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【第5章】地方広告代理店篇

前回迄で「爆誕~学生篇」が終わり、
今回から「ともユッキー 過去篇」の「社会人篇」が始まるわけだが・・・

※前回までの「過去篇」を読みたい方は下記URLから!
https://note.com/0420tomoyuki/m/mc7fe2d63f825

まずはじめに前置きとして、
これ以降の「社会人篇」は、世の中の闇の深い部分と俺の性格の性格の悪さがテンコ盛りの話ばかりです。

その為、今後もご一読いただける方々は くれぐれも覚悟してお読み頂き
また胸糞展開や鬱要素もあるかと思いますので、読むときの精神状態にもくれぐれもお気を付けてください。

・・・あと「社会人篇」を読んでも俺の事、嫌いにならないでくださいね!笑


大学卒業後、俺は地元岡山県でも有名な広告代理店に新卒社員として入社した。

会社名は知らなくても、その会社で発行している自社媒体の「月間のタウン情報誌」の名前を言えば
岡山県で知らない人は居ない
と言っても過言ではないレベルの広告代理店である。
※ちょっと調べたら即特定が出来そうなくらいに情報を出してしまいましたが、雑誌名や企業名は一応伏せときます!笑

俺以外に新卒の同期入社は3人居た。
比率は俺を含めて、男女共に2人ずつ。

単刀直入に言おう。 俺は同期が3人中2人が嫌いだ。
かと言って残り1人に好意が有る訳でも無く「まぁ 比較的接しやすい常識人」程度の印象。

以下の文章では、俺が嫌いだったの2人は同期男Kと同期女M。
残りの1人は同期女Hと表記することとしよう。

俺がダントツNo.1で大嫌いだったのが「同期男K」である。 
それに向こうも俺のことは嫌いだっただろうと確信している。

口調、表情、考え方、行動、
何かお土産を買ってくる際には全員分のお土産(ドンキでも買える品)とは別に幹部陣にだけ個別で良いお土産を買ってくるという媚の売り方、
終始 人を見下した様な会話の話し方と表情、なめ腐った精神、俺は同期男Kの全てが大嫌いで毎日イライラしていた。

その他の嫌いな点やエピソードを上げ出したらキリが無いし、腹が立ってくるので一旦止めておく。

同期女Mはそこまでではないが、高飛車で定期的に言動が癪に障る程度。

そんな同期と共に行わなければならない業務が「新入社員」というだけあり多数あった。
これも話し出すと長いので割愛するが、業務の中でも定期的に揉めてはいた
決定打になったのは、忘年会の「新入社員による余興」の計画・練習の時だった。
ギクシャクどころの騒ぎではないレベルで日を増す毎に同期の中が悪くなっていくのが解った。

いや・・・まぁ、正確に言えば俺とその他の同期の間が悪くなっていくのが解った。

※ちなみに忘年会の演目は大揉めの結果「ダンス」という何の捻りも無いクソしょーもない定番の内容になり、
 俺は「今日から俺は!」ブームの影響で「男の勲章」と、何故か「フライングゲット」を女装で踊った。笑

そうして日々同期との関係は悪化していく中、
先輩や上司陣との関係は良好そのものだった。
お世辞抜きで、厳しくも優しい先輩方に本当に様々な経験やチャレンジをさせて貰った。
今でも当時の経験した事や知識は、身に付き生かされていると思う。
貴重な体験をさせて貰って感謝しかない。

俺は人事異動で会社の「広告代理店部門担当部署の営業」と「雑誌編集部の営業」両方を経験する事ができた。
両方の部署の直属の上司の方々には本当に良くして頂いて、恵まれたと思っている。

そんな中「毎朝の各社新聞・広告のファイリング」「忘年会の余興」と同様に新入社員恒例の3大業務の1つが開催された。
それが通称【100万円企画】という競争型営業イベントである。

ルールは簡単。
新入社員(入社1年目)を対象として、自力で新規営業活動(既存顧客に対しての新規営業も可)を行い
「粗利で100万円」を期間内で達成させるというもである。

売り込む商材は一切問わず、自社媒体やイベント開催・広告掲載なんでも構わない。
だが「達成しなければペナルティ、達成したらボーナス」というノルマ制ではなく、
あくまでも新入社員の育成・業務の流れの把握が目的とモチベーション向上の目標として企画されたものだそうだ。
※期間は半期か1年かは忘れたが、多分それくらいだったと思う。

でも実際は自分で獲得した粗利が有ろうが無かろう、先輩たちが獲得した案件を「代わりに担当する」という形で、
業務を着地まで行い その売り上げを付けて貰い、粗利100万円を達成するというのが通例だそうだ。

この企画内容が発表された際は、正直「達成してもボーナスが出る訳では無い」という時点でやる気も興味も無く「頑張ってる風」を演出するつもりだった。

そもそも普段から与えられた目の前の仕事に関しては真面目に一生懸命に取り組むが、「頭一つ抜けよう」「昇進しよう」の意思はなく
俺の基本スタンスはいわゆる「昼行燈」。

漫画・アニメキャラで例えるならば「BLEACH」の「京楽 春水」がまさしく俺が目指すべき理想形の働き方・生き方である。

なので基本はまじめに仕事はこなしつつ普段から「営業に行ってくる」や「○○イベントの●●設置してきます」といって外出して、
空いた時間に買い物したり、ご飯食べたり、昼寝したり・・・時には当時没頭していたゲーセンのアーケードカードゲームをやったり、
当時推していたアイドルのイベントに参戦したりした事もあった。笑
なんなら普段以上に「100万円企画の営業」を理由に自由な時間が増えるとルンルンしていた。

しかし 「100万円企画」開始から1カ月程経過した頃、俺の大嫌いな同期男Kが今期この企画の初案件獲得をした事で事態は急変した。

初獲得しただけならまだしも、複数の上司や先輩に褒められたり お祝いで奢られたりしていて気を良くして調子に乗った同期男Kが
定例会議の時に上長から「100万円企画」の始まった感想を聞かれた際に事にした
「これはこれで何か新入社員同士のバトルみたいで楽しいかもっすねww」
と横に座っていた俺をチラッと見てほざいた・・・

ドバァーーーー!!

自分の心の中にあるバケツへ入る怒りが許容量を超えて溢れ出したのが解った。

「お前その言葉本気で言ってんだな? バトルと言ったからには完膚なきまでにブッ潰しますけど大丈夫そ?」
そう内心で思いながら、俺は引きつった笑顔で「ですね~」と乾いた相槌を返した。

その日以降 俺は本格的に動き出した。

やると決めた時は「正々堂々、どんな手段を使ってでも勝つ」という「昼行燈」と並ぶ俺のモットーかつ美学の1つに従って闘う。
勿論 法に触れる事はしないけど、それ以外のやれる事は何でもやる。
親が飲食店をやっている事で得た知識や、映画やドラマ・読み物で得た知識、その他使えるモノはフル活用して闘いに臨んだ。

と言う訳で少しだけだが俺がやっていた営業方法を、箇条書きにはなりますが一部ご紹介します。笑

飲食店は寿司屋を営む両親の影響で把握している「店の一番暇な時間」や「飲食店における都合のいい時間」を訪ねる。

初めて訪問する「飲食店」の方に対しては「お世話になっております」ではなく「営業お疲れ様です」などを挨拶として使う。
 ※新規営業で狙って訪問してるのは①の通り「暇な時間」だから「お忙しいところ恐れ入ります」は嫌味に聞こえかねないため使用しない。
 ※「お世話になっております」は何度か訪問してから使用。初見だと営業色が強すぎるため。

自分で用意した備品を「店前に落ちていたから届けた」という形で入り、会話の流れでタイミングを探り「実は私・・・」と営業に入る。
 ※備品は無論必ず回収する想定だが、万が一に回収が出来なかった時様に、ハンカチやボールペンや小さいおもちゃ等100均で買った安物で用意。

嘘(フェイク)は絶対に使わず、はったり(ブラフ)を使う。

訪問後は必ず1時間以内にメールやライン等の文面で「御礼連絡」

その他にも色々あるが話し出すと長くなるので企業秘密という事にさせてもらいます。笑

それにただ単純に上記をそのままやっても上手く行かないと思う。
営業にも個々の得意とする営業スタイル・闘い方があると俺は思っているので、
これは正攻法ではなくあくまでも一例として、何ならしょーもない武勇伝や自慢話の類として聞き流してほしい。

そんなこんなで俺は「100万円企画」終了時には自力で約99万円を達成していた。
あとは先輩の催事案件の印刷物の売り上げを「やり取りや進捗管理を俺が行う」という条件で紐付けして頂いた分を加えて見事100万円達成。

前述した通り、大多数は自分での売り上げは一部でほぼ先輩の売り上げで100万達成するのが通例で、
9割以上を自分で達成したのは史上俺含め2人目だそうだ。
もう1人に関しても「誰か居たような気がする」のレベルで人によっては史上初だとも言われり、
上長や直属の上司・先輩には「催事案件自体も今は、お前と先輩社員の2人共同で動かしとる様なもんやし印刷部分も○○さんと全部やり取りしとんなら
実際100万円全部 渡邊(俺の本名)は自力達成や」と完全達成の太鼓判を頂いたりもした。

他同期面々は自力達成には遠く及ばずで、通例通り先輩からの紐付けで売り上げを100万円にした。
同期男Kとも大差をつけ奴の言う「バトル」は俺に軍配が上がったわけだ。

会社全体には何故か「100万円達成した」と話題が広まっており、先輩や上司の方々からは祝いの言葉や副賞として奢って貰ったりプレゼントやケーキも頂いたりした。

だだ俺が一番嬉しかったのは俺が褒められる度に俺以上に得意気で嬉しそうにしている、直属の上長と上司の方と先輩の3人の顔だった。
これが「昼行燈」のダメ社員だった俺がお世話になって日頃から気に掛けてくれた3人に出来る唯一の恩返しの方法だった。

後日談だが「100万円達成した」と話してくれてたのも、嬉しい事にその直属の上長・上司と先輩の3名だったらしい。

あとついでに同期男Kが「100万円企画」について自ら一切口を開く事は無くなり、
先輩たちが俺を褒めると面白く無さそうな顔をして黙ってる同期男Kの姿を見れたのは超最高だった


1年目が終わり、俺に人事異動の通達が来た。

異動内容は「広告代理店部門担当部署の営業部署」から「雑誌編集部の営業部署」へ。

異動の理由は先輩曰く、前述した「100万円企画」の功績が影響しての事でスカウトがあったのではないかとの事だった。
「100万円企画」で効率よく目標達成するには、パーセンテージは伏せるが利益率が他媒体にくらべ
圧倒的に高い「自社媒体の掲載枠」を積み上げるのが1番
であり、何を隠そう俺が売り上げたのもほぼ全て「自社媒体の掲載枠」だったからだ。

これも後日談で聞いた話だが先程も話した直属の上長・上司と先輩の3名も、上層部と掛け合って交渉もしてくれたそうだが、異動は覆らなかったそうだ
その事を聞いて凄く嬉しかったし、涙が出た。
リスペクトしてた方々に必要としてもらい、手放したくないと思って貰えたという事実がとてつもなく嬉しかった。

正直 今思えば俺自身「お世話になっていた3人に1回でも恩返しが俺なりに出来た」「嫌いな同期男Kに一泡吹かせた」そして「直属の上長・上司と先輩の3名が俺の異動を拒んでくれた」
それらの濃い事実が3つも自分の身に起きた時点で満足してしまったのかもしれない。

そしてその約1年後、俺はそこの広告代理店を自主退職した。

無論異動した先が不満だった訳でも、そちらの人間関係が良くなかった訳では無い。
むしろ異動した先も人間関係は良好だったし、移動先での直属の先輩にも良くして頂いた。

ただシンプルに退職理由は「表舞台で活躍したい」というずっと持っていた想いが、
広告代理店という言うならば裏方よりの職業を通して表舞台を観ている内に強くなり勤続わずか2年ほどだったが退職するという決断に至った。

そうして今回の「地方広告代理店篇」はアッサリ終了し、次回の「恋するフリーター篇」へと繋がる。

タイトルに「恋する」と付くだけあって、恋愛が絡んでくる。

ただ先にネタバレの様な形になるが、恋愛が絡むからといって1ミリのラブロマンスもない。
なんなら「恋愛物語」の皮を被った「転落劇」と思ってもらえばいい。
というかこの辺りから残り過去篇は2章になるが暫く「転落劇」が続くと思っておいて下さい!笑

という訳で例の如く長文にお付き合い頂きありがとう御座いました!

次回もお楽しみに!
ではまた🐷

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