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エッセイ・コラム

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2024年7月の記事一覧

無関心にスカすより、”高尚な人種”として議論しよう

無関心にスカすより、”高尚な人種”として議論しよう

好きの反対は嫌いではなく無関心である、という言葉がある。
現代社会においては様々な文句が飛び交うわけだが、それもこの社会に対する関心の高さを表しているのであって、嫌なことはたくさんあっても無関心になってどうでもよくなるほどではない、という意味ではまだ社会は健全なのかもしれない。

以前も取り上げたMr.Childrenの「彩り」という歌の中に、こんな歌詞がある。

言われてみればその通りである。

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変だよねって思っても

変だよねって思っても

小さなころ、「これって変なのではないか」と問題意識を持つことが多かったように思う。
小さな頃は以前書いたように「便所の電気を消せ」といっている親が時に便所の電気をつけっぱなしにしているなど、「自分が言ったことを自分ができていない」という状態に強い問題意識を持ち、時にぶつくさと文句を言っていたものである。

高校生にもなると多少は社会のことがわかるようになって、その問題意識は身の回りのことから社会の

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やっぱりスポーツドリンクはうまい

やっぱりスポーツドリンクはうまい

夏場に学校に向かう小学生に出くわすと、水筒をもって学校に行くのをよく見るようになった。じりじりと暑い日差しが差すなか猛ダッシュで走る男子の水筒からは、カランコロンと跳ねる氷の音が聞こえることもしばしばだ。

私が小さいころは水道水をがぶがぶ飲んでいたものであるが、大学の時分に教育実習に行ったときにはすでに、衛生上の問題からか次第に水筒を持っていくのが主流になっていた。
唯一の例外は、運動会の練習が

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記者は情報の最先端にいない

記者は情報の最先端にいない

よく記者は情報の最先端にいるといわれることがある。

確かに、様々な人に対して取材をすることができたり、発表前に勝手に報道したり(いわゆる独自や特ダネといわれるもの)、誰もが認識していなかった事実を報じたりと、社会に開かれていない情報(いわゆる非公開情報である)を得ているという意味では、情報の「先っちょの方」にいるのは事実だろう。

ただ、最先端であれば、発表する内容を作る側に回る必要がある。

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睡眠の質とは日常の質である

睡眠の質とは日常の質である

中学生のときには頭があまり良くなかったので塾に通わされていた。総じて聡明なメンバーが多かったのだが、今思えば個性の強いメンバーに囲まれていたものである。

ひとりはトップレベルの都立高校に進学したが、彼は怒ったりすると、両手と片足を前に突き出して「3点透視!」と意味不明な攻撃を繰り出していた。我々も面白がって、彼が冬場になるとよく着用していた赤とピンクの間のような色のパーカーを「たらこ色」「たらこ

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批判に耐えうる軸を作ろう

批判に耐えうる軸を作ろう

人間は暇なので、間違いだと感じることを誰かが言っていると偉そうに論評してしまう。
それだけに、何かを言えばどこからともなくどんな批判でも飛んでくるのが現代社会である。インターネットの世界の中では「アンチ」なんて呼ばれる人たちがそうした批判を繰り出すものだ。

批判を避けるために人から言われたとおりにやる、という人が時折いるが、人から言われたとおりにやっても批判されないわけではない。人は自分を守って

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短冊に願いを込めて~七夕の都知事選~

短冊に願いを込めて~七夕の都知事選~

都知事選が終わった。以前もあれこれ書いたが、7月7日の七夕に投開票日を迎え、投票締め切りとともに小池百合子都知事の三選が決まったとの報道が流れた。いわゆる「ゼロ打ち」である。

結果をめぐっては様々な意見があろうかと思う。SNSが発達した現在、多くの人が政治や今回の選挙結果について論評をしている。私もまたその一人である。
そのなかでも時折「今回の結果を受け入れがたい」などといった投稿を見かけること

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新500円玉が使いづらいことを嘆いていた芸人がいる

新500円玉が使いづらいことを嘆いていた芸人がいる

新紙幣が3日から発行された。1万円に渋沢栄一、5千円に津田梅子、千円に北里柴三郎という顔ぶれである。個人的には津田梅子よりも樋口一葉のほうが好きだが、まあそれはどうでもいい。
新紙幣をありがたがってもらいに行く人がいるけれども、そのうち手には入るのでは…と私は考えてしまう。流行の最先端を走ったり、それについていくようなアーリーアダプターにはなれないのだろう。

日常生活でお金を使う機会でいうと、自

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