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読書と平凡な日常

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本の紹介と感想、そこから選出したテーマによるエッセイをほぼ毎日書きます!!!!
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読書と平凡な日常36 黄泉がえりと冥界くだり

読書と平凡な日常36 黄泉がえりと冥界くだり

 どうも、紅りんごです。ギチギチに詰まった時間割、ようやく始まった授業にへとへとの毎日。眠気眼をこすりながら更新していきます。

 36冊目は綾辻行人『Another2001』。Anotherシリーズ三作目である本作は、全二作の集大成となっている作品。(更に次回作の構想もあるみたいです。)本作では、更に呪いの本質について切り込まれており、世界観がより分かりやすくなりました。これからどんな展開してい

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読書と平凡な日常35 山猫軒

読書と平凡な日常35 山猫軒

 どうも、紅りんごです。これまでよりもさらに本を読み、語彙力等を高めようと続けてきた読書と読書報告。6月末日から今日でようやく100冊読むことができました。あまり無理しなくても意外に本は読めるものだと感心しました。賢くなった、なんてことは無いですが、様々なジャンルや題材の小説に触れることで思考の幅は広がったように感じます。まぁ、とはいえまだ100冊。大学生になるまでにもそれなりには読んできましたが

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読書と平凡な日常34 汚れた手で洗うのは足

 どうも、紅りんごです。気温が下がっていく中、冷たい水に触れるのがだんだん厳しくなってきていますが、皆さんはいかがでしょうか? 季節が冬に差し掛かっても手洗いうがいを忘れないことが重要だと思います。でも、洗っても洗っても落ちない汚れってありますよね。今日はそんな作品を紹介します。

 34冊目は芦沢央『汚れた手をそこで拭かない』。イヤミス5編からなる本作は、罪を犯した人間が堕落していく様を上手く描

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読書と平凡な日常33 読者が求める安心

読書と平凡な日常33 読者が求める安心

 どうも、紅りんごです。最近楽しみにしていることは、本屋に立ち寄ることです。立ち並ぶ色鮮やかな本の表紙、閉じられた作品の中に広がっているであろう世界。その本に囲まれて、本に込められた可能性を肌で感じる一時は何物にも代えがたいものがあります。今日はそんな本屋でよく見る「あれ」に関する作品です。

 33冊目は水生大海『最後のページをめくるまで』。最後のページでどんでん返しが待っているショートショート

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読書と平凡な日常32

読書と平凡な日常32

 どうも、紅りんごです。そろそろ髪を切りたいと思いつつ、まだ早いかと思って取りやめる日々。今日は特に紹介する作品と関係することは無いので、早速紹介の方に移りたいと思います。

 32冊目は芦沢央『いつかの人質』。12年前に誘拐された少女が再び誘拐され、捜査線上には12年前の誘拐犯の娘が浮かび上がった。事件を追う刑事たちは次第に事件の異常性、12年前の事件との関りを知ることとなる。

 犯人の思想に

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読書と平凡な日常31 自由とは

読書と平凡な日常31 自由とは

 どうも紅りんごです。最近は天気が芳しくないので、気分が晴れませんね。もし、翼が生えていたら雲の上まで飛んでいって鮮やかな空を目にできるのに。そんなことを思いつつ、その翼に関する作品を紹介します。

 31冊目は米澤穂信『いまさら翼といわれても』。表題作読了後の無力感には打ちひしがれる他ない。自由を奪われた残酷さと自由を与えられる残酷さ。10代の少年少女には背負うには重すぎる問いは、やはり氷菓シリ

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読書と平凡な日常28 伝統と惰性

読書と平凡な日常28 伝統と惰性

 どうも、紅りんごです。今日は友人たちと落花生を茹で、りんごと共に摘まみました。茹でたての落花生はジャガイモに似た食感で、私のよく知るピーナッツとは大きく異なっていました。まぁ、きちんと味付けすれば美味しかったのでノープロブレムですが。
 つまみがあれば話は進む。話が母校に触れた折、私は自分が学校文集を製作する立場だったことを思い返していました。偶然にも、今日紹介するのも、そんな文集に関わる作品で

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読書と平凡な日常27 5万石のゴリラ

読書と平凡な日常27 5万石のゴリラ

 どうも、紅りんごです。葉を落として身軽になった木々の寂しさに秋の訪れを感じる今日この頃。晴れ晴れとした夏の締めはやはり「幽霊の出る」作品の紹介で決めようと思います。

 27冊目は綾辻行人『Another ep.S』。時系列で言えば、冒頭が前作後、話の内容が前作の夏休みの間というお話。幽霊と死が見える少女との邂逅、ほんのり切ない夏の思い出がそこにある。

 前作を読んで何となくどういう書き方をさ

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読書と平凡な日常26 心なしかAI

読書と平凡な日常26 心なしかAI

 どうも、紅りんごです。私の1日の始まりと終わりははソシャゲ基準なので、まだ1日は終わっていません。だから、これは22日分の更新なんです……なんて屁理屈は置いといて、さっそく紹介に移ります。

 26冊目は早坂吝『探偵AIのリアル・ディープラーニング』。探偵役がAIというのは、何とも突飛な発想にも思えるが、近い将来あり得る話だと思うと面白かった。しかし、登場人物が無駄に多い気もしなくはないのが事実

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読書と平凡な日常25 孤高と孤独

読書と平凡な日常25 孤高と孤独

 どうも、紅りんごです。今日は中秋の名月ですね。月が見えないので、ただ団子を頬張るだけの夜になりそうです。今日は読了後にそんな「寂寥感」に包まれる作品を紹介します。

 演劇部に潜入し、学園祭に向けた発表を進めつつ、事件を追う主人公。追えば追うほど彼は事件の全貌を知り、同時に精神的に追い詰められていく。青春の残酷さが色濃く表現されている小説のため、読了後の寂寥感も濃いものがある。

 空に浮かぶ月

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読書と平凡な日常24 好きな物には正直で

読書と平凡な日常24 好きな物には正直で

 どうも、紅りんごです。先日お出かけしたついでに買った珈琲を今日淹れてみました。芳醇な蜂蜜の香りと後に残る甘味と珈琲の苦みが上手く共存していて、とても味わい深い一杯でした。珈琲は私の好物、今日はそんな「好きな物」に関わる作品です。

 24冊目は浅原ナオト『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』。ひょんなことから、クラスメイトの女子が腐女子であることを知ってしまった主人公。彼女が学校で腐女子で

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