないという選択。「自発的な学びとはどこから始まるのか。」

2月の終わりに長男の中学の定例面談があった。

学校に通わない選択をしている長男もこの春には中学3年生となる。所謂、不登校の子どもたちが進級するにあたり、もし望むのであれば、再度同じ学年で学ぶという選択もあるのだそうだ。私が中学生の頃には、そのような制度というか選択肢はなかったので、なるほど、そんなものがあるのか、本人さえ望むのであれば、そういった時間を過ごすものアリなのかもしれないな、と思う。

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Bling-Bang-Bang-Born

Bling-Bang-Bang-Born

「親の過干渉が、一番いけないんです!」
と、YouTube の人が力説している。
……アレをしなさい。コレをしなさい。
……ソレをやっちゃダメ。ソコへ行っちゃダメ。
「とにかく親が口を出し過ぎる。それでは子どもは、何の経験も積めない」

「その通りだよなぁ……」と深く頷く一方で、私の心には、割り切れない思いもふつふつと沸き上がってくる。

私は、親から関心を持たれなかったり、適切なケアがなされない

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おおきくなるということは。

おおきくなるということは。

姉に高校三年生の息子がいる。

彼とは、彼が産まれてからの、いや、細かいことをいえば、産まれる前からのお付き合いである。

「兄弟姉妹の子どもって手放しでかわいいよ!」と聞いてはいたが、それは、「親としての責任を微塵も感じることなく、ただひたすら可愛い!と思える存在である」という意味だと知ったのは、自分が親になってからからだ。

そんな彼も18歳。大学受験の真っ只中。明日は本番の試験なのだそうだ。

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どんなにちいさなことがらも、〈させること〉は、できない。

どんなにちいさなことがらも、〈させること〉は、できない。

新学期早々にコロナウイルスの影響で学校が休校になったときのこと。長男の担任は転勤してきた方で、あまり顔をあわせることもないまま、休校となっていた。

毎週、木曜・金曜に長男、二男それぞれに担任から電話がかかってくる。健康面・生活状況の確認のためだ。先生方は休校中でも、様々な業務に追われているであろうに、ひとりひとりに電話をするというのは、大変なことだと思う。

その金曜日、長男の担任から電話があり

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卒業と変態

卒業と変態

先日、息子の卒業式へ出席した。

田舎ゆえ、それほど大きくはない学校だが

それでも、久しぶりの体育館は広く感じるものだ。

この体育館で入学式をしたのは、たかだか三年前の事ではあるが

わたしにとって、混沌混乱を極めた三年間であっただけに、穏やかではいられない。

あっという間だったなと言いたい気持ちになるが

いや、あっという間ではないな。と自己問答する。

そんなことを考えているうちに、卒業

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