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#新宿
バックパッカーズゲストハウス②「寂しい男」
*この話は実体験ですが、著者の記憶違い、主観が多分に含まれています。また、主に登場人物に関して名前や設定を故意に変えている部分があります。
東京で暮らす必要があった訳ではない。あえて理由を探すと、地方で暮らすフリーターという、つまらない役どころに飽きていた。そこで自分の役を変えようとしたのだ。本当はF1レーサーになりたかったが絶対に無理なので、努力も才能も必要無く、それでいて面白そうな役を探し
バックパッカーズ・ゲストハウス⑬「微笑み」
静岡からは当たり前のように龍の金で新幹線に乗って東京へ向った。龍とパンクが泊まるというビジネスホテルに私の部屋も取ってくれていた。
訳の分からない東京都の条例のせいで、日の出時間に合わせて仕事が始まるので、ホストという仕事のイメージにそぐわず、龍は早寝早起きだった。何を食べたか覚えていないが、やはり龍の奢りで晩飯を食べて、直ぐに就寝ということになった。東京最初の夜は、部屋で彼女にメールを送り
バックパッカーズ・ゲストハウス⑭「職と住」
これまでのあらすじ:F1ドライバーになることを諦め、風来坊になろうと決めた私は、七難八苦を乗り越え無事に東京へ辿りついた。前回までのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2
一〇〇均で履歴書を買って、その辺にある無料の求人誌を何冊か探して、覚えてないが当時の私の行動を考えるとドトールかマクドナルドのどちらかへ入った。そこで求人誌の中か
バックパッカーズ・ゲストハウス⑰「取り巻きと金」
これまでのあらすじ:純情ピュアボーイにもかかわらず、私は無事に五反田のエロ屋でのバイト面接を終えた。【前回までのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
帰りに五反田のマクドナルドに寄った。牛丼を食べてからそんなに経っていなかったので、コーヒーとアップルパイでも注文したんだと思う。店の中でデカい声で喋ってるヤツが居た。
「俺たちは、
バックパッカーズ・ゲストハウス㉒「終電の終点」
前回のあらすじ:「先に保証金を払え」というティッシュ配りのバイトを初日にぶっちし、ボストンバッグを枕にゲストハウスで昼寝をかました。夜は新宿に友人のやるド下手なバンドを見に行った。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
龍とバンドメンバーと、何人か合流したホスト連中と打ち上げで居酒屋に行った。龍の周りにいる人間に共通して
バックパッカーズ・ゲストハウス㉚「くるくるくるくる、巻き巻き巻き巻き」
前回のあらすじ:ボロい機体で撮った証明写真を片手に、新宿のオフィス街にあるレストランへバイトの面接へ行き、見事採用された。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
せっかく遠距離をしているのだから、手紙を書こうと思い、帰りに文房具屋に寄った。ウォルトと彼の兄貴のロイについて書かれた本を読んで以来、ディズニーにハマっていたの
バックパッカーズ・ゲストハウス㉛「嫌西側諸国」
前回のあらすじ:レストランでのバイト初日、役者志望の先輩にサロンの巻き方を教えて貰った。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
この日だったか、別の日だったか忘れたが、営業終わりにゴミを捨てにいく場所も、役者志望の女に教えてもらった。地下にある鉄の扉を開けると、かなり広い空間が広がっていてそこ全てがゴミの集積場だった。コ
バックパッカーズ・ゲストハウス㉜「スリップ・オン・ザ・ゲロ」
前回のあらすじ:店長に怒られながらバイトにいそしむ日々が始まった。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
大阪から転勤してきた副店長に、青森出身の店長は、まず第一声で、「俺、関西弁嫌いだから、絶対に使うなよ」と言ったそうだ。愛媛から出てきて、大阪弁を間延びさせたような方言を使う私は、店長から見れば立派な西側の人間だった
バックパッカーズ・ゲストハウス(70)最終話「おやすみ東京」
前回のあらすじ:早朝にゲストハウスを出た。秋葉原に四ヶ月住んだもののメイドとのロマンスはなかったが、好青年の恭平から「いってらっしゃいませ、ご主人様」というメールは来た。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
新宿では龍と待ち合わせていた。事前にこの日発つことを伝えた時に、彼は、「最後に見送りに行く」と言った。
西口